「あれは夢だ」
そう思うことにした
でも今日の食事は、きっと、僕が昨日やった…
もう思い出したくはない
食事の時間。予想通り、「贈り物」が出された
きっとこれを知っている人は数少ないんだろうな
僕は一口だけ食べてみた
どこかで、人の肉はまずいという事を聞いたので、味には期待してなかった
「…美味しい?なんで…?おかしい…」
「どうしたの?」
「なんでもない」
横に座っている…えっと、イグザレルトは不安にさせないようにしたい
禁断のことを知ってしまった僕にとって、食事なんて進まなかった
その美味しさが逆に気分を悪くさせた。僕はほぼ食べずに食事の席を立った
しばらくしたあと、気分が悪くなった
なのでやむを得ず医者の元へ行った
「食事はとった?」
「う…少しは…」
「もしかして貴方、贈り物を食べたんじゃない?」
僕は絶句する。なんで普通に貴族でもない医者がこんなことを知っているのかと
「心配しなくていい。私は貴族の事も特別にお聞きしている。貴方の症状は、贈り物を中途半端に摂ったからね」
気分が悪化してきて、医者の声が聞こえなくなってきた
「大丈夫? 」
僕はどうやらここで気絶したらしい
気がつくと、僕は両手両足を縛られていた
すると何者かが、ゆっくりと僕に近づいてくる
右手にはナイフ。顔をよく見ると、指導者様だった
あの時だ。僕が贈り物を殺した時だ。あの時と一緒だ
でも、今回の贈り物は僕だったんだ
指導者様はやり慣れている様子で、僕にナイフを突き刺した
僕は思わず飛び起きた
「あら、起きたの?」
まだあの恐怖が残っていた。夢だと分かった今も怖かった
「ちょっと悪い夢を見ただけです」
僕は薬とかを貰ってすぐに帰った
「エストリール、体調はどうだ」
「まだ少し…」
「そうかそうか、エストリールがまたここに戻ってくてくれて私は嬉しいぞ」
「ありがとうございます」
エストリール…なぜか前の名前が恋しくなった