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ノアは、仕事があるので朝食を食べたあと帰っていった。最後までめんどくさかった
「姉さん…姉さん…お元気で」
「いってらっしゃい」
「またね」
「姉さーーーーーーーーーん」
まるで、今生の別れのように涙を流しながら帰っていった。
「冬真、笑真お昼までには帰ってくるのよ」
「はーい」
「うん」
「…心配だから、クローバーと行って」
「はーい」
「行くぞ」
クローバーの声…イケボ。真っ黒毛並みで赤い目を持ちフェンリルのような見た目の犬。名前は…クローバー。かわいい名前だな
今日は、家の周りの森に遊びに行くことにした。理由は、他にも異能の力があるかもしれないのでこっそり試してみたかったからだ。
一応、家族にも鑑定を使ってみたがノアと母さんだけが見えない部分が多かった。というか、ほとんど隠されていた。
(…鑑定の仕組みを詳しく知る必要がある)
「お兄ちゃんは何するの?」
「…散歩」
「笑真は木登り」
「気をつけてね」
(元気だな)
笑真にも鑑定をした結果、運動能力や魔力がめちゃくちゃ高かった。村人の平均、運動能力や魔力は100ぐらいだ。それに比べ、笑真は1000ぐらいだ
(ヤバすぎでしょ)
妹が天性の才能を持って生まれた予感…かわいいな
自分を鑑定してみた結果、魔力は同じぐらいだが運動能力は笑真より下だった。
なので、森の中で鍛える。やっぱり、修行といえば森。森での修行だ。
(よし、ランニングからやろう)
…30分後
(気持ちいい〜)
こんなに長い時間走ることができるなんて最高だ。全然、息苦しくない。長時間走り続けれそう。子供だからかな、異世界だからかな。楽しい。でも、さすがに休憩をしないとな
(川の水飲めるかな)
ゴク…ゴク……
美味しい。キンキンに冷えている。なんか、疲れたあとのいっぱいって感じ。
(……水にも鑑定を使えるのかな)
よし、やってみよう
(鑑定)
今では、アナウンサーの人とやり取りせずに一言で簡単に調べれるようになった。最初は、叫んでみたり触れたりしたりして調べていた。たが、コツを掴むと無意識に調べることもできる。
「ブリス村付近の川の水」
・ろ過せずに飲める
・元が神域の水
…
どうやら、水にも鑑定は使えるようだ。液体などの物体ではなくても使える。これから生きていく上で役に立ちそうだ。神域…気になる部分があるな
(……そういえば、笑真はどこにいるんだろう)
この森というかほぼ山は、村を囲むほど大きい。辺りを見回してみた。どこだ…どこ…
(………いた)
向こうの方の花畑で遊んでいる。クローバーに花冠を乗せている。楽しそうだ。笑真はちゃんと水分補給しているのかな。熱中症になってはいけないから、遊ぶついでに言いに行こう。
…
…
目で見た時は、笑真が遠くにいるようには見えなかった。走っても、走っても全然つかない。
「お兄ちゃん、ヤッホー。やっと来たね」
「…ハァ…ハァ…う…ん」
やっと着いた。思った以上に森の奥にいた。見た時は近くにいるように感じた。まるで、視覚がいつも違う。視力が高いのかな。もしかして、転生者の特権とか
「お兄ちゃん、走ってきていたね」
「…気づいて…いた…のか」
「うん!お兄ちゃんの音が聞こえたよ」
「すごいな」
「えへへ」
異能の力か。いや、俺だって目がめちゃくちゃよかった。そう考えると笑真は、耳がめちゃくちゃいいな。転生者の特権とかではなさそうだな
「笑真、水分補給しているか?倒れるぞ」
「うん!クローバーに言われたからちゃんとしているよ」
「えらいな」
「えへへ」
よしよし
思わず、頭を撫でた。本当にかわいい妹だ。妹が笑うとこっちまで笑顔になる。ついでにクローバーも撫でる。もふもふだ。
「…冬真撫ですぎだ」
「…ごめん」
でも、このもふもふ感やめられないな。振り払われた。急にクローバーは、毛を逆立てて
「…来る」
ドカン
なにかいる。なんだ
「お兄ちゃん、なにか大きいのがいる」
ガザ…ガザ…ガザ…ドカ
耳が痛い。響く。なんだコレ…木より大きく…顔が猿のようで…体はトラ…尾にヘビ…ヌエか
「うるさい」
まさか、レア級の魔物に会うとは
「笑真、冬真…下がっていろ」
遠くに離れて、クローバーの邪魔にならないようにしないと
「笑真…行こう」
「クローバーは…」
「大丈夫だ」
ヌエとクローバー…ほとんどクローバーが有利だ。毒の霧を瞬時に避け、相手の技を絡め取って噛み付く。強い。勝てる。そう、誰もが確信した。そう、もう一匹いなければ…
「お兄ちゃん危ない」
ドガッ
後ろから、もう一匹のヌエがやってきた。笑真が押したので避けることができた。
「シャー」
ヘビと目があった。その瞬間
「プシューーー」
毒霧だ。間一髪で避けたから毒は吸ってないがもう追撃が来る。
ヤバい…ヤバい…クローバーは…さっきのヌエを倒してこっちに来ている。だけど、距離がある。間に合わない。
「お…お兄ちゃん」
死にたくない…笑真を守る。絶対に死なせない。強い力が欲しい。死にたくない。圧倒的力が欲しい。欲しい。守る。欲しい。裏切らない力が。欲しい。笑真を守る。欲しい。力が
(絶対的力と忠実した力…欲しい)
『月開』
『異能:式神(絶対的忠誠)』
アナウンサーの声だ
『製作します…完了しました』
『改…名付けをどうぞ』
(…名付け…今するのかよ)
どうする…えっと……名前って力に関係するのかな…えっと…えっと…ヤバい攻撃が来る…
「仰せのままに」