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朝焼けの空。風が荒野を駆け抜ける。荒廃した大地は、すでに影に蝕まれていた。廃墟と化し、生存者の気配はない。
そんな中、ひとつだけ異質な存在があった。
「ぴょんっ!」
可愛らしい電子音とともに、巨大なウサギ型ロボットが姿を現す。ピンクと白のボディ、丸い耳にキラキラした目。
だが、その愛らしい見た目とは裏腹に、腕には多機能ハンマー、口には毒を備えた狂気の兵器だ。
コクピットの中には、花咲萌。
ピンクのカーディガンに制服を崩した格好、白髪を結い、黒いうさみみパーカーのフードはかぶったまま。
目を輝かせながら操作レバーを握る。
「さぁーて、派手にいっちゃおっか♪」
ロボが跳ねる。荒野を跳躍しながら、戦線へ向かって突っ込んでいく。
その瞬間――
ズズズ……!
地面が揺れ、砂埃が巻き上がる。視界の先、巨大な影が蠢いていた。
現れたのは、30メートルを超える蛇。漆黒の鱗に覆われた体、赤く光る無数の瞳。牙は鋭く、口からは毒液が滴っている。
「おーっと、いきなりボスキャラ級じゃん♪」
萌は楽しそうに笑う。ウサギロボの目が赤く光る。
蛇が吠えた。音波の衝撃が周囲の建物を粉砕する。
しかし、萌は微動だにしない。
「行くよ、バニーちゃん!」
ウサギロボが跳躍。空中でハンマーを振りかぶり、蛇の頭めがけて一直線に突進する。
「ハンマースマッシュ!」
ドゴォォォン!!
ハンマーが蛇の頭を直撃。大地が割れ、衝撃波が周囲に広がる。蛇はすぐに体をしならせ、尾を振るって反撃に出る。
「甘い甘い♪」
萌はレバーを引き、ウサギロボがくるりと宙返り。尾を紙一重で避けながら、ハンマーの持ち手が回転し、今度は剣に変形する。
「ぶった切っちゃおうか!」
蛇が突進する。
ウサギロボも駆ける。
両者の距離が一気に縮まる――
「行っけぇぇぇぇぇ!!」
剣が閃いた。