リアムside
痛い…道化師に撃たれた所が物凄く痛い…。
そうか…俺はもうすぐ死ぬのか…。
正直、今までの人生に悔いはない。何より彼奴らを守るためにはこうするしか無かったのだ。
馬鹿だな俺は…、囚人を守るなんて看守がして良いものか…。
目を開いてみた。まだ俺は生きている。だがもう、呼吸をするだけできつい…。
ドンッ!!ドンッ!!
さっきからうるさい…。おそらく瓦礫が落ちてきているのだろう…。
あぁ…だんだん瞬きが曖昧になってきた。視界がだんだん暗くなってきている…。もうすぐだろうか…。
そう思った瞬間―視界が真っ白になった。そして、身体がふわっと宙に浮いた。
「―!!」
あぁ…人が瞬間は、こういうものなのか…。
「―さん!!」
幻聴まで聞こえてくる…。妙にリアルだな…。
「リアムさん!!」
ハッとして俺は、目を開けた。
そこには何故か―8番らしき人が居た。
リ「8番…?いや…お前は…?」
8番にしては凄く…真っ白だ…。
???「良かったっ…リアムさんまだ生きてる…!!」
???「あっ、この姿で会うのは初めてですね!俺の名前は…ホワイトぺいんとでも言っときましょうか」
リ「ホワイト…?お前は…8番じゃ…ないのか?」
ぺ「いや?俺は8番ですよ!ホワペは俺の派生…的な?笑」
こいつは何を言っているんだ…。
リ「…それより8番、何故…俺を助けに来た。俺はもう…」
ぺ「うるさいなぁ!!いつまでも死ぬ死ぬ言ってんじゃねぇよ!!事情は後で説明しますから、今は黙ってて下さい!!」
―物凄く怒鳴りたかったが、俺の為を想って言ってくれてるのだと思い、我慢した。
し「あっ!!ぺいんとさん…!!!」
ぺ「しにがみー!!クロノアさーん!!」
6番と9番も居たのか…。
し「あっ…!!リアム看守!!!」
ク「良かった…まだ生きていたのか…!!」
ぺ「うん!ほんとギリギリだったよ!もうすぐでリアムさん死ぬとこだったわ!」
リ「…8番、ここまで連れてきてくれて申し訳ないが…俺はもう…持ちそうにないんだ…」
し「あっ…」
ク「そんなっ…」
そうだ…。俺は肝心な事を忘れていた。俺の身体はもう、持ちそうにないんだ…。
ぺ「…あ〜、それなら大丈夫っすよ!」
リ「は…?いやだから俺は…」
ぺ「はいっ!リアムさん、このポーション飲んでください!」
リ「ポーション…?」
ぺ「はい!これ、『治癒のポーション』です!」
し「え!?ぺいんとさんそれ、いつ作ったんですか!?」
ぺ「え?リアムさんを助ける直前に作ったんだよ!」
リ「…!!」
『看守見てください!ポーション出来ましたよ!』
『ほら見てくださいよ!たくさん時間あったのでたくさんポーション作れました!いやぁ俺まじポーション屋しゃんなろっかな〜笑』
そうか…お前…ポーション作るの得意だったな…。
ゴクゴクッ
これは…凄い…一気に身体が楽になっていく…。
ぺ「どうですか?」
リ「あぁ…凄く身体が楽になった」
ぺ「ほんとっすか!?良かったぁ…成功して…」
リ「…8番」
ぺ「はい?」
リ「…ありがとう、感謝する」
ぺ「…!!はいっ…!!」
リ「…?そういえば、道化師はどこだ」
し「あ〜、それなら、僕とクロノアさんでボッコボコにしましたよ!」
リ「そ、そうか…なら良かった」
し「多分次目覚める時は地獄に行ってる時ですね!!笑」
ク「しにがみくん怖いこと言わないでよ…」
ぺ「…じゃあ、そろそろ降りるか」
し「うぅぅ…怖ぇ…!!!」
ぺ「大丈夫だって!俺たちならいける!」
リ「…1つ聞きたいんだが、俺と8番はどうやって降りるんだ?」
ぺ「あぁそれなら、俺がリアムさんをおぶりながら降りますよ!今の俺の姿なら羽ついてるし!リアムさんは念の為エリトラ付けてて下さい!」
リ「…了解した」
ぺいんとside
し「うわあ”あ”あ”あ”!!怖っ!!!」
ぺ「落ち着けってしにがみ笑」
俺らは今、トラゾーのいる町までエリトラで飛んでいる。
リ「…なぁ、8番」
ぺ「なんすか?」
リ「…何故、俺を助けた」
ぺ「あ〜そういえばさっき答えてなかったですね」
ぺ「うーん…特に理由なんて無いですよ。俺がリアムさんを助けたいと思ったからです。それに色々、今までお世話になりましたしね!」
そう…俺にとってリアムさんは、前と比べて、憎みたくても憎めない存在になった。リアムさんはなんやかんや俺たちのことを世話してくれた。
リ「…そうか」
リ「…俺は8番に借りを作ってしまったな」
ぺ「いやいや!借りなんていらないっすよ!今までの恩返しってやつなんで!」
リ「…ふっ、そうか」
ぺ「あ…」
リアムさんが…笑った。
リ「どうした?」
ぺ「いえ!何でも!」
ぺ「あ!それより俺、2人より遅れてんじゃん!」
し「ほんとですよ!ぺちゃくちゃ喋らないで早く行きますよ!」
ク「ぺいんとはまたリアムさんと話せて嬉しいんだろうねぇ」
ぺ「分かってるって!じゃあリアムさん急ぎますね!」
リ「あぁ…大丈夫だ」
そして俺たちは、トラゾーの町に飛び進んでいった―。
END―。
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