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「ただいま戻りましたあー」
「お疲れ様です。遅かったです…ねっ⁉︎」
才木はぎょっとした。気だるげに任務から帰ってきた陣内さんの頭?に猫耳が付いていたからだ。
「ああ、これね。ドーパーのせい」
「そうなんですか…」
「いやーまさか空気感染だなんて思わないでしょ」
彼の猫耳が、落ち着きなくぴくぴくしていた。
「動くんですね。それ」
「まあね。あと、しっぽもあるぞ」
そう言ってくるりと後ろを向く彼の尻の辺りにはちゃんと尻尾がついていた。
ゆらゆら揺れている。
「…ズボンに付いてるんですか?それ。それとも…」
「んーわかんねぇ」
ふと、好奇心のままに彼のゆらゆらと揺れるしっぽを掴んでみた。
「二ャッ⁉︎」
「…おお」
本当に動くんだ…
「…おっまえなあ…!ちゃんと痛覚はあんだから優しくしろよ!」
「すみません。つい」
くすくすと笑う才木に対して彼は威嚇していた。
「笑ってんじゃねぇよ…!ほんとに敏感なんだって」
彼のしっぽはさっきより忙しなく揺れている。
耳もぴくぴくと動いていた。
「へぇ…」
才木の視線は、尻尾の動きをじっと追っている。
「おい、なんだその顔」
「いえ、ちょっと面白いなと思いまして」
「面白いってお前…」
言いかけて、彼はぴたりと口を閉じた。
才木の手が、またしっぽに伸びてきていたからだ。
「……おい」
「触りませんよ」
「絶対触る顔してんだろそれ」
才木はにこりと笑った。
「陣内さん、試していいですか?」
「試すってなんだよ」
「こういうの、猫って追いかけるんですよね」
そう言って才木は、指先で彼のしっぽの先を軽くつついた。
「っ、やめろって言ってんだろ!」
ぴたっと、しっぽが止まる。
……次の瞬間。
ひゅん、と彼のしっぽが自分の方に巻き込まれた。
「……あ」
「……」
沈黙。
彼は自分のしっぽをじっと見てから、顔をしかめた。
「……くそ」
「本能ですか?」
「違ぇよ」
「でも今、自分で捕まえましたよね」
「 うるせぇ」
才木はまたくすくす笑う。
「可愛いですね」
その瞬間、彼の耳がぴたりと固まった。
「……今なんつった?」
「可愛いって」
「お前なぁ……」
彼は額を押さえてため息をついた。
「帰ってきて早々、部下に猫扱いされる先輩の気持ち、ちょっとは考えろ」
「でも猫耳ついてますし」
「好きでつけてんじゃねぇ!」
「でも似合ってますよ」
「お前はもう黙れ」