テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「この広い世界の頂点で。」
第三章 ‐ 探し物 ‐ 2
居酒屋がやけに静かになった。
ほぼ換気扇の音しか
響いていない。
gt「…急に静かになったね」
gt「様子見に行ってみよう」
うっしーと席を立ち、
とりあえず金だけ置いて店を出る。
外に出ても、誰もいない。
静かすぎて怖いくらいだ。
木が風で揺れる音。
言うてそれくらいしか音がない。
バイトの奴らは無事だろうか。
全員大事な奴らだから、
余計に心配になる。
gt「一回、コンビニ行こうか」
━━数分後━━
コンビニに着いた。
電気は付いている。
コンビニに入ると、
完全にがらんとしていて、
誰もいない。
商品だけがずらっと並んでいる。
gt「っ、あいつらも、消えてる」
us「ガッチさんっ…!」
うっしーが何やら焦った声を出す。
gt「どうしたの?」
us「あれ…!」
うっしーの視線の先には──
お菓子を手に取っている人影。
うっしーに似ているような…
すると、その人は
うっしーをぎろっ、と睨む。
gt「!?」
その顔は、
うっしーの顔、そのまんま。
体型も…全部同じ。
?「…見っけ。」
すると、そいつはうっしーに
近付いてくる。
俺はすかさずうっしーを抱きしめ、
震えているうっしーを守る。
絶対守る、という思いで、
抱きしめていた腕の中には。
もううっしーはいなかった。
うっしーのドッペルゲンガーの
みたいなやつも、 消えている。
攫…われた、?
一度立って、店内を見渡す。
──雑誌の所に、いる。
後ろ姿がまんま俺だ。
俺はなるべく冷静に、
とりあえずまたしゃがんだ。
バレないように、息を殺して。
でも、足音は近付いてくる。
気付いたら、隣にいた。
?「…はは、…みーつけた」