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昼休み、ボクは屋上へと向かった。もしかしたらまた、彼女に会えるかもって思ったから。そんな期待に身を任せ一目散に階段を駆け上がった。
でも、お昼時なので屋上は賑わっていた。そんな中ボクは彼女を探した。でも、彼女の姿は見えなかった。「(いる訳ないか、)」少しショックを受けながらも教室に戻りお昼ご飯を食べた。ちなみにこの日のお昼は明太子おにぎりを2つ食べた。味は…正直しなかった。でもお腹は空いていたのであっという間になくなった。そしてボクは彼女のことを思い出した。あの美しい黒髪、全て見透かしているような綺麗な瞳、上を向いている長いまつ毛、桃色の可愛らしい唇、その全てが何故か愛おしく思えた。
キーンコーンカーンコーン
予鈴がなった。みんな次々と教室に戻っていく。「(ボクも次の授業の準備しなきゃ。)」
キーンコーンカーンコーン
本鈴がなった。教室中に号令の声が響き渡る。そして授業は始まった。でも、どうしても授業に集中出来ない。彼女のことばかり考えてしまう。「(もう1回話したいな、、、)」そんなことを考えていると再び本鈴が鳴り響き、号令がかけられた。
授業が終わったのだ。ボクは急いで黒板に書いていることをノートに書き写した。「(セーフ…)」
帰りのHRが始まった。担任が何か真剣な顔で話している。周りには数名涙ぐむ人が居た。でも、ボクはどんな話をしているのかちょっとばかりも耳に入らなかった。ボクの頭は彼女のことでいっぱいだったから。気づくともう号令をかけ終えた後でみんな部活に行ったり、バイトに行ったり、家に帰ったり、遊びに行ったりで、どんどん教室から人の姿は消えていった。そしてボクはふらっと屋上に立ち寄った。
屋上の扉を開けた。するとベンチに見たことがある背中を見つけた。その瞬間、ボクの胸は高鳴り出した。この背中は間違いなく彼女だ。
そしてボクは彼女に話しかけた。「まだ帰らないの?」彼女はびっくりしたように振り返った。そして、「わわっ、!びっくりしたぁ〜!なぁーんだ君かぁ〜!もうびっくりするじゃん!!笑」と言って彼女は微笑んだ。ボクはすごく嬉しかった。だって、やっと会えたんだもん。そしてボクは彼女と趣味の話、先生の愚痴、親の愚痴、そしてちょっとした笑い話など、ほんとに他愛のない話をしていた。そして彼女が言った。「そういえば名前言ってなかったよね!」たしかにそうだ。「そうだったね。ボクは晴人、糸瀬晴人。(いとせ はると)」「どんな字なの?」「糸は普通に毛糸のいとで、瀬は浅瀬のせで、晴人は晴れるに人で晴人、って感じ」彼女はへぇ〜とした顔で聞いていた。「君の名前は?」と聞くと、彼女は今の今まで忘れてたと言うような表情で、少し急ぎみで話し始めた。「私の名前は、_______。だよ」「そうなんだ!___さんよろしくね。」「うん!晴人くんよろしく!」この時からボク達はよく屋上で話したりした。彼女との時間を重ねる毎にボクの彼女への想いは日に日に強くなっていた。でも、夏休みが開けた始業式の日から彼女を見かけることが無くなった。メールをしても電話もしてもなにも返って来ない。だから、それまでにメールで話し合っていた内容とかを見直しながら少し懐かしい気持ちを蘇らせていた。
こんなに深く関わっていたのに何故か彼女の名前を日に日に忘れていってしまった。スマホを見返せばいいと思ってスマホを漁っても、機種を変えたから見返しても何も無い。なんて名前だっけな……
彼女の名前はいつになっても思い出せない。
話した内容も、1番盛り上がった内容も、最初に話した内容も全部覚えてるのに、何故か彼女の名前だけは思い出せない。なんで、なんでなんだろう。どうしてだろう。忘れたらダメなのに。ダメなはずなのに。思い出せない。彼女を見かけなくなって1年が経とうとしてた辺だっただろうか。俺は校長室に呼び出された。
「失礼します、3年2組の糸瀬です。」そこには、誰かの保護者らしき人と俺のクラスの担任とどっかのクラスの担任が座っていた。
はい!一応2話はこれで終わりです!どうでしたか?第3話はハートが2000超えたら出そうと思います!なので続きが気になるって思ってくれた人はハートとコメントお願いします!
それじゃ、ばいばい