「これあげる!」「え?」
「コーヒー!好きでしょ?いつもお世話になってるし、さっきついでに買った!」
「私とオソロー!」
「…うん、ありがとう」
冬にカフェオレをよく飲んでいた私の親友はいつしか
ブラックコーヒーを飲むようになった。
「苦いのいけるんだね」
本当は、苦手だ。
間違えて押したから、代わりに飲んであげただけ。
「ねぇ、別の女なんか見てないで、私の事見てよ」
「あっ」
先輩は、私の手から缶を奪い、全て飲み干す。
そしてその缶を、ゴミ箱に向かって投げた。
「あー、惜しい。」
「先輩…」
私は仕方なくゴミ箱まで行き、缶を捨てる。
「無理しないでください、”同類”なんですから。」
「…無理なんてしてないよ」
「私たち、付き合ってるんだから。」
手すら触れたことの無いのに、
私たちの口は、同じ味をしていた。
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