そんな嘘をつくなんて、理由は一つしかない。浮気
心のどこかでもう諦めていたからなのかもしれない。取り乱したりはしなかった。ただ、私はもう彼の中ではいらないナニかなんだ、って思って。うん。
私を支えてた何かが、糸が、プツンと切れた。
女子会は途中で切り上げて、一直線に家に帰った。
バックに財布とスマホを入れて、置き手紙だけ書いて、あとは全部置いて出ていった。全て。
何か決めた時の行動力は結構あるみたい。
これからどうしよう。実家には帰りたくない。帰れないから、今日はネカフェかな。安いアパートとかないかな。
そうやって呑気なこと考えてるふりしたって、心は一丁前に傷ついてて。夜、結局どこにも泊まらず公園のベンチで寝た。隠れてた涙が今になっていっぱい出てきた。止まらなかった。
「愛してたのに」
あれから3年。彼とは一切連絡していない。
引っ越して、仕事もまぁまぁ忙しいけど普通に幸せだと思う。
でも、まだ夜になると彼を思い出す。後悔とか、楽しかった思い出とか頭に流れて、忘れたくても忘れられない。
「今日ってエイプリル・フールなんだぁ」
何にもあまり力が入らなくて、どうでもいいなって思うことも多くなった。心にぽっかり穴が空いたみたいだ。
ある夜、また、彼のことを考えてた時、ふとまだあの時使っていた古いスマホをとってたことを思い出した。
何も持ってこなかったけど、唯一彼との思い出が詰まっているもの。見るのも辛くて棚の奥にしまってたけど、もうそろそろ気持ちの整理をつけないといけない。
ずっと使ってなかったから充電も切れてて壊れてるかと心配だったけどなんとか動いた。
その当時のまま残ってて、書き込まれていないカレンダーをみると時間の流れを感じて少し切なかった。
一通りアプリとか、写真を見返してたら、LINEに2件通知がきてたのに気がついた。丁度3年前のあの日の夜。
彼からだった。
「 ミホ、突然なんだけど、明日から旅行に行かないか?
最近、なんかアレだっただろ?仲直りってゆうか、久しぶりに一緒にゆっくり話そうと思ってさ。
覚えてるかわかんないけど、明日って付き合った日なんだ。前は毎年祝ってたんだけど、近頃やらなくなったから。
出張も嘘だったんだ。俺のわがまま聞いて欲しいな。 」
「 ごめん。こんな俺で。
引き止めたりしないから、せめて、ここから応援してる。
全部今更だって分かってるけど。
愛してる。 」
なによ。虫が良すぎるでしょ。なんで。なんで?
視界がぼやけて、大粒の涙がこぼれ落ちる。止めることなんて出来っこない。
「愛してない」
彼とのメモリー。終わり
読んでくれてありがとうございます♪初作品、無事に終わって良かった!
ちなみにルーレットで決めた今回のテーマ?ラスト?は『過去のあなたに向けて、泣きながら、「愛してない」』でした。ちょっとありきたりだったかな?
次は、まぁ、人を選ぶような内容になってるので、良かったらみてみて下さい。
ありがとうございました〜