【楓(カエデ)side】
俺には、妹にも周りの人にも秘密にしていることがある。
それは、18歳でホストをやっているということ。
始めた理由はそんなに大したことではない。ただ、小遣いがもっと欲しいからだ。
誰にも言わずに勝手にホストを始めたから、バレてはいけない。
もちろん、学校にバレたら即退学だ。
「お兄ちゃーん」
妹の紅葉(モミジ)が、髪をゴムで結びながら階段を降りてきた。
「おい紅葉、そろそろ出ないと遅刻するぞ」
「わかってますよーだ」
1番バレたくないのは紅葉だ。
俺のことを頼りになる兄と思っている紅葉に、もしバレたら…失望されてしまう。
今日もホストであることを隠して、紅葉と一緒に登校する。
夜にはホストの仕事があるから、部活を早退して行かないといけない。
「紅葉、今日部活あるのか?」
「えっ、あ、あるよ」
「ごめん。俺、今日も早退するから一緒に帰れない」
「あ、うん。全然大丈夫」
なんか紅葉の反応が気になるけど、まぁいいや。
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