– 私は 貴方の 事が 好き でした –
今年も凍えるような冬が巡り来た
呆れたのか 飽きたのか は よく分からない
冬に飽きたのか 自分の告げれない感情に飽きたのか
君は満悦に微笑み乍イルミネーションを見つめる
君は小さく呟いた
「 今年も来れたね 」
君が言ったように
僕と君は毎年、同じ場所で同じ物を見ている
なのにも関わらず
僕は君に思いを告げれない。
毎年同じ冬は訪れ
毎年同じ機会は訪れるのに
訪れてくれないのはただ一つ
僕の勇気だけだ。
告げてしまえば
嫌われ 拒絶され
元の形には戻れない
そんな分かりきっていない被害妄想のせいで
僕は告げれないまま。
当たり前のように君は
異性を好み 異性に惹かれ 異性に恋する
だが、僕は可笑しく
同性を好み 同性に惹かれ 同性に恋する
なんで僕だけが
こんなちっぽけな恋一つで
苦しまなければならないの
君も同じ気持ちならいいのに
同じ気持ちならすぐさま伝えて
和かにその手を握れたのに。
『 若井 』
「 ん 、 な に 〜 。 」
呑気な返答だこと。
ちょっとぐらいイルミネーションから
目を離してこっちを見てくれたっていいのに
でも横顔を見つめるのも悪く無い。
恋人としての手繋ぎは不可能としても
親友という壊せない関係ならば
巫山戯て腕を交わす事は可能だ。
だけど 今やってもあしらわれて
終わるだけ。
早くこの関係が終了すればいいのに。
こんな冬も来なくていいのに。
冬は 来るたび 来るたび 僕の気持ちを
溢れさせようとする。
止めるのがどれだけ苦しいか
わかってほしい。
僕の気持ちを遊ぶならば
君の気持ちも遊ばれて此方向きに転換して
欲しい。
僕はずっと夢見る。
君が僕を好いてくれれば
君が僕の手を握ってくれれば
君と僕が両思いならば
ただそれだけで人生桜花できるのに。
人の気持ちはないのだろうか。
もう少し優遇してくれたっていいのに。
僕の前世はそんなに酷かったのか。
でも、よくわかってる
自分で行動した方が意味があると。
だけどやっぱり足がすくむ。
どれだけ幸せな未来を考えても
恐怖が襲いかかる。足を引っ張る。
僕のコートのポケットから携帯の音が篭り鳴った
開いてみると涼ちゃんからだった。
「 元貴 〜 !
休みにごめんね ! !
あの 頑張ってね ! ! 」
メールを見た時は目を見開いて驚いたが
よく考えれば作詞期間だった。
それに対しての 頑張って だろうけど
僕には違う意味で感じ取れた。
携帯を握り締めたまま
僕は何かの呪いが解かれたように
鮮明に君を呼んでいた。
『 若井 っ ! 』
「 ん っ 、 急に
どした 、 」
『 驚かないで
聞いて欲しい 』
「 驚く ?
なんか あった ? 」
『 僕 、
. . 若井 が 好き 、 ! 』
無意識に発した言葉を自覚した時には
遅かった。
君から言葉が漏れ出していた。
『 . . 俺も 好き 、 ! 』
鮮明に聞き取った声は嬉しそうで
少し涙を含んだような声だった。
気づけば僕は君の手を強く握っていた
その時を刻んだ瞬間
僕の気持ちは好きから大好きへと変わった。
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