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箱根への温泉旅行は快晴に恵まれ、露天風呂からの景色は素晴らしいものだった。


大浴場でのんびりとしたひと時を一人で過ごし、部屋に戻って百合を待つ。


都会の喧騒から離れた自然に囲まれた空間は、忙しい日常を思わず忘れてしまうようなチカラを感じる。


普段あまりボーッとしない方だが、百合を待つ間、部屋で珍しく何も考えずにただ放心していたように思う。


それだけ1月は忙しく俺も無意識に疲れが溜まっていたのだろう。


そこに百合が戻ってきたのだが、部屋に入るなりなぜが棒立ちになり、俺を上から下まで凝視していた。


(今日はなぜか百合によく見られている気がするな。車でも見てたし。珍しい)


声をかけるとやや動揺した態度だ。


その理由を聞くと、「俺の風呂上がりの姿が色っぽい、浴衣姿がいい」と言い出した。


(よっぽど百合の方が色っぽいけどな。相変わらずその自覚はなさそうだ)


「部屋の露天風呂に入る時は脱がせてくれてもいいよ」とからかうと、案の定、百合は真っ赤に頬を染めた。


その様子を見て俺は耐えられず笑み漏らす。


百合が俺を脱がせようとすることはないだろうから、完全に冗談のつもりで言ったのだが、まさかこれが実現するとはこの時思わなかったーー。




夕食は部屋で懐石料理を堪能した。


百合は美味しい食事とお酒に上機嫌で、そんな百合を見ていると俺も嬉しくなる。


食事を終えて一休みしようかとしていた頃、俺のスマホが鳴り着信が入った。


チラッと相手を確認すると海外の取引先だった。


機密の内容の可能性もあるので、俺は百合の耳に入らないよう、断りを入れてから部屋を出て電話に応じる。


結局大した用事ではなく、電話はすぐに終わらせることができた。


(まったく、電話してくる前に先に確認してほしいものだ。メールしておいたのにな)


部屋に戻ると、先程の食事を食べていたスペースに百合の姿がない。


あたりを見回すと、畳に横になり、微かに寝息を立てている。


(食事の時からほろ酔いだったしな。酔っぱらって眠ってしまったのかもな)


以前もお酒を飲んで眠ってしまい、そのまま起きなかったなと思い出す。


このままだと風邪をひくだろうと思い、百合の身体を軽く揺さぶりながら声をかけた。


「百合、ここで寝ると風邪ひく」


「んん‥‥?亮祐さん?」


意外なことに、少し揺さぶると百合はすぐに目を覚ました。


眠そうに目はとろんとしているが、意識はハッキリしているようだ。


(前は全然起きなかったのに、今日は前ほどは酔ってないってことかもな)



身体を起こした百合は、その眼差しを俺に向ける。


そして次の瞬間、急に百合が抱きついてきた。


「ねぇ亮祐さん、一緒に露天風呂入ろう?私が脱がせてあげますね?」


そう言うと、上目遣いで俺を見つめ、浴衣に手をかける。


思わぬ行動に虚をつかれ、俺は固まってしまった。


(これは幻?現実?俺は酔ってるのか?)


自分の見ているものが信じられず、俺はされるがままでいると、百合はどんどん俺を脱がしていく。


「浴衣を脱ぐと寒くなっちゃいますよね?さぁ露天風呂に移動しましょ」


百合はおもむろに立ち上がると、俺の手を引き露天風呂へと歩き出す。


(これは百合が酔っぱらってるんだろうな。今まで見たことない酔い方だな。まさか本当に百合に脱がされることになるとは)


だんだんこの状況が面白くなってきて、笑ってしまわないよう俺は笑みを噛み殺した。


露天風呂は広々としたウッドデッキに檜風呂がが備えられており、豊かな自然が目前に広がっている。


この自然を独占できるかなり贅沢な空間だった。


2月の外気は冷たく、浴衣を脱がされていた俺はすぐ湯に浸かった。


百合はどうするのかと眺めていると、俺に見せつけるかのように自ら浴衣をゆっくりと脱ぎ出した。


酔っぱらってほんのり赤く染まった白い肌が少しずつ露出していく様子に、ものすごくそそられた。


晒された肌が外気に触れ、その寒さに一瞬ブルッと身体を震わせると、百合はすぐに俺の隣に滑り込み湯に浸かる。



「露天風呂気持ちいいですね」


「露天風呂も気持ちいいけど、もっと気持ちいいことしたい?」


「したいです」


即答した百合に、あぁやっぱり酔っぱらってるなと確信する。


いつもならこういう聞き方をしたら確実に照れて動揺するからだ。


(まぁいいや。こんな積極的だった自分をあとで思い出して羞恥に悶えるといい。そんな百合も可愛いだろうから)


そうほくそ笑むと、目を潤ませる百合に俺は熱いキスを落とした。


そのあといつもより積極的な百合に俺が翻弄されたのは言うまでもないーー。

私の瞳に映る彼。

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