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凶悪。
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No side
sy『酷い…』
思わず漏れたその一言は、怒りというより落胆に近かった。
頬をわずかに膨らませ、視線を逸らすsy。その肩は小さく震えていて、傷ついた気持ちを隠し切れていない。
kz『ご、ごめんって』
普段は冷静なkzが珍しく焦ったような声を上げる。
syの機嫌を損ねたことに気付き、少しでも機嫌を直してもらおうと、その表情を窺うように顔を覗き込んだ。
sy『来ないでよ…』
じり、と距離を詰めてくる気配に、syは小さく身を引く。
言葉だけではなく、その仕草でも拒絶を示すと、kzはぴたりと足を止めた。
先ほどまで焦っていた表情は、今度は見るからに落ち込んだものへと変わる。
──kzが悪い癖に。
心の中でそう呟く。
なのに、耳が垂れた犬のようにしょんぼりしたその顔を見ていると、不思議と怒りを保ち続けることができなかった。
沈黙が数秒流れる。
その静けさに根負けしたsyは、小さく息を吐くと近くのソファへ腰を下ろした。
クッションがふわりと沈み、その隣をぽん、ぽん、と軽く叩く。
「ここに来て」という無言の合図だった。
それだけで、さっきまで落ち込んでいたkzの表情がぱっと明るくなる。
その変わり身の早さに、普段のクールな印象とのギャップも相まって、syは少しだけ笑いそうになった。
sy『もう、言うなよ。あんなこと』
隣へ座ったkzは、何事もなかったかのようにsyの太ももへそっと手を置く。
呆れながらも、その手を軽く握り返し、逃がさないようにしながら念を押した。
kz『うん。ごめん』
素直に謝る声に、syの表情も少しだけ和らぐ。
けれど、その空気は長くは続かなかった。
kz『でも、可愛かったからさ。もちもちで』
そう言うなり、kzは口元にいたずらっぽい笑みを浮かべる。
次の瞬間、syの太ももを再びむに、と優しく揉んだ。
「反省してないじゃん」
そんな言葉が喉まで出かかったものの、「太った」なんて一言は最後まで口にしなかった。
ただ「柔らかい」と笑うだけ。
その違いが分かっているからこそ、syは大きく怒る気にはなれなかった。
結局、最後には許してしまうsy。
そして、その甘さを誰より理解しているからこそ、少しだけ意地悪をしてしまうkzなのだった。
コメント
3件
湊斗様、お久しぶりです… 私もその気持ちめっちゃ分かります…相手を傷つけたんじゃないかって思う時ありますよね…私もこの行動大丈夫かなって思うことあります… けど、こう言うこと書けるのも相手のことちゃんと思っていますから、そう言うとこあってめっちゃ素敵だなと思います!!湊斗様のペースで頑張っていきましょ‼︎久しぶりの投稿で私も元気づけられました‼︎これからも一緒に頑張っていきましょう‼︎長々とすみません‼︎これからも応援してます!
湊斗さんの気持ちよく分かります… 私も考えるより行動が先に出てしまうので、1人になった時にあの時の自分の行動ってどうだったんだろ…と考えてしまいます💦1度決めたら突っ走ってしまう性格をどうにかしたいです😭 湊斗さんの相手のことをしっかり考えて反省できる、素敵だと思います✨️焦らずゆっくりお互い頑張りましょ(ง •̀_•́)ง 相変わらず湊斗さんの創作最高でした! 湊斗さんのペースで頑張ってください!
タイトル『許す心と意地悪』、まさにそのままの関係性で可愛かったです。許すって分かってて意地悪するkzと、分かってるのに許しちゃうsyの甘さ、最後まで読んで「なるほどな」と。あと「太った」と言わず「柔らかい」と笑う所作の違い、こういう細部が二人の空気を作ってますね。 作者さんの「相手に嫌な思いをさせた」というお話も読みました。自分に厳しい方なんだなと。でも、そうやって反省できる時点で、きっと大丈夫ですよ。息抜きがてら、二人の続きも楽しみにしてます。