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桃赤要素有
モブ赤要素有
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nmmn注意
地雷さんは気をつけて
赤→りうら
桃→ないこ
赤side
飛行機の点検が終わる。
今日、ないくんは飛び立つ。
ないくんは、人を救う仕事をしている。
もう、死ぬことなんてわかっている。
そんなないくんに恋心を抱いているのも事実。
でも、それを伝えるつもりはなかった。
きっと困ってしまうから。
ないくんも。
りうらも。
飛行機が倉庫に戻される。
桃「俺たちも戻ろうか。」
赤「…うん。」
ないくんがスタスタと歩き出す。
りうらはこの気持ちを、飛行場に置いていくことにした。
赤「一回だけでいいから好きって言って欲しかったなぁ…(小声)」
りうらは向きを変えて歩き出そうとした。
その時だった。
桃「好きじゃないなんて言ってないじゃん。」
俺の耳元でそう囁かれた。
バッと後ろを振り向くと、
腕を組んで、そっぽを向いているないくんがいた。
その顔は少し赤く染まっていた。
赤「…え?」
ないくんは手を差し出してくる。
その手にりうらの手も重ねる。
2人とも何も喋らない。
でも、歩幅はおんなじで。
ずっと歩いていた。
2人は、なんとなくコンビニにはいった。
特に買うものもない。
だけど、ずっと手を離さないでいてくれる。
それがすごく心地よかった。
桃「俺、お手洗い行ってくるね。」
そういい、手がはなされた。
少しづつ温もりがなくなっていく。
それがなんだか寂しく感じた。
帰ってきて、なんのためらいもなく手を繋いでくれる。
それにまた安心した。
2人で飲み物を買い、コンビニを出た。
また、何も話さない。
だって、明日死んじゃうんだもん。
でも今更引き止める勇気はなかった。
今はただ、この時間を噛み締めていた。
次の日…
ないくんが、準備を始める。
あぁ、ないくん死んじゃうんだ。
だったらりうらもいいや。
赤「ないくん、りうらも一緒にいく。」
桃「え?何言ってんの?」
赤「だから、りうらもないくんと一緒に飛行機乗る。」
赤「せっかくないくんと両思いになれたのに、手だって繋げたのに。ポロポロ」
赤「もっと一緒にいたい。」
赤「だから、最期は一緒にいよう?ポロポロ」
桃「わかった。」
飛行機が飛び立つ。
ないくんが操縦している。
今はないくんと2人きりだ。
ずっと手を繋いでいる。
あったかい。
心地よい。
ずっと一緒にいたい。
ガンッッッッッッッ
鈍い音がした、
後ろを見ると、飛行機が壊れていた。
あぁ、もうおしまいなんだ。
最期に、ないくんに。
赤「ないくん、りうら一日だけだったけど、ないくんといれて楽しかったよポロ。」
赤「今が1番幸せニコッポロ」
ないくんが少し微笑んだ気がした。
ドーーーーーン
赤「ハッッ」
あれ?
ゆ、ゆめ…?
全てを思い出した。
俺には彼氏がいること。
その彼氏は、
付き合っても、手も繋いでくれない。
好きとも言ってくれたことがない。
ないくんなんて存在しないんだ。
りうらが作った架空の人物。
りうらは彼氏のことが好きだ。
ないくんなんて忘れよう。
数年後…
赤「あ〜あ!ついに彼氏とも別れちゃったぁ〜!」
赤「なんか、せいせいするわ!」
俺は彼氏と別れた。
少し、束縛が強かったのでやっと別れられたという感じだ。
当分彼氏はいいかなぁ?
りうらは今、東京の街に出ている。
赤「あっ!これ可愛い!」
うわ〜でも、値段がなぁ…
今日は、やめよーっと…
赤「あっ…!すみませんペコペコ」
桃「いえ、大丈夫ですよ笑。そんなに頭下げないで笑。」
あれ?なんか聞いたことがある声。
赤「ほんとにすみません…………」
赤「あの〜?どっかで会ったことありませんか?」
桃「?」
赤「あ!僕の勘違いかも…?」
桃「りうら…?」
赤「え…?」
赤「やっぱりないくんだぁ…ポロ」
その瞬間、抱きしめ合い、手を繋いだ。
その温もりは、やっぱりないくんのものだった。