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ほなひさ🐣💍
「おい、大里」
「臣くんってば!オレ先輩ね!?」
「これやる」
投げられた何かを慌ててキャッチ。なんかツルツルしてる?手を開くと、中に入っていたのはドーナツだった。
「これどうしたの?」
「コンビニのおまけで貰ったやつ」
「貰っていいの?」
「食べたい気分じゃねぇから、大里に食べてもらった方が助かる」
ちょっとビックリした。臣くんがツンツンじゃなくて棘の無い、ちょっと柔らかい喋り方になってるから。やっぱり本当の臣くんは優しいんだね。
このドーナツ、見たことない。多分新作か何かかな?せっかく貰ったし大事に食べよ。
「あ!コンビニのホットスナック食べる?」
「あ?いつ」
「部活終わったらだよ!コンビニ行かない?」
「まぁ、お前が良いなら」
お返ししなきゃね。ちょうど昨日バイト代も入ったし、臣くんと同じやつ買って食べようかな。
「決まりね。じゃあ部活行こっか」
「へーへー」
〜部活終わり〜
「臣くん、早く!」
「急かすなっつーの。今行く」
生徒玄関で外履きに履き替えて、臣くんと学校を出た。ここから徒歩10分くらいで着く所がいい。結構疲れたからお腹空いてるんだよね。
「今日も絶好調だったね」
「そういう大里は声枯れてたな」
「あ〜、気づいた?」
部活とバイトで絶対に声を使うから、最近喉がカラカラになってる。乾燥してて空咳もよく出る。のど飴舐めたり、うがいしたり。色々やってるけど中々治らない。もしかして風邪ひいた?
「痛むのか?風邪引いてたら承知しねぇぞ」
「ちょっと!?酷っゲホッ」
「無理に声出すな。コンビニ着いたし、先に飲み物買ってこい」
心配してくれてるのか、怒ってるのか分かんないなぁ。でも迷惑かけたくないから先に飲み物選びに行こう。
温かいお茶とホットゆず、どっちが良いかな。風邪だったらお茶が良いって聞くし、喉のケアしたいから蜂蜜入ったゆずも飲みたい。
「ん〜??」
「大里」
「食べたいの決まった?」
「ゆずの方が良いんじゃねーの?」
茶なんて家でも飲めるだろ。だって。
確かにお茶っ葉もお湯もあるし、家でパパっと作ればタダだから。うん、ゆずにしよ。
「臣くん今日は優しいね」
「あ?」
「ツンデレだよねぇ」
「…うるせ」
あれ?いつも怒るのにどうしたんだろ?会計を済ませてコンビニの外に出る。コンビニの隣にあるベンチに座って、2人でホットスナックを食べる。その間もずっと静かで落ち着かなかった。
気になって隣を見れば、臣くんと目が合う。
「元気してろよ」
「臣くん?」
「いつもみたいに、バカみたいに元気に喋って。楽しく歌ってろ…俺が落ち着かない」
そっぽ向いちゃった。揺れるピアスと耳が少しだけ見える。髪の隙間から見えた耳が赤くなってた。もしかして照れてるの?
オレも元気に喋って、楽しく歌いたいよ。臣くんも同じ気持ちなんだね。 だからさっき「承知しねぇ」なんて言ったんだ。あれは臣くんなりの気遣いなんだ。
「そうだね、元気でいないと!」
「おぅ」
「へへっ、オレ、良い後輩に恵まれたよ」
「当たり前だろ。俺なんだから」
ニッと笑った彼の顔が弟の笑顔と重なった。褒められた時、誇らしくなってちょっとドヤる感じが似てる。たった1つ下だけど、とっても可愛くて世話を焼きたくなる。
だからつい、臣くんの頭をぽんぽんと撫でしまった。
「ッ、何すんだ!///」
「可愛いなぁって思って」
「可愛くねぇよ!てか可愛いって何だ!///」
「顔赤くしてるし、本当は嬉しいでしょ〜? 」
いつもなら怒鳴ってくるけど今は怒鳴らなかった。図星つかれて、またそっぽ向いてスナックをむしゃむしゃと頬張った。
「ありがとね」
「あーもう、はいはいっ」
「また撫でてあげよっか!皆には内緒でさ、臣くんだけを褒める時間作るよ!」
「ッ~~、勝手にしろ!/// 」
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