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コメント
4件
めっちゃ好きです...🤦♀️💕読み切りなのにめっちゃくちゃ満足感あって凄すぎる!!! 初コメとフォロー失礼します🙇♀️🙏
わ~お… ちょっと『光が死んだ夏』っぽくて面白かったです✨️
久しぶりの投稿ですね、
冴凛どうぞ、
⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️
。冴凛
。ケーキバース
。カニバリズム
。死ねた
。ぐろ
。和解後付き合ったふたりの話 ( 同棲してる
。読切
ちょっときもちわるいかも
最近、俺がケーキだという事が分かった。
ある日、突然味覚を失った。
匂いもせず、味付けを足しても変わらない。
病院に行ってみれば、フォークだと診断され、ケーキを食べたい衝動を抑える薬を渡された。
飯は食いたくなかったが、きちんと食べなければサッカーに支障をきたしてしまう。
異物を食べているような不快感を堪え、胃へと押し込んだ。
* * * * *
凛から甘い匂いを感じるようになったのは、フォークになって直ぐの事だった。
いつも、甘い菓子のような匂いをまとっていて、急に食欲が湧いてくる。
匂いに心当たりはあるか、本人やチームメイトに聞いたが、「香水なんか付けるわけねぇだろ」「凛から甘い匂い?別にしないけど…」と怪訝そうな顔をされるだけだった。
周りの奴等は匂いを感じない……フォークじゃないからか?凛以外の奴からは匂いはしない……凛も周りとは違う?
と考え込んでいたその時、もしかして………と、とある考えが頭を過った。
* * * * *
「兄ちゃん、話ってなに?」
と、凛がリビングに降りて来る。
「ッ、……」
「、?兄ちゃん?」
心配そうに近寄って来る。
匂い強すぎだろ…
「凛」
「ぉわ、」
胸ぐらを掴んで引き寄せ、首筋を舐める。
「ひ、っ」
やっぱり、
甘い。
「凛、やっぱお前、ケーキか」
「…ケーキ、!?」
「ぇ、あの、フォークからしたらめっちゃ甘いっていう、ケーキ?」
「おう。」
「俺が??」
「おう。で、俺がフォーク。」
「兄ちゃんが?」
「おう。」
「…え、??」
混乱を隠せないようで、瞬きもせず固まっている。
こんな普通に会話してるが、内心結構きつい。薬は飲んだが、今すぐにでも凛の白い肌に噛み付きたい。
味がした。生クリームのように甘くて、美味い。思い出すだけで、涎が溢れて来る。
「フォークは殺人鬼予備軍とか言われてるから怖いだろうし—」
「兄ちゃんになら、俺、殺されてもいいよ」
え?
「兄ちゃんになら、どれだけ喰われてもいいよ」
「嫌じゃねぇのか?死ぬのとか、痛いのとか」
「んー、嫌だけど、兄ちゃんになら何されてもいいよ、!」
「なんだそれ、(笑)」
あまりにも予想外の答えに、つい笑ってしまう。
そんなに愛してくれてるとは、思わなかったな。
「じゃぁ、飯、食っていいか?」
「ん、!」
ガリッ
* * * * *
あれから、定期的に、食事させてもらってるおかげで、プレーも調子良く出来たりと、生活が安定した。
このまま、何事もなく過ごせると思っていた。
「凛、今いいか?」
「うん」
食事の許可を得て、舌を絡めたり、喉元を舐めたりする。
ガリッ
首筋を噛んだ時だった。
このまま肉を引きちぎって喰いたい。
と、思ってしまった。
今の食事に不満を抱いたのだ。
自分は今に満足している。だが、気付いていなかっただけで、見ずにいただけで、実際は違ったのだ。
もっと、もっと。足りない。
凛と一つになりたい。全部喰らって体の一部にしたい。一生一緒にいたい。
糸師冴の本性は、歪んでいた。
それに気付いてから間も無く、事は起きた。
凛が帰ってこない。潔達と遊びに行って、21時には帰ると言っていた。なのに、もう22時を回っている。
あまりに遅すぎる、と思い、短いメッセージをいくつも送り、何回も電話をかける。だが、いつまでも未読のまま、30分たった。
一向に既読にならないので、一緒にいるであろう潔に電話をかけた。
『もしもし』
「おい、今どこだ」
『家にいるけど……』
「凛に帰るよう言え」
『え、帰ってないの?』
「は?帰ってきてねぇ。凛と一緒にいるんじゃねぇのか」
『いや、21時前に解散した』
『帰ってないって………連絡は?』
「きてない。俺から何回もしてるが既読にならねぇし電話も出ねぇ」
『他の奴等にも聞いてみるわ』
「おう、悪いな」
まじであいつどこ行ったんだよ………
心配よりも怒りが募って舌打ちする。
しばらくして電話の着信音がして、画面を見れば凛からだった。
「おい、凛、今どこにいる、!」
『に、ぃちゃ、……ごめ、なさっ、………』
鼻をすする音と、しゃくりあげる音が聞こえ、声も震えている。
「凛、?」
『ごめんなさっ、ごめ、な、さい、………』
「今どこか分かるか?」
『ごめ、なさいっ、』
『たす、けて、、………』
「凛!」
プツ、とそこで電話は切れた。
スマホを片手に家を飛び出した。
がむしゃらに走り、凛を探す。
走り続けていると、前から数人の男が歩いてきて、会話が耳に入る。
「いや〜、まじであいつ気持ちよかったな〜」
「顔が良かったし、サッカー選手に似てたよな」
「ワンチャン本物説、笑」
「それはないだろ、ケーキだったし、笑」
まさか、……と、最悪の事態が想定され、冷や汗をかく。
そいつらが歩いてきた方向をひたすら走った。
「凛!!」
やっと見つけた凛は、路地裏で意識を失っていた。
服は脱がされ、顔や口元、腹に白濁がかかっていて、孔からも溢れ出している。
目元は赤く腫れて髪も乱れ、痛々しい痣も残っている。抵抗したが、無理矢理やられて、泣いたのだろう。
噛み跡がいくつも残っている。相手はフォークだったのだろう。
ごめんな、凛。
守ってやれなくてごめんな。
苦しかったよな。
気持ち悪かったよな。
辛かったよな。
すぐに駆けつけてこれなくてごめんな。
ごめんな、凛。
心の中で謝罪の言葉を吐きながら、凛をおぶって家まで戻る。
お風呂に入れてやり、暖かい格好をさせて布団をかけてやる。
凛を守らないと。もう誰にも奪われないように。
そうだ、全部食べてしまおう。そうすれば誰も奪えない。
身体が一つになれば、一生一緒に生きられる。死んでもずっっっっと一緒だ。
俺の中で凛は生き続ける。
また、変な事を考えてしまう。
「こんな兄ちゃんでごめんな」
そう凛に呟き、部屋を後にした。
* * * * *
「凛、おはよう」
あれ、俺、いつ家に帰ってきたっけ。
昨日は潔達と遊んで、その後、
路地裏で、無理矢理、———
「ひゅっ、」
昨日の出来事が鮮明に思い出される。
知らない奴が、急に話しかけてきて、路地裏に引き込まれて、
抵抗したけど、抑えられて、服を脱がされて、
殴られたり、噛まれたり、触られたり。
感触がまだ残って、気持ち悪い。
「ひゅっ、か、かひュ、はっ、ひゅ、」
嫌だ。助けて。気持ち悪い。
「凛」
「落ち着いて息しろ。」
兄ちゃん、兄ちゃんがいる。もう、大丈夫。兄ちゃんがそばにいてくれる。
「落ち着いたか?」
「うん、……」
* * * * *
あの日の事が、トラウマになって、頭から離れない。
触られている感触が、いつまで経っても消えなくて、身体に纏わりついている。
そのせいで、誰かに触られるのが、どうしても駄目になった。
それは、例外なんてなくて、兄ちゃんもだめだった。
触れられないから、サッカーも出来なくなった。
触れられないから、外に出られなくなった。
触れられないから、温もりを感じれなくなった。
それが、苦痛だった。
温もりを感じたくて、愛をもっと感じたいのに、触れられると、気持ち悪いとしか思えない。
* * * * *
* * * * *
* * * * *
なぁ、凛。
ごめんな。
凛を幸せに出来なくて。
もう、全然笑えてなかっただろ。
幸せにする方法は、思い浮かんでる。ひとつだけ。
でも、それは、想像を絶する痛みが伴うだろう。
それでも、凛なら、受け入れてくれるよな。
まだ静かに眠っている弟の腕を、強く噛み、そのままちぎる。
肉は少し硬かった。口の中にシロップのような甘さが広がる。
やっぱり美味いな。
「ぃ”った、………?」
痛みで目を覚ます。
「凛、おはよう」
「ぇ、にいちゃん、血ついてる……」
兄の口には赤い液体が付着しており、もぐもぐと口を動かしている。
ずきずきと激しい痛みを生む方を見れば、腕の一部が大きく欠損していた。
骨まで少し見えており、どろどろと流れる血がシーツを蝕んでいく。
「凛、やっぱお前の肉は美味いな」
「ぁえ、??」
俺の肉が美味い、?
食べた?兄ちゃんが、?
混乱して動けずにいると、ぐい、と引っ張られ、今度は首筋に激痛が走った。
「い”ッッッッ、…」
兄ちゃんが、俺の肉を食べてる。
「な、なん、で、………」
恐怖で声が震える。
大量の血が流れ、頭が痛い。ぐらぐらする。
「俺達が幸せになるためなんだ」
「しぁ、わせ、??」
「俺が凛を食えば、凛は俺の中で生き続ける。」
「そしたら、ずぅっっっっっっっっと一緒にいられるだろ」
俺が食われれば兄ちゃんの中で生き続ける?
わからない、気持ち悪い。
兄ちゃんじゃない、
「そんなの、にぃちゃん、なら、ぉもわ、ない」
「お前は、にいちゃん、じゃ、ない、」
体も声も震える。怖い。嫌だ。
兄ちゃん、助けてよ。
頭が殴られたようにガンガンと痛む。
呼吸がしずらい。浅い呼吸になる。
傷口から流れる血があつい。
「……………は?」
兄ちゃんのようで兄ちゃんじゃないソレは、目を見開き、低い威圧的な声を発した。
「凛、どうしたんだ?」
「俺は兄ちゃんだぞ、お前の兄ちゃんだぞ」
「これはお前を愛していて、幸せにするためにやってることなんだ」
血塗れの手が肩に置かれる。ぎりぎりと、ちぎれそうな程強く握られる。
「凛も言ってただろ、兄ちゃんになら何されてもいいって」
「それ、は、っ………」
兄ちゃんじゃないお前にはされたくない。痛いのも苦しいのも嫌だ。
そう思っても、口に出すことはできない。
「なんで分からないんだ、」
「俺はお前を愛しているだけなんだ。」
「凛は違うのか。」
「俺を愛していないのか」
その目には、支配欲や独占欲が秘められていた。
「にぃ、ちゃ、ん、た、たす、けて、」
恐怖でもうまともに会話もできない。
ただ助けを乞うしかできなかった。
「なんで分かってくれないんだ」
肩から離された手は包丁を握っていて、ぐさ、と腹に刺さる。
同じ箇所を、深く、奥へ奥へ何度も刺される。
「あ”ぁ”ぁ”ぁぁぁぁぁぁああ”あ”ッ!!!!」
痛い。痛い。痛い。
腹の傷口を掴み、引き裂かれる。
中から血塗れの臓器を取り出される。
胸を切り裂かれ、脈打つものを取り出される。
ぐちゃ、ぐちょ、と、水っぽい音が聞こえる。
「ぁ”、ぅ”、、に”ぃ、ち”ゃん”、………」
痛くて痛くて仕方がない。もう、声を出す力もない。
いたい。いたいよ。
あたまも、おなかも、むねも、くびも、うでも 。
やめ てよ 。
い たいよ。
きず ぐち が あつ い。
くる しいよ。
からだ の なか か ら ぜ んぶ ひ きずり だされ てる
いたいよ 。
なみ だ が と まら ない
たす けて よ 。にい ちゃ ん 。
は やく きて よ 。
に くを そが れて る
ほ ね も みえ てる
こわ い よ
にい ちゃ ん に そっくり な ひと が おれ を た べてる
こえ も みた め も 、 いっしょ 、 だけ 、ど にい ちゃん 、と、 ちが っ て 、やさし く ない
めの まえが 、 まっ くら で、 もう 、なん に も みえ ない 。
さい ごに きき と れたのは あいしてた だいすきな あの ひと の こえ 。
「凛、愛してる。」
「ずっと一緒にいような」
「おやすみ」
* * * * *
凛の目から光が失われた。
凛が死んだ。
凛、これからも一緒に生きような。
冷たくなった凛を抱きしめた。
* * * * *
小腸、大腸、胃、肝臓、腎臓、肺、心臓、…………と、凛の臓器を次々と取り出して食品保存袋に入れていく。目玉もくり抜いて、肉を細かく切って、詰めていく。血も、できる限り保存していく。
最後に残ったのは、骨だけ。
骨で、ペンダントを作ってもらった。
梟と、鴎のペンダント。大事に肌身離さず付けている。
10日間で、凛を全て食べ尽くした。
デザートや飲み物として、目玉と血液を。
主菜として、焼いた肉、臓器を。
たまに、生のままで食べたり。
死後でも、凛の体は、味が落ちることはなかった。
どれも甘く、絶品だった。
自分の身体の中で、凛が生きていると感じれて、幸せだった。
人生が幸せだった。
これで、死んでもずっとそばにいれるな、
凛。
長めになりました、急展開でだいぶ読みにくかったと思います、、
終わり方も変だったな、、、、
かいてて思ったけど
カニバリズムっていいね