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MAKO
診断前 1階
🫖主様はいつも何処か疲れていらっしゃるようなご様子で、気になっていました…
🍽️最近食欲も無いみたいで、よく料理を残すようになったのがすごく心配で…
⚔️いつもなら嬉しそうに笑ってくれるはずなのに、困ったみたいに笑うばかりで全然楽しそうにしていなかった…
最近主の様子がおかしい気がする。
それは執事たち全員が感じていることだった。
ベリアンたちが感じていたように、いつも疲れた様子で食欲もなく、楽しい嬉しいといった表情をしなくなっていたのだ。
特に主のことを心配していた1階の執事たちは、料理や紅茶のレパートリーを増やしたり、遠乗りに誘ってみたり、様々なコレクションを見せてみたりしたが、主の気分が晴れることはなかった…。
診断後 3階
🍷やっぱり、どこかおかしいとは感じていたよ。
でも、まさかここまで深刻な状態だったとは…
主治医失格かな…
🌟主様、病気なの!?治らないかもしれないってどういうこと!?ルカス様にも治せないって…
じゃあ、ずっと主様は笑ってくれないの…?
🔑まさか主様がそんなに追い詰められていたとは…
気づけなかった我々にも責任がありますね…
ですが、我々を頼ってくださっていることに安心してしまいました…
診断書を囲んで3階の執事たちはあれこれ話し合っていた。
幸い主は療養のためにバレスに留まってくれることになった。(勿論大人数で元の世界に帰ろうとする主様を必死に引き留めた結果である)
ルカスは精神的な病気が原因だと気づくのが遅れてここまで悪化させてしまったことを悔やんでいた。
ラムリはそんなルカスから鬱という状態の説明を聞き、ルカスでも確実な治療法は分からないこと、治療期間や治るかどうかすら不明だということを聞かされ、パニックになってしまった。
ナックはそんなラムリを言葉少なく宥めながら、じっと考え込んでいる。
これから主が心静かに過ごせるように、何も心配せずのびのびと療養できるように、死力を尽くそうと3人は頷きあった。
療養中 2階
✝️療養を始めてから、主様はまるで抜け殻のようになってしまったのが心配だ・・・
ずっとお部屋に籠もりきりで、気晴らしになりそうなことも今はやりたくないとおっしゃっていますし・・・
🦋主様が本を読むスピードが落ちているのに気づいた時にルカスさんに相談しなかった俺がいけないんだ・・・
あの時相談して早めに療養に入れていたら、もっとマシだったかもしれないのに・・・
🦾ずっと寝ているだけじゃ退屈だろうから、色々インテリアや小物や花を飾ってみたりしている
だが、主様は言わなきゃ気付かないな・・・
前はすぐに気づいて話しかけてくれてたのに・・・
🌹窓から主様の姿を見ることがなくなってさみしいっす・・・
でも、いつ主様が窓から庭を見ても綺麗だと思ってもらえるように仕事の手は抜かないっす
ボスキさんが毎日のように花束を持ってってくれてるから、俺のことも思い出してくれてるっすかね?
主とよく一緒に読書をしていたフェネスは、違和感を感じていたにも関わらずルカスに相談しなかったことを悔やんで塞ぎ込んでしまった。
しかし、同質の執事たちが必死に自分なりのやり方で主を元気づけよう、癒やしてあげよう、と奮闘しているのを見て、自分のできることをやろうと言う気になったらしい。
フェネスは内容がわかりやすく、文字の並びやストーリーも吟味した、おすすめの本を何冊か暇つぶし用にと主に持っていった。
ハウレスは真面目に仕事を始めたサボり魔たちに驚きながら、今まで以上に主に快適な生活を送ってもらために必死に働いた。
ボスキとアモンは目で楽しめるインテリアや花などを飾り、主が退屈しないためにできることは何でも試してみた。
4人は主が少しでも癒やされるためには他に何が必要か度々話し合い、マッサージやハーブバスの研究、風水や季節感を取り入れたインテリアの考案に必死に取り組んだ。
しかし、主はぼんやりとそれらを眺めたりお湯に浸かったりするだけで、小さくありがとう、という以外に反応はなかった。
回復期 地下
🕯️主様がお守りだと言って小さくて硬い袋のようなものをくれた。
全員分主様の世界の神様にお参りして買ってきてくれたらしい。
皆肌見放さず持ち歩くことにしたらしい。勿論私も。主様が元気になってくれた証拠のようで嬉しくてたまらなかった。
🪡主様からもらったお守りを無くさないように、って皆が一斉に首に下げるためのチェーンとか紐とかをくれって言うから、在庫がなくなっちゃった。
でも気持ちはわかるから、後でちゃんとしたものを買って自分で少しリメイクしてみようかな。
久しぶりに主様と目を合わせて会話できて、とっても嬉しかった!このまま元気になってほしいな。
❤️🩹主様がお守りをくれました。いつもお世話になっているからそのお礼だと。でも、私達がやりたくてやっていることだからお礼なんて要らないと思います。そう言ったら感謝の気持だから、受け取ってほしいとお願いされてしまいました。ミヤジ先生もフルーレも嬉しそうに首から下げているので私もそうしたいと言いました。
寝るときは外そうね、とミヤジ先生に言われましたが外したくなくて無理を言って一緒に寝ました。
主は感謝の気持と天使狩りについて行けないことを理由に全員にお守りを渡してくれた。
その日以降、主は屋敷の中を散歩したり途中で出会った執事たちと雑談をしたりして、普段の主に戻ったように振る舞っていた。
一つだけ決定的に違うのは、ハナマルが担当執事としてずっと横についていること。
療養中、ハナマルが必死に死にたいと訴える主の世話をしていたから信用されているのだろう。
主と久しぶりに穏やかな時間を過ごしながら、執事たちはこのまま主が元気になって、また一緒に遠くの依頼に出かけたり、パーティーで踊ったりするのを楽しみにしていた。
心中後 別邸
🧸どうして・・・主様・・・どうして帰ってこないんですか?ハナマルさんも一緒に出かけたのに帰ってこないなんておかしいじゃないですか!
どうして・・・どうして指輪だけが戻ってきてるんですか・・・?
いやだいやだいやだいやだ
知りたくない、聞きたくない、どうして・・・
🐾主様が・・・恐らく死んでしまった。
そう告げたベリアンは今にも倒れてしまいそうだった。
そんなことは信じたくないと思っていたけど、ハナマル君と主様がずっと帰ってこない現実を突きつけられてようやく実感が湧いた。
もう、主様には会えないのか・・・
枯れたはずの涙が止まらなくて、今日も眠れそうにないな・・・
🤍主が死んだ。どうしてだ。前日まであんなに元気そうにしていたというのに。
何も手につかず、別邸と本邸を行き来して何か理由があるはずだと探ってはいるが、全く検討もつかない。
執事たちは悲しみに暮れて、屋敷全体が暗くなってしまった。
ロノの料理の味も分からない。
どうしてくれる。どうして、死んだ・・・?
☔ハナマルさんの机の生理をしていると、私達別邸1階の執事宛の遺書を見つけました。
テディさんは読める状況では無かったので私だけ先に読ませていただきました。
どうして・・・あなたは教会の子どもたちを私達に託してまで主様と死んでしまったのですか。
どうして教会の子どもたちにも遺書を書いて送ったというのですか。
だったらどうして、日記の字はこんなにも消し跡だらけでぐしゃぐしゃなのですか。
どうして・・・一言も言ってくれなかったのですか・・・?
主が死んだ後、執事たちは嘆き悲しみ後を追おうとする者もいた。
年長の執事たちは彼らを必死に落ち着かせ、何とか主とハナマルを失っても生活していけるように必死に調節をした。
ユーハンが持ってきたハナマルの日記から、主はハナマルが心中を持ちかけたことで死ぬ準備を始めて、執事達に贈り物をしたり最後の思い出作りをしたりしていたらしい。
どうして誰もそのことに気がつけなかったのか、主が苦しんで苦しんで死にたいと毎日繰り返していたのを忘れていたのか、と皆が自分を責めた。
しかし、天使たちはそんなことはお構い無しに現れる。
執事達は行き場のない怒りを天使にぶつけるように天使狩りに出かけていった。
また、天使狩りの途中で奇妙なことが起こった。
主がいないにも関わらず、力の解放が出来たのだ。
力を解放できた執事達によれば、お守りに強く念じれば力の解放が出来たという。
それにより、全員で力を合わせて天使を滅ぼすことが可能となった。
皆、死力を尽くして戦い、1人、また1人と倒れていく激しい戦闘の末、天使は居なくなった。
そして、最後に生き残った悪魔執事もその場で息絶えた。
今際の際に、懐かしい主とハナマルの声が聞こえた気がして、小さく微笑みながら・・・
「なぁ、主様これで良かったのか?結局皆こっちに来ちまって、変わらなくなっちまったぞ?」
『いいの。これでやっと皆と幸せに暮らせるんだから』
「そぉ?俺、ユーハンにしばかれそうで嫌なんだけど・・・」
『私だって、皆に怒られそうで嫌だよ?』
「そりゃそうだ!しっかり怒られてきなよ?主様」
『ふふっ、分かったよハナマル』
コメント
1件
うわ…凄く重くて、それでいて温かい物語ですね。執事たちがそれぞれの方法で主様を元気づけようとする姿が切なくて、でもお守りを大事に抱えるシーンでは胸がじんわりしました。最後の「皆こっちに来ちまった」って台詞、救いとも罰とも取れる絶妙な余韻で…設定の一貫性がしっかりしてて、読み応えがありました。