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俺、千切豹馬はさっきフィジカルスタジオに凛がいると潔から小耳に挟んだ
じゃあ行くしかねーよな!ってことで来たぜ(笑)
「よー凛」
『、、邪魔すんなら帰れ』
「まだ邪魔してねーよw」
(相変わらずムスッとしてんなー)
「いつもそれやってんの?」
それ、とは凛が現在進行形で行っているヨガのことだ
『、、だったらなんだ』
「別にw努力家だなって」
『、、』
ふう、と息を吸って目を閉じ、息を吐きながら上体を前にぐいーっと倒し、数秒固まる
その隣で同じ動作をしていると、突然固く冷たい床に俺の右脚が悲鳴を上げた
「い、、っ!?」
あまりの痛さに思わずうめき声をあげる
『、てめえ、何してんだよ』
電撃に近い痛みが走り続ける爆弾を抑えながら悶えていると隣からドサッと何か布のようなものが地面と擦れる音が聞こえてきた
『、、立てんのか』
左脚で立とうとするも爆弾の痛みは加速するばかり
立てそう、と思った次の瞬間、全身の力が抜け、膝がカクンと折れた
(あ、倒れる)
結局この身が地面に倒れることは無かった
抱えるように支えられ、『あ、っぶねえな』と溢す凛にくらっと目眩がした
「さ、んきゅ、助かった」
絞り出すように言うと、凛は何も言わず右脚に負担がかからないように支えたまま、自分が使ってたヨガマットに俺を寝かせた
弱いところを見られた恥と迷惑をかけた後ろめたさが絡まり、只々横たわりながら唇を噛み締めるしかすべが無かった
まだ痛みが引かない膝が軋んだような音を立てたときは寒気とともに背筋が凍った
(来る前にマッサージしてきたのに、、爪が甘かったか、、クソッ)
幸い乾かしたての長い赤髪が顔を覆っていたため表情は見られてない、、はず
と、急に曲がっていた爆弾が押される感触に併せてぐっぐっと伸び始めた
驚いて髪をどけると目の前にある翡翠と目があった
無言で足をほぐすように揉み続けるこの男に頬を酷く温かい何かが伝う
ほんの一瞬、翡翠が一瞬揺らいだ気がした
よりよって他人の前で泣くなんて、今日はついてねーな、、
溢れる涙は次々に頬を濡らす
普段あんなだけど、今はその優しさに溺れそうだ
俺は目の前のライバルに苦笑いのように笑みを浮かべた