テラーノベル
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主はトリシアの焼いてくれたクッキーを食べながら次はどの過去を変えようかなと考えていた。
家事が破滅的なハウレスと対照的に料理が上手なトリシアは人数が増えたパレスの料理を作る事を手伝いしており、子供たちに愛されている。
過去の人間を悪魔執事にしたとしても大丈夫なことはこれで証明できた。
「よし、次はバスティンの過去を変えようかな。連れて来るのはジェシカだけで良さそうだし…」主はしばらくバスティンに休暇を言い渡し、過去へ飛んだ。
やり方はトリシアを助けた時と同様に、死にかけているジェシカとそっくり人形と入れ替えてバスティンとジェシカを契約させるということにした。
バスティンを庇ったジェシカが崩れ落ちるタイミングで人形と入れ替え、ジェシカを少し離れたころに避難させた。
そっくり人形にはバスティンの記憶同様にバスティンにとどめを刺すように言葉を吹き込んでいる。
バスティンが絶望したのを確認し主はジェシカに問う。
「ジェシカ、君は放っておいたら死ぬよ?親友に殺して貰うことも出来ず、憎い相手に殺されたことになる。
ふふ、絶望したって表情だね?私が憎い?それでいいよ?
君はその絶望を、憎しみを、力に変えれる。 親友と今度こそ正しい戦いをすることが出来る。このまま野垂れ死ぬか、親友を救いに行くか、選んで?」
ジェシカは最後の力を振り絞って主に手を伸ばす。
主はそれを見て満足そうに笑い、ポーションを取り出して傷口に掛けた。
傷はみるみるうちに消えていき、失った血液も元通りだ。
ジェシカは痛みは消えたことに驚いて起き上がる。
「じゃあ、君の親友も勧誘してくるから少し待っていて。」
バスティンは男たちが去った後でジェシカ(人形)の死体を抱きしめて泣いていた。
「バスティン、君は大切な親友を喪った。 その絶望は計り知れないだろう。だけど、その絶望のお陰で君にはチャンスがある。
ジェシカを生き返らせたくないか?」
「…..ジェシカを….そんなことが?」
「あぁ、できるとも。悪魔執事になってくれるなら、ジェシカを生き返られせてあげるよ。どうする?」
バスティンはしばらくジェシカ(人形)の死体を見て頷いた。
「じゃあ、少し死体から離れてくれないかな?」
主はトリシアのときと同様に、人形を呼び出してジェシカを呼び出した。
「バスティン!」
「!ジェシカっ!」
バスティンはボロボロと涙を流してジェシカに抱きついた。
抱きしめ合う2人の傍にパレスまでの道のりを示した地図と数札のお札を置き、主はそっと現世に戻った。
「おかえりなさい、主様。」
「おかえり、主様」
「ただいま!ジェシカ、バスティン、元気そうで何よりだよ」
嬉しそうに笑う2人を見て釣られて主も笑った。
「そうだ、主様…借りていた金なんだが…」
「貯めるのにもう少し時間が掛かりそうで…もう少し待っててくれます?」
「なんだ、そんなことか。気にしなくていいのに。」
バスティンもジェシカと案外貯金は苦手らしい。バスティンは食費でかなり減ることはかなり予想が着くが、ジェシカも釣られて買ったりしているのだろうか….
2人の節約生活を見守りつつ、
「次は誰の過去に飛ぼうかな。」
と考えるのだった…