君と僕の物語。
君はこの街で珍しい紫色の瞳をしていた
僕はそんな目に吸い込まれて君に恋に落ちた
どこかのお嬢様でもなさそう
髪は長くて美しい黒。
太陽に当てられ少し輝いてる
じっと見ていたら目が合った。
『ふふ、こんにちは』
君はこんな僕に笑顔を向けてくれた
そんな君は僕の横を通った
ああ、この人を人目見たら元気が出てきた
僕は街の奴隷。
どんな仕事でも受け付ける
出来なかったら暴力を受けていた。
今日は〇〇家の家事、 その次に畑仕事
今回は簡単な事ばっかりだった
それでも辛いのは変わらない
体は壊れかけている
それでも必死に働かなきゃ
じゃなきゃ認めて貰えないよ。
この暗い人生をずっと過ごしていくのかと毎日思っていた。
そんなある日
『ねえ、どうしてそんなに暗い顔をしているの?この街はすごく明るいのに。』
あの時に出会った紫の瞳の君だった。
『確かにこの街は明るくて素敵な場所だ。でも僕は辛いんだ、この街が』
こんな弱音を吐いたのは初めてだ
今まで吐こうと思っても、怖くて手が震えて涙が止まらなくて言えなかった。
なのに君には言えた、君は街の人達と違ってとても優しい目をしている…
そんな君が特別な人だからなのかも。
『じゃあこの街から逃げようよ。』
『そんなの出来ないよ、』
『どうして?』
『あいつが逃げたってこの街の人に思われるだろ?』
『逃げたっていいじゃない。挑戦することは大事だけど逃げることも大事なのよ?』
そんな言葉を受け僕は君の腕を握って言ったんだ
『 じゃあ、僕と一緒に行こうよ』
流石に見ず知らずの奴と行かないだろうと思った、男だと思えないほどのやつれてる体。薄汚い服。
でも君は
『うん、貴方と一緒に行くわ。貴方がそう望むなら私は従うわ』
『どうしてそこまでしてくれるの?』
『私は貴方を特別な人だと思ったからよ』
僕と同じ考え、ここで出会ったのも運命なのかもしれない。
『はは、僕と同じ事思ってるよ。僕も君を特別な人だと思ったから誘ったんだ』
『そうなの?ふふ、運命の人ね。私あなたが好き』
『えっ』
『嫌だった?』
『いや、僕も好きだよ。愛し合ってる同士この街を逃げよう』
『ええ、貴方とならどこでもついて行くわ。』
また1から始まる人生
君と僕の物語。
𝙉𝙚𝙭𝙩 .
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