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試合経過(逆にしました)
第1セット稲荷崎、第2セット鴎台
摩浪side
最終セット。魔の3日目で音駒戦後の、鴎台との準々決勝。すっげぇしんどいけど、ここ乗り切ればセンターコート。
摩浪『さてさてお楽しみといきましょう』
赤木「スイッチ入ってもうた…」
大耳「摩浪のスイッチ入った≒全力出せって意味やからな。こっからキツさ増すで」
試合最後の3セット目。苦しい場面が多い時間だけど、俺にとっては楽しい時間。
セット序盤、やはり鴎台のブロックがこちらの攻撃を阻む。
摩浪『(不調が無いのが強さの秘訣なのかも)』
侑「ほんま嫌やわ〜」
摩浪『北さんみたい、だからですよね?』コソッ
ツムサム「…ハイ」
気持ちは分かる。だって隙が無いから。
摩浪『(痛いの痛いの飛んでけー)』ジンジン
右手が痛い。どう頑張っても右手を避けさせることは出来ないから我慢しないと。
大耳「すまん」
摩浪『ドンマイっす』
大耳さんの速攻がアウトした。
鴎台のリード・ブロックを避けるようにして打ったけど上手くいかなかったみたい。
摩浪『(取り返す)』
俺のサーブターンが回ってきた。右手は明日も使わなければならないから、可能な限りは左で打ち込む。そんで、サービスエース。
摩浪『うぃっ!』ピョコピョコッ!!
セット中盤に差し掛かって来た時、稲荷崎がタイムアウトをとる。
摩浪『(幸くんやっぱ上手い)』
ツムサム「……」
角名「どうしたの?」
治「昼神と中学で戦った事あるんやけど、なんちゅーか、もっと鬼気迫る感じやった。高校なってから最初気付かんかったもん」
侑「うん。強いけど余裕が無いって感じやった」
北「でも何で摩浪見とるんや?」
侑「似とるんですよあの2人」
治「昼神と一緒、高校で気付かんかった」
摩浪『(似てる、、、、確かにそうかもしれない)』
タイムアウト終了。
俺は後衛。白馬さんの強烈攻撃をレシーブ。
手は痛いし、足は重くなりかけてるけど、手は抜かず繋ぐことを絶対やめない。
稲荷崎「ナイスレシーブ!」
摩浪『(まだこれはナイスじゃない)』
体勢を戻し助走開始。相手ブロックに一気に情報を増やし混乱させる。すぐに捌かれたとしても、少しでも遅らせれば追いつけない。
バックアタックで稲荷崎得点[10-12]
摩浪『うぃうぃ』
ローテ回り前衛に上がった。
そんで光来くんと目が合う。やっぱ俺より少し高いしガタイもある。
摩浪『弱いって凄いですね』
星海「だな」
俺も光来くんも自分が弱い事を知っている。だから強く、成長出来る。
摩浪『(小さいからなんだってんだ!)』
星海「(小さいことは不能の要因ではない!!)」
光来くんの攻撃に食らいつく。痛くてしょうがない右手にボールが直撃。そして、ボールが相手コートに落ちる。
侑「ナイスブロック!」
摩浪『……ッ』ズキズキ
治「摩浪?」
手に巻いている包帯に血が滲み出ている。今の一撃でまた出血したみたい。
摩浪『何っでも無いです。戻りましょ』
侑「お、おん」
幸いにも先輩らは気付いてない。試合が終わるまでこれがバレないようにしないと。
ゲーム再開。長いラリーが続きスタミナの限界が近づき出す。大耳さんの攻撃を光来くんがレシーブ。会場からの歓声がやまない。
摩浪『(はぁ…強い連中ばっか。心地いい)』
白馬さんのスパイク。彼は2mの長身。ブロックの上から攻撃くる。
レシーブ少し乱れたけど上げきった。
双子速攻が決まり稲荷崎得点。
摩浪『ナイス』
不思議と疲れが吹っ飛んだ。楽しくて仕方ないという感情が湧き上がって、俺の疲れを忘れさせた。