第3セット終盤
摩浪side
鴎台がメンバーチェンジ。前衛がかなり高くなった。(諏訪→乗鞍)
関係ない。それより高く速ければ勝てる。
侑さんのサーブが回ってきたが上げられ、こっちのコートに返ってくる。でも別所が押し込んできた。
摩浪『赤木さん!』
俺が叫ぶより前に赤木さんがレシーブ。そして速攻が決まりこちらの得点[23-22]
そして稲荷崎、あと1点で勝ちが確定。
むっちゃ手痛い。なんならさっきの再出血が止まらない。固く固定してもらった包帯がとれかけてきた。そんで鴎台のスパイクをギリの体勢でレシーブ。
摩浪『(大丈夫、大丈夫。先輩達が繋ぐから)』
尾白さんの攻撃をまた拾って繋いできた。そして光来くんが跳ぶ。
大耳さんがワンタッチ、勢いが弱まった。
摩浪『オーライ!』
コートの後ろに走る。背中はネット方向を向いた状態。このままで、まともな攻撃は無理かもしれない。でも今決める。
侑「(コイツ、怖っ)」
跳ぶのと同時に体を回転させる。後ろを振り向くとノーブロック。
摩浪『(あ、いける)』
右手で打ち込んだボールは鴎台コートにドンッという音を立て落ちる。
笛が鳴り試合終了。稲荷崎勝利。
摩浪『うぃ』
歓声が上がる。双子先輩に後ろから抱きつかれて、また転ける。差し出された赤木さんの手を取ろうとした時、右手の包帯が取れて出血がバレた。
赤木「また無茶しよった!!」
侑「言わんか!アホ!」
バレた瞬間に赤木さんのデコピンと、侑さんのチョップを食らった。
摩浪『わーん。いたいー』
角名「棒じゃん(笑」
北「後でもっかい手当行くで。今はタオルで押さえとき」
北さんからタオルを受け取り立ち上がる。挨拶を終え、着替えのために控え室…の前に俺は北さんと医務室移動。
北「いつからや?」
摩浪『えと…セット中盤に光来くんのスパイクをドシャットした時にブチッと』
北「気付いてたやろ」
摩浪『はい』
赤木「無茶し過ぎやねん!いっつも!」
摩浪『わーん』
赤木さんも着いてきてた。医務室に到着後もう一度手当(さっきより固めに固定)され終わった。
摩浪『あ、幸くん』
昼神「やほ」
摩浪『すぐ戻るんでちょっとだけ良いですか?』
北「おん。すぐに戻るんやで」
少しだけ幸くんとお話することにした。幸くんはもう着替え終えて、少し疲れた表情をしてる。
昼神「お疲れ」
摩浪『本当にお疲れ様です』
昼神「試合中さ変わったって言ってたけど摩浪も変わってたよ。中学の時より楽しそう」
摩浪『あはは。侑さん達がいるからですよ。騒がしいけど賑やかだし』
幸くんの言う通り。俺は高校に入ってからバレーが楽しくて仕方ない。
昼神「摩浪と初めて会った時似てるなぁって思ったし、中学の時のチームメイトより仲良くなれそうって思った」
摩浪『ふはっ嬉しい』
昼神「今日俺を振り向かすって言ったでしょ」
摩浪『ダメでした』
昼神「ううん。上出来だよ」
幸くんが認めてくれたってことは成功ってことでいいのかな?嬉しすぎる。
昼神「そろそろ戻ろっか。またね」
摩浪『はい。また』
幸くんに手を振り、控え室に向かって早歩きで戻る。騒がしけど、賑やかで楽しいあの人たちの元に、仲間の元に戻る。
コメント
3件
いつもコメントありがとうございます(●︎´▽︎`●︎)
やばい…昼神がお兄ちゃんに見えてきた…!日向と摩浪喪のペアもそうだけど、昼神と摩浪の兄弟感が半端無さすぎで尊い…!!( ´ཫ`)いや、昼神が摩浪に可愛いって言ってる時点でこのペア好き!ってなったし、なんなら光来のことは揶揄ったりしてるのに、摩浪には甘々なのがやばい!"(∩>ω<∩)" 今回もニマニマしながら(?)読ませて頂きました!次回も楽しみに待ってます!!