WTスマブラ組
あの夏が飽和する。 カンザキイオリ
ピーンポーン
梅雨が始まったばかりの日何もやることがなく
家でゲームとかダラダラしてると、突然家のチャイムが鳴った
br「はーい」
そばにあった上着を着て、なんか頼んだっけなぁ
なかむが暇すぎて遊びに来たのかなwなんて考えながら玄関を開けると
ガチャ
br「…え?」
そこに立っていたのは、
br「スマさん?」
仲間である、スマイルだった
br「ずぶ濡れじゃんどうしたの?」
sm「……昨日人を殺したんだ」
br「え」
泣いてる?
br「と、とりあえず中入って、タオル持ってくる!」
そんな話で始まる
中に入った後、お風呂に入れて、髪も乾かす
こんな時でも冷静に対応できる僕さすが!
じゃなくて
br「ねぇスマさん。人を殺したって…」
sm「…殺したのは、俺の隣の席のいつもいじめてくるやつ」
目を伏せたまま、ぽつぽつと話し始める
sm「抵抗するつもりで肩を突き飛ばして……」
sm「…打ち所が悪くて、死んだ」
sm「もうここにはいられないと思うし、どっかで死んでくる」
br「……」
br「スマさんはなんで最後に僕のところに来たの?」
sm「…なんとなく、お前がよかった」
なにそれwスマさんらしいわ
ちょっと嬉しいし(>ω<)
でも…そっか、そんなことがあったんだ
それなら…
br「ねぇ、僕も連れてって!」
sm「…はぁ?!⤴」
br「あはっww何その声www」
それから、僕らの小さな旅が始まった
br「えっと、枕とゲーム機とスマホ、充電器、財布」
sm「多い。枕いらねーだろ」
br「いーる!!スマさんこそナイフなんて物騒なものいらないでしょ」
この人死ぬ気満々じゃん
sm「これがないと意味ないだろ」
sm「俺らは旅行に行くわけじゃねぇんだし」
br「え、沖縄行かないの」
sm「いかねーよ」
沖縄行きたかったなぁ…(´・ω・`)
sm「さ、そろそろ行くぞ」
br「あ、ちょっと待って〜!」
人殺しとダメ人間の、スマイルと僕だけの旅が始まった
そして僕らは逃げ出した
これからは家族も仲間もいないけど、
スマさんがいるから二人でもきっと大丈夫だよね!
大丈夫、スマさんは悪者なんかじゃないから
br「あっつぅ〜」
sm「まぁ夏だしな」
br「…」ギュッ
sm「ぉわっ、なんだよいきなり」
br「なんとなく手繋ぎたくなっちゃって」
sm「…そうか、暑いからはなせ」
br「え〜」
…よかった、もう震えてない、家に来たときは何かに怯えてる感じだったけど
今はいつも通りのスマさんだ
br「…ふふふっw」
sm「今度はなんだよ」
br「いやーなんか線路の上歩くっていけないことしてるみたいでいいね」
sm「そうだな」
スマさんにも少しだけ子供心はあるのかな?
警察「ちょっと君たち未成年でしょ?こんな時間に何してるの?」
sm「やっべ…」
おっとぉ…これは、
br「…逃げるが勝ち!!」
スマさんの手を引いて、警察官の横を走り抜ける
sm「えっちょ、ぶるーく!」
後ろでスマさんがなんか言ってるけど無視無視♪
警察「こら!待ちなさい!」
sm「つっかれた…」
br「…うん」
br「ねぇ、スマさん」
sm「?」
br「…優しくて誰にも好かれるような主人公なら、今の汚い僕らでも救ってくれるのかな」
sm「…そんなわけ無いだろ、俺達のことなんか誰も見てない、今までの人生で思い知っただろ」
苦痛な顔で、彼はそう言った
そんな顔をさせるつもりじゃなかった
それから、
sm「結局、愛されたことなんてなかったんだ」
そう、寂しそうに呟いた
br「…僕は好きだよ、スマさんのこと」
sm「ッ…うん」
スマイルはとうとう泣き出してしまった
…きっと彼は、僕の知らない、厳しい世界を生き抜いてきたんだろうな
今まで気付いてあげられなくてごめんね、スマさん
br「ほんとにあつい!!!」
逃げ出してからどれくらい経っただろう
正直クーラーガンガンの部屋でぐっすり寝たい
まぁ、そういうわけにもいかないんだけど
スマさんを置いてはいけないし
br「てか、蝉うるさすぎ!静かにして!」
sm「文句を言ったところで変わらないぞ」
ぐっ、現実を押し付けられた
br「はぁ〜喉乾いた、スマさん水持ってない?」
sm「持ってない、そろそろやばいな」
警察「あ、見つけたぞ!」
br「え〜?!このタイミング?!」
sm「うるせー早く逃げるぞ!」
br「まいた…?」
sm「あぁ…そろそろだな」
br「?…なにが?」
スマさんが袋からナイフを取り出す
br「まさかっ…」
sm「ありがとうぶるーく、お前がそばにいたからここまでこれた」
sm「だから…もういいよ」
そして君は首を切った
br「すま…さ、」
br「ねぇ、うそでしょ…すまさん、返事してよ、ねぇ」
気付けば僕は捕まってて、警察署にいて、夢を見ているような感覚のまま
取り調べを受けた
外に出るとなかむたちがいて、大丈夫?とか言われたけど、僕の頭には全く入ってこなかった
そして時は過ぎていった
家族も仲間もいて、でも、君だけが、スマイルだけがどこにもいない
きっと僕は、夏が来るたびに思い出す、スマイルと過ごしたあの夏を
君に、言いたいことがあったんだ
首を切ったときの、あの、地獄から開放されたような安堵の表情が
忘れられない
スマイルは何も悪くないよ、君は何も悪くはないから
もういいよ、投げ出してしまおう
そう言ってほしかったんでしょ?なぁ…
コメント
2件
凄い…、初コメ失礼します。 曲にすごい馴染んでて好きです()スマさんとぶるさんの心情とかも分かったりして…もう、凄いです(語彙力皆無) フォロー失礼します
久し振り〜だから、ちょっと変なとこあるけど許してね