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付き合い始めて知ったこと。
「せんせーって意外と嫉妬深いよね」
「は?なんや急に。そんなことないやろ」
「えー絶対嫉妬深いよー」
「普通や普通」
軽くあしらわれてしまったけど、俺は確証している。だって動画で昔の女の子の話した時とか、オフで18号に絡んだ時とかあからさまに嫌そうな雰囲気出してるんだもん。でも、本人が普通って言っているなら…
「ちょっと試しちゃお〜」
「さっきからマジでなんなん…?」
◇◇◇
『せんせーに嫉妬深いことを自覚させる』
そう意気込んだはいいものの…
「ねーどうしたらいいのー???」
「うん、なんで俺なの?」
撮影前、いつも早めに準備しているキャメさんを捕まえて相談もとい愚痴を聞いてもらっていた。
「珍しく早いと思ったら惚気だとは…」
「惚気じゃない!俺は真剣なの!」
「はいはい」
半分呆れているような返答は無視して話を続ける。
「じゃあ適当に他の人とでも仲良くしてたらいいんじゃないの?」
「そんなんでいいの?」
「いや知らないけど」
提案されたと思ったらバッサリ話を切られたせいで余計分からなくなる。他の人って言われても女研には18号しか女子はいないし、、どうしろと…
「…しょうがないから俺が手伝ってあげるよ」
「え…まじ?」
「このままだとニキくん逃してくれなさそうだし。まあ、せんせーが男に対しても嫉妬するかはわかんないけどね」
まさかの助っ人宣言に多少驚いたが協力してくれるというのならありがたく頼んでしまおう。
「じゃあ早速ー」
「おつ〜」
具体的に話そうとした時、タイミング悪くせんせーがディスコードに入ってきた。
「お、せんせーじゃん」
何事もなかったかのようにせんせーと話し始める。…キャメさんって隠し事、こんなに上手いんだ。なんか意外。
「キャメさん、ありがと」
「え?、あぁ、うん」
この時までは、ただのイタズラのつもりだったのに。
◇◇◇
「お前、なんか隠しとるやろ」
「っえ、なんの、話…?」
数週間後、何気ない2人だけの時間。そんな静かな空間に彼の声が嫌に響く。
「隠すの下手すぎ」
「いや、まって、俺本当にわかんないよ?」
頑張って隠し通そうとしてみたけど、どうも全部見透かされてるようだ。
「結構前やけど、キャメさんとなんか企んどったなぁ?」
…はい終わった。もしかして聞かれてた…?
「んで、そっからもわざと他の奴らに絡んだり。俺に何しようとしてたかは知らんけど」
口調がいつもよりかなり強い。俺と会話してるはずなのにずっと目線が合わない。これやばい。想像以上に怒ってる。
「ごめ、」
「別に怒ってへん」
彼は冷たく言い放ちそれ以上話すことはなかった。
どうしよう、どうしよう、どうしよう。
どうしたら許してくれる?
全部話してちゃんと謝れば許してくれる?
そもそも話聞いてくれるのか?
頭の中ぐちゃぐちゃで上手く考えられない。
「ーっ」
「は…?何、泣いとんの…」
「ない、て、っな、っ」
違う、泣いたらもっとボビーが怒ってしまう。泣き止め、泣き止め…!
「あー…うん」
困ったように呟いて、俺の顔を覗き込む。
「なーあ、にき?」
「なっ、に、」
「キャメさんと、何話しとったかだけ教えてくれへん?」
ボビーの声からは怒りが消えていて、いつもよりも優しい声になっていた。
◇◇◇
「なるほど」
「ごめ、なさ…」
あれから一連の流れをすべて話した。怒るわけでも否定するわけでもなく、ただただ俺の頭を撫でながら静かに聞いていた。
「っおれ、嫉妬されるの、うれ、しくて」
「うん???」
あまりにも変化球すぎる切り口に驚いたのだろう。さすがの早稲田でも俺がなぜこんな行動をとったのかは分からないようだ。
「俺のこと、好きなんだなって」
1度言ってしまえば止まらない、俺の本音。
「お前…やばいな」
「はぁっ!?」
ここまで聞いておいて一言目それ!?
「だって俺の事好きでしょ!?」
「さっきから話飛躍しすぎやねん…」
「ほら!早く!」
腕を広げ、半ば急かすようにハグを要求する。もうやけくそだ。
「…はいはい」
ふわっと香るボビーの匂い。頬にあたる髪が少しくすぐったい。
「ごめんなぁニキ」
「なにが」
「いや…なんか、こんなことさせてしまうまで寂しくさせてしまったんかなって」
寂しい…?そんなこと感じたことはなかったが、この流れに便乗してやろう。
「ウン、サミシイ」
「絶対嘘やんけふざけんなよ」
「んふ、いいでしょ!寂しいの!」
抱きつく力を少し強くして。怒らせたらやばいと改めて感じながら彼の心音に耳を傾けた。
さぼてん
90
#最強無敵連合
コロッケパン屋
12,913
コメント
1件
あー、もう、めっちゃ好きですこの空気感…!ニキくんの「嫉妬される=好きって証明されてるみたいで嬉しい」って心理、すごくリアルで胸にきた。せんせーが冷たくしたあと「泣いとる…」って戸惑うところも、最後に「寂しくさせてしまったんかな」って自分のせいにしてくれるところも、大人の余裕と優しさがあって、ああこの二人こうやってバランス取ってるんだなあって。泣きながら「寂しいの!」って強がるニキくん、尊すぎてやばいです。続き、絶対読みたいです!🌷