⚠️attention⚠️
BL表現あり
nmmn注意
ご本人様には一切関係ありません
紫桃
R15
🌸「いるま〜?」
あ、ちょっと怒ってる。
声だけを聞き、そう感じる。
きっと、他の人には普段の時と差が分からない程の違い。
恋人の俺しか分からないんじゃないか、なんてくだらない優越感に駆られる。
📢「どしたー?」
俺は敢えて、気付かないフリをして、パソコンに目を落としたまま応える。
🌸「これ、いつ使ったの?」
📢「どれ?」
心当たりはあるが、まだ、とぼけてみせる。
そうすると、らんはさっきよりも怒りを顕にする。
🌸「これ!俺の香水!勝手に使ったでしょ!!」
振り返ると、らんの手には、ほとんど空になった香水のビンが握られていた。
やっぱりな、なんて思いつつ、今しがた知ったかのようにらんを宥める。
📢「あ゙〜…ごめんな?大事なヤツだっかか?」
🌸「そうだよ!これ、こさめから貰った大切なヤツだったの!!」
📢「こさめから…あぁ、誕プレの」
もちろん、そんなこと知ってるけど。
🌸「匂いもお気に入りだから、ちょっとずつ使ってたのにさぁ!」
それも知ってる。
📢「悪かったって。今度同じやつ買ってくるからさ」
🌸「それじゃ意味無いの!!」
そうだよな。らんならそう言うと思った。
📢「…じゃあ、どうして欲しい?」
🌸「え、」
返ってきた答えが意外だったのか、らんはさっきまでの勢いはどこへやら、間抜けな声を出していた。
🌸「そ、そういう問題じゃなくてさぁ…」
📢「何でもするけど」
その言葉を聞き、ピクっと反応するのが見える。
🌸「え、あ、ちょ、っと…なに」
俺の後ろに立っていたらんを壁際に追い詰める。
追い詰め終えて、壁に片手をつけば、見事な壁ドンが完成する。
まあ、俺の方が身長小せぇから、見上げてんだけどさ。
🌸「ん、ふッ…//」
らんの柔らかそうな唇を、ひと舐め。
そして、空いた隙間から舌を侵入させる。
🌸「ぁ、ぃるッ…ま//」
呼吸が続かなくなったのか、らんにグイッと胸板を押されて、仕方なく離れる。
少しの間、とろけているらんの顔を見つめていると、急に思い出したかのようにハッとして、眉を吊り上げる。
🌸「いるま!そうやって、いつも誤魔化そうとすんのヤメロ!」
📢「なに、そうやってって、どうやって?」
これだって、もちろん分かってはいるけど、わざと問いかけてみる。
🌸「き、キスとか!」
📢「キスとか?」
もう一個、例を出してみろよ。
🌸「……えっちなこととかだよ…//」
耳まで真っ赤にして、ボソリと恥ずかしそうに呟く。
📢「嫌いか?」
🌸「嫌いじゃ…ない、けど…/」
そう返事をすると、もっと恥ずかしいのか、らんは目をそらす。
📢「じゃあ、いいじゃん」
🌸「よ、よくないっ!」
前のめりで否定してきて、ただでさえ近い距離がもっと近くなる。
その刹那、フワッと柑橘系の香りが漂ってくる。
シトラスの匂い何だっけか?
こさめから貰った時に嬉しそうに報告して来たらんを思い出す。
途端に腹の底がムカムカする感覚に襲われる。
🌸「だいたいさぁっ!」
俺は目の前にある顔を見て、タレ目だなぁ、とか、可愛いなぁ、とか考えながら、ごちゃごちゃ言う、らんの言葉を聞き流し、イライラを抑える。
📢「反省してるからさ、ごめんって」
そう言って、今度は、らんの頬を目掛けてキスをする。
怒っていても、どこか優しさが隠しきれていない瞳のらん。
しかし、まだ、納得のいかない顔でこちらを見てくる。
📢「よし、今から香水買いに行こーぜ」
🌸「え、何言ってんの!?」
らんの日に焼けてない、細い腕を引っ張れば、簡単にその足は着いてくる。
📢「俺のお気に入りの香りにしてやるよ」
🌸「頼んでないんですけど!?」
📢「なに?えろいことの方が良かった?w」
🌸「違うからっ!!/」
そっちは、夜で良いよな。なんて考えて、らんに笑顔を向ける。
📢「ま、行こうぜ」
🌸「もぉ〜…」
他のやつからの香水とか、絶対つけさせてやらねぇよ。
俺の好きな香りに染めてやるから。
俺のらんなんだって、誰もが分かるようにさ。
今からこいつが俺の香りになるんだ、って思ったら、ツンと鼻の奥に再び漂ってきたこのシトラスの香りも、
意味の無い柑橘の香りに成り代わり、もう、 すっかり、気にならなくなっていた。
コメント
4件
最高!もっと読みきりかいて欲しいくらい!
やだ……素敵好きる💕壁ドンとか最高すぎます……♡