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ー亮介ー

入学式から早1週間。

現在の時刻は9時。

今日は一般で入ってきた部員との顔合わせの日だったため、いつもより早く練習が終わったのだ。


青心寮食堂には、2年にあがった哲、純、クリス、亮介の4人が集まっていた。


「結局、あいつこなかったな。倉持、だったよな。」

「あぁ。守備も打撃も走塁も文句なしだった。是非とも来てほしかった。」

純と哲の会話を聞きながら倉持の事思い出す。


絶対に後ろに逸らさない守備。

甘く入った球を見逃さない選球眼。

常に前の塁を狙う走塁。

一つ一つの動きに無駄がなく、綺麗だった。一年共にやってきた楠木には悪いが、二遊間のコンビもとてもやりやすかった。


「お前も残念だと思わねーか?亮介。」

「……そうだね。できることならもっと一緒にプレーしたかったよ。」

「…珍しいな、お前がそこまで言うなんて。」

びっくりした目で見てくる純にチョップを入れる。

「…確かに、倉持がいたから思い切った配球をすることができた。あの守備力、ほしかった。」

珍しくクリスも残念そうだ。


「あれ?先輩方、珍しいですね。こんな時間にいるなんて。」

扉が開いたと思い目を向ければ、新一年の御幸、前園が入ってきた。

「お前こそこんなところで呑気にしてていいの?今日の練習調子悪かったじゃん。」

「いや~、色々気になることがあって。」

「何かあったのか?」

「純さん!聞いて下さい!」

前園が珍しく悔しそうに純を見た。

「今日の体育、仲を深めようっちゅーので、一組二組の合同で野球をすることになったんです。」

「一試合目で野球部が活躍しまくったせいで、他の部の奴ら火がついたみたいで……2試合目は野球部対他の部の奴ら、って感じになったんですよ。」

「ふ~ん。もちろん勝ったんだよね。」

前園に続いて話した御幸にそう言うと、御幸も前園もなんとも言えない顔になった。

「?どうしたんだ?」

クリスが座るように促しながら尋ねると、御幸が気まずそうに頰をかいた。

「……同点で、引き分けになりました。」

「はぁ?!お前ら素人に勝てなかったのかよ!なッさけねー。」

「うっ純さん、そんな事言わんでくださいよ、」

「全員素人だった筈なのに、一人だけ異様に上手いやつがいたんですよ。動きに無駄がなくて、凄い綺麗でした。」

「…そんなに凄いのか。」

哲が興味津々になった。

「はい。明らかにヒットだと思った打球も全部さばいてアウトにしてくるんです。」

前園が俯く。

「守備範囲が広すぎるんすよ!セカンドがトンネルしたのをカバーしてきたんですよ。まぁ、セカンドベースよりだったのであれですけど、」

そう言われふと、ある人物の姿が頭をよぎる。

「足も速くて、俺…あいつの盗塁一回もさせなかったんです。しかも体育でノースライなのに、悔しすぎて練習に集中できなくて、」

今、2年の脳裏には同じ人物が浮かんでるだろう。

「……ねぇ、そいつさ、名前なんて言うの?」

「え?」

御幸と前園はお互いの顔を見合わせた。

「倉持です。倉持洋一。」

「…へぇ~。」

御幸の言ったその名前に、俺は笑みを深めた。

「りょっ亮さん?」

「クリス、明日って学校の一斉点検で午前中で終わりで、全部活動休みだったよね?」

「…あぁ、そのはずだ。」

「御幸、明日の放課後、倉持捕まえときなよ。」

「はっはい!」


〜くっ倉持、あいつ何したんだよ…〜

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