──次の日。教室。
朝のホームルームが始まる前。
Mondoはいつものようにsellyの隣の席で、鉛筆を転がしながらぼーっとしていた。
sellyはプリントに落書きしてる。
二人とも、朝はテンションがいつも低い。
そこへ担任の先生が入ってくる。
「はーい席に着いてくださーい。今日はみんなに紹介したいお友達がいます。」
クラスがざわつく。
「え、転校生?」
「男?女?」
Mondoはまったく興味なさそうに視線を机に落としたまま。
でも次の瞬間。
教室のドアが開き――
ゆりあが顔を出した。
昨日玄関で見たままの姿。
そのままの、茶色い髪と大きな瞳。
だけど今日は、学校用の小さな赤いランドセルを背負っていて、
制服姿がとんでもなく似合っていた。
クラスが一瞬静まり返って、
「……え、かわ……」
「やっば」
「天使?」
小学生男子特有のざわざわが起きた。
先生が言う。
「みなさん、猫本ゆりあさんです。日本から来ました。仲良くしてあげてください。」
ゆりあはぺこっと頭を下げ、小さく。
「よろしくお願いします。」
その声は控えめなのに綺麗で、教室の男子の何人かが固まった。
席決め。
先生が教室を見回す。
「ゆりあさんの席は……そうね、Mondoくんの隣にしましょう。」
Mondoの肩がピクッと動く。
ゆりあはMondoの横まで歩いてきて、微笑む。
「……Mondoくん。昨日会ったよね。」
Mondoは視線をそらし、机に落書きしてるふり。
「……会ったか?覚えてねぇ。」
(※覚えてる。)
ゆりあは怒らず、ただ嬉しそうに言った。
「同じクラスでよかった。」
くそほど純粋な声。
胸がなぜかムズムズする。
言葉にできない何かが喉につっかえる。
その時、sellyがMondoに肘でつつき、ニヤッと囁いた。
「なに照れてんだよ、Mondo。」
「照れてねぇし!!」
Mondoの声が少し大きくなり、周りがくすくす笑う。
ゆりあは目を丸くして、くすっとだけ笑った。
休み時間。
案の定――
男子がゆりあの周りに集まった。
「ゆりあちゃんって何が好きなの?」
「どこから来たの?」
「一緒に遊ぼうぜ!」
モテるやつの典型。
その中心でゆりあは困った顔しながらも、丁寧に答えてる。
Mondoは遠くから見て、小さく舌打ち。
「なんだよあれ。調子乗ってんのか。……わけわかんねぇ。」
sellyは隣で頷いて、
「で?お前行かないの?」
「行くわけねぇだろ。興味ねぇし。」
(※めちゃくちゃ気になってる)
で、ゆりあが男子に囲まれたままMondoの方を見た。
視線が合う。
ゆりあが――手を振った。
にこっと笑って。
その瞬間、Mondoの耳がほんの少し赤くなった。
sellyが見逃すわけがない。
「なぁMondo。」
「…………は?」
sellyはニヤニヤしながら言った。
「多分お前、あの子のこと好きなんだろ。」
Mondoは即答した。
「……うるせぇ違うわ。」
でも否定しながら、目はまたゆりあを追っていた。
体育のときsellyがゆりあに話しかける。
「Mondoと会ったことあるって言ってたけどどゆこと?」
ゆりあは少し緊張しながら
「え、あ、お隣さんなの。」
sellyは興味が消え
「あ、なんだつまんな。それだけか」
そんな言葉を言いながらもsellyは緊張しているゆりあをみて、なんかかわいいなって思う







