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幼児化

1 - 幼児化

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2025年07月31日

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幼児化











ある朝、さとみがリビングに入ると、そこには信じられない光景が広がっていた。


「……お、おま……誰?」


ピンク色の髪をくしゃくしゃにして、部屋の真ん中でぺたんと座り込んでいたのは、まさかのジェル……だった。いや、ジェルではあるけれど、どう見ても年齢が大幅に下がっている。


「さとちゃ、!」


「うわ、しゃべった!?」


声も幼く、高め。顔も丸くてほっぺがぷにぷにしてる。だけど、ちゃんとジェルの面影がある。


「おなか、すいた……」


「うそ……何が起こったんこれ……」


キッチンでトーストを焼きながら、さとみは困り果てていた。突然幼児化したジェルに、どう接すればいいか分からない。でも、本人はまったく気にしていない様子で、トーストの匂いにくんくんしながら椅子にちょこんと座っている。


「こぼすなよ?」


「こぼさないもん!」


そう言った5秒後に、ジャムがテーブルにべったり。


「お前なぁ……」


「うえぇぇん……」


「泣くな! 泣いたら余計ややこしい!」


昼には一緒にお昼寝をし、午後はお絵かきをした。さとみの顔を描いたらしく、「さとみ、かっこいい〜」と満面の笑みで渡してきた。




ちいさなジェルは、ふかふかのおふとんの中で、さとみの腕にすっぽりおさまっていた。


「さとみ〜……あったかい……」


「おまえもな。湯たんぽより効くわ」


「んふ……いっしょが、いちばんすき……」


「はいはい、甘えんぼさん、♡」


さとみは、ちいさなジェルの髪をやさしくなでながら、とんとん……と心地よいリズムで背中を撫でてやる。


ジェルの目がだんだん細くなって、まぶたがとろ〜んとしてきて


「……すぅ……ぅ……」


(あ、寝たな)


そう思った瞬間――


「……さと、ちゃ……」


「ん?」


「ちゅ……して……」


さとみの腕の中で、ちびジェルがむにゃむにゃと寝ぼけた声で言った。


「え……今なんて?」


「ちゅー……してぇ……さ、ちゃの、ちゅ……ねむれるの……」


「おまえ……」


寝ぼけながら、ふにゃっと顔を持ち上げて、唇をそっと寄せてくる。


(く、くそ……かわいすぎこれ……)


「……しょうがないなぁ、寝ぼけジェルには逆らえんわ……」


そっとくちづけを落とすと、ジェルはうっとりと満足そうに息を吐いた。


「ん〜……さとちゃ、だいすき……」


そして、そのままコテンと腕の中で再び眠りに落ちていく。


「……反則すぎ……こんなん、一生守る、」


さとみは小さな体をぎゅっと抱きしめて、今度は頬にもう一度、やさしくちゅ。


「おやすみ。世界一甘えんぼな、ジェルくん」



翌朝


「……おはよ」


「ん〜……さとちゃん……」


「もう朝やで。そろそろ起きよ?」


「……ねえ、昨日の夜……おれ、なんか言ってた?」


「んー?『ちゅーして〜』って寝ぼけながらおねだりしてた」


「っっっ!!??? や、やめろって!!//」


「可愛かったで。そのあとも、ちゅーでねむれるとか言ってた♡」


「うぅ〜〜〜〜……もう一生起きたくない……!」


「よしよし♡ 起きれんなら、今日も添い寝しよ♡」

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