颯利と霊音の因縁の話
最初は颯利視点
…………………………
これはまだ藍桃を拾ったばかりのころ。
藍桃はすぐに懐いてくれて、私もこの2人を守ろうとしてた。
だけど、ある日事件が起きた。
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桃猫「そうり、おもちゃかって!」
颯利「だめ」
桃猫「なんでぇー!!」
藍乃「ももね、おちついて」
桃猫「そうりのけちー!」
颯利「買ってもらいたいんだったら勉強してください」
桃猫「う”ー…」
厳しいように見える。けど、師匠からはこんな風にしか教えられなかったから仕方がないと思う。
颯利「あ、ちょっと私仕事入ったから行ってくるね」
藍乃「いってらっしゃい」
桃猫「…いってらっしゃい」
この2人は閉じ込められていたせいなのかわからないけど、自ら外に出ることはなかったから「外に出るな」と言わなかった。
でも、その油断が事件を起こした。
桃猫side
颯利が仕事に行った。
拾ってもらったし、ちゃんとした生活もさせてもらってるから颯利の言う通りにはしたい。
でも、勉強は飽きるものは飽きるの!!
桃猫「あきたー」
藍乃「やらないとまたおこられるよ?」
桃猫「うぅ~…」
よく飽きずに続けられるなー、と机に突っ伏しながら隣の藍乃を見る。
なにかいい暇つぶし(サボり)ができないかと考える。
ふと、いいアイデアを思いつく。
藍乃は押しに弱い。飽きたといって説得力されるのならば、無理やりにでも連れていけばいい。
桃猫「ねぇねぇ、あいの」
藍乃「なに?」
名前を呼ぶと、こちらを見ずに返事をしてくる。
少しぐらいこっち見てほしいんだけどなー。
桃猫「そといこ!」
藍乃「え、そと?」
桃猫「そう!ねぇ、いこうよー」
藍乃「うーん、えー…」
桃猫「いいじゃんいいじゃん」
座っていた藍乃の腕を掴み、玄関へと引っ張っていく。
抵抗しないのは、藍乃も外が気になるのだろう。
藍乃「ほんとにいくの?」
桃猫「もちろん!」
藍乃「でも、そうりにおこられるんじゃ…」
桃猫「そとでるなとかなんもいってないんだからいいでしょ」
藍乃「いいのかな…」
怒られるのではないかと不安そうだ。
だが、何も言ってない颯利が悪い。そう心の中で言い訳しながら心配している藍乃を横目に玄関の扉を開ける。
桃猫「わぁ…!」
扉を開けたら広がる世界。颯利に連れて来られた時とは違う、明るい空の色だった。
藍乃「きれい…」
桃猫「ほら、そとでてよかったでしょ」
藍乃「…うん」
頭上に広がる青い空、丘の下に広がる家の群。私たちは見てことがない景色に目を輝かせる。
自然と足が前へと進む。そのまま私たちは引き寄せられるように街へと歩み始めた。
…………………………
長くなりそうなのでいったんここで止めます。
次は明日か明後日に。
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