テラーノベル
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ぱちりと目を開きぼーっと天井を見つめる。あの件以降、俺は星導を避けている。受験期の佳境を迎え始める頃なのもあって、そもそも3年生は登校回数が少なくなったのがせめてもの救いだ。
それでも週に2回程は学校があって俺は行ったり行かなかったりを繰り返す。行ったとしてもほぼずっとイヤホンをして過ごしている。
最初こそいつものように星導が話しかけてきたが俺がイヤホンを外さなかったり、寝た振りをし続けていればその頻度は減っていった。今ではほとんど話しかけられないし、昼も帰りも一緒になることはない。自分が望んだ展開なのに、ずきずきと痛む心はなんて身勝手なんだろう。
本当は今日も行かないつもりだった。11月下旬のかなり冷え込む空気に布団を頭まで被るが、既に2回連続で登校日をすっぽかしているのを思い出し渋々ベットから出た。
遅刻ぎりぎりの時間に教室に入り、目立つ紫髪をなるべく見ないようにして席に着く。昼休みになってもそれは変わることはなく、意味もなく有線イヤホンを弄りながら音楽を聞いていれば不意に肩を叩かれた。
ふと振り返れば1人の女子生徒が立っている。ファンクラブの誰とも一致しないがどこか見覚えのあるような顔に、頭の中ではてなが渦巻いた。彼女の口がゆっくりと開かれるのを見て慌ててイヤホンを外す。
「すみません…。えっと…父の依頼した件についてご相談があって……。」
小さくつぶやかれた声にはっとする。俺に星導を殺すよう依頼してきた男性と彼女はどことなく似ていたのだ。彼女の瞳には薄く涙の膜が張っていてただ事ではない雰囲気を感じる。
「了解…です。場所、変えましょう。」
あまり刺激しないように彼女をそっと誘導する。……立ち上がる直前、星導が酷く傷ついた顔でこちらを見ていたのに気づかないふりをして教室から出た。
「あの……ごめんなさい…!」
人気のない場所……と思い咄嗟に連れてった屋上で彼女は涙を流しながら俺に頭を下げた。慣れない女子の涙に言葉を選びながら状況の説明を求める。
だいたいの内容をまとめると、彼女はつい先日、自身の父が俺に星導の暗殺を依頼したことを知ったらしい。彼女曰くもちろん星導に振られて傷ついたのは事実だが、星導を殺すほど憎んでいるわけではないという。
つまり、父親が我が子愛しさに暴走し俺に依頼した星導の暗殺依頼を取りやめてほしいと言うのだ。
「事前に結んだ契約分の代金は払うと父も了承済みです。この度はほんとうに…うちのバカ親が……!」
いつのまにか泣き止み、この場にいない父親への怒りを滲ませた彼女の声がぼんやりと脳に響く。俺の脳を埋め尽くすのは、最近ずっと悩まされていたあいつのことでいっぱいだった。俺は……星導を殺さなくて済む…?
叶わないと思っていた願いが不意に叶うと人間こんなにも嬉しいものなのか。抑えきれずに小さく笑い声を漏らす俺を、彼女は少し引き気味に見つめていた。依頼はなくなったわけだが俺は継続して卒業までこの学校にいても大丈夫だと言われた。
正直そんなのどうでもよかった。早く星導に会いたい、今までの態度を謝りたい、と思いながら教室へと戻る。
が、肝心の星導の姿はそこには無かった。トイレにでも行ったのかと思って待ってみたが、5限が始まっても帰ってこない。そのまま6限も帰りのホームルームも終わり人が教室から流れ始めてもそれは変わらなかった。
……明らかにおかしい。星導はノートをとって真面目に授業を受けるタイプではないが、かといって無断でサボるような奴でもない。薄暗くなってきた空にため息をついて教室を出た。
考えられる選択肢としては保健室……とか?そう思い行ってみるがやはり居ない。2つ分のスクールバッグはさすがに重いが置いていくこともできず、どうするかと考えていれば校舎の最終施錠の時間になってしまった。
無慈悲にも寒空の下に放り出された俺は仕方ないと覚悟を決めて自宅へと帰ることにした。LINEでもしとけばすれ違うことはないだろう。…でもずっと無視したり塩対応してた俺からのLINEなんて見ないかもな……、なんて考えてながら歩いていた時だった。
「久しぶり、なんかしけた顔してるけど調子どうなん?」
聞き覚えのある声に顔をあげた。行儀悪く校門の柱の上にあぐらをかいて座る、風に揺れる赤色まじりの白髪と左右非対称の瞳に思わず顔をしかめそうになる。
「うわ……わざわざなんの用?」
そこにいたのは俺の同期の1人だった。元忍者だとか何とかでかなり腕の立つヤツ。仲が悪い訳では無いしむしろ良い方ではあるが、にやりと口角を上げている顔に嫌な予感がする。
「ボスが言っとったよ。今回の依頼、大手柄らしいやん。」
なんだもう話が回っているのか。それを言うためだけに?と言葉をこぼせば、背中に軽く衝撃が走った。コイツがいるならアイツもいるよなと覚悟して振り返る。
「だから俺たちがお祝いにしに来てあげたってわけ。ね、ご飯行かない?もちろんロウのおごりで!」
黄緑のメッシュに付着した赤色を気にしながら、周りいわく愛嬌たっぷりの笑顔で俺を見る同期の1人。見かけにそぐわないコイツの非道さを知ってる俺からしてみれば飯をたかりに来た輩にしか見えないのだが。
「お前ら奢られに来ただけだろ。……てか依頼終わりのまま来るのやめろよ。久しぶりにこの匂い嗅いだわ…。」
さっきから香る鉄の匂いに嫌悪感が募る。よく見れば髪よりも服に返り血が付いているようだ。しばらく依頼に行かなかったからか、嗅ぎ慣れたはずの匂いの不快感に敏感になってしまった。
「……ロウ、なんか変わった。今までそんなん言ったことなかったやん。」
笑みから一変、じとりと細められた瞳にぎくりとする。その動揺を見逃すほどこいつらは無能じゃない。
「わかってると思うけど、俺らは普通じゃない。……この意味知ってるでしょ?」
その言葉にはっとした。依頼にばかり気を取られていたが、そもそも俺と星導は同じ立場じゃなかったんだ。今まで数え切れない数の人を手にかけてきた俺が、何の罪も背負ってない人間を好きになっていいわけがない。
「……わかってる。いいよ、飯行こう。」
2人はならいいけど、なんて言って歩き始めた。肩にかけていた鞄を下ろし、あまり目立たない校門の端に置く。さっきの言葉で気づいてしまったから、もう学校に行くのは辞めよう。卒業できるかどうかなんて俺の人生には関係ないのだから、もう、全部無かった事にしよう。
「狼!早くー!」
「お腹すいたんだけどー?」
「はいはい今行く………
こちらを振り向いた2人へと目線を動かす。不服そうに唇をとがらせるアイツらに返事をしようとしただけだったのに。
「こや…なぎくん……?」
「星導……。」
2人の少し先に佇む人影。久しぶりに真っ直ぐ見たその顔に己の弱さを再認識する。さっき決めたばっかの決意が、今にも泣きそうな彼の顔を見ただけで簡単に揺らいでしまう。
逃げなきゃと頭では分かっているのに、綺麗な髪が乱れるのも気にせずこちらに走ってくるその姿に俺の身体は言うことを聞かない。いつぶりかに近くで見た顔は記憶よりずっと弱々しくて、それがよりいっそう己の決意をもろくしていく。
「小柳くんこれ、俺の鞄ですよね。最近全然話してくれなかったのになんで…というかどうしてこんな遅くまで学校に?……彼女と帰ったんじゃないんですか…?」
「………は?彼女……?」
畳み掛けられた質問の中でも特に気になった所へ反論を返そうとする。が、それは俺と星導の間を隔てるように分け入った2人によって途切れた。
「もしかして君ー?ロウに変なこと吹き込んでるの。そういうの必要ないから、やめてくれない?」
「なっ…!?」
乾いた笑いとそんな言葉が響く。何か言い返そうと視線を彷徨わせた星導の瞳がある一点を捉えて大きく見開かれた。
「え……これ、血…?」
「見たことないやろ、本物の返り血。生きてる世界が違うんよお前は。僕もコイツも……もちろんロウともな。」
あぁ、やめろ。やめてくれ。星導にだけは知られたくなかったのに。引きつった顔で俺に笑みを向けるその顔が、ウソだと言ってほしいと懇願するその顔が、とっくにズタボロな心臓にさらに追い打ちをかける。
「ごめん……星導。」
やっと声に出せたのはたったこれだけ。肯定としか捉えようのない謝罪で歪んだ表情から目をそらす。これ以上こいつらが余計なことを言う前に、俺を……星導を傷つけてしまう前に、一刻も早くこの場を立ち去りたい。無造作に2人の腕を掴み、呆然とする星導の横を通り過ぎる。
……つもりだった。
「は…!?えっ、ちょっ……!」
ぐらりと引っ張られた身体は歩くことを強制的に促される。俺の腕を強く掴む手とこちらを振り返ることもなく走り出す星導とを交互に見つめてからはっとしたように後ろを振り向く。
殺ろうと思えばすぐにできる余裕か、それとも俺に対する信頼か。2人はこれから何が起きるのかを楽しむようにこちらを見つめていた。
焦る気持ちをかき消すように、二人に対しておい今こそ邪魔しにこいよとか、星導ってこんな足早かったんだお前こそ運動部に入れよとか、そんなどうでもいいことばかりが浮かんでくる。
もう既に施錠されきっているのにも関わらず星導は校舎の方へと向かっている。正面玄関を横切り前に校舎裏へ向かうときに使った錆びた扉へ手をかけた。鈍い悲鳴を上げながら開いたその扉をどれほど恨んだことか。
2人分の階段を駆け上がる音が響く。ここまで来たらもうどこへ向かってるか分かってしまった。まだここまで用務員が回ってきてないのか、それとももともと緩い管理なのか。見慣れた屋上の扉が開くのをぼんやりと見つめた。
「小柳…くん。」
乱れた息を整えることもせず、星導が口を開く。
「……何なんですか、さっきの人たち。小柳くんも小柳くんですよ。あんな手の込んだ演技でも、俺は全然信じてませんからね。」
星導の声は震えていて、俺はその言葉に何も答えられずただ視線を逸した。背後にあるフェンスに後ずさり、冷たい金属の感触を背中に感じる。逃げ場なんてもうないのに、それでも逃げたくて仕方なくてただ黙ったまま俯いた。
己を奮い立たせるように笑っていた星導の顔からだんだんと笑顔が消えて、代わりに躊躇うように視線が動かされる。そしてついに、決心したように口が開かれた。
「……小柳くんは俺のこと、ずっと騙してたんですか?」
核心に触れた言葉が空気を震わせる。星導のゆっくりと伸ばされた腕は俺を捕らえるには十分で、フェンスと星導の板挟みになった俺はやっぱり押し黙ることしかできなかった。
「……ッ!」
沈黙を肯定と捉えたのだろう。がしゃん、とフェンスが音をたてて揺れる。星導が力を込めて強く握ったからだと理解したのはそれから少し後だった。
「お願いします、本当のことを言ってください。」
「……。」
「小柳くんは……俺のこと、嫌いですか?」
その問いに心臓が跳ねる。なんで今そんなこと聞くんだよ。
嫌いなわけがない。嫌いになれたら、どんなに救われていただろう。 嫌いだと嘘をつけたら、どんなに楽だっただろう。殺すべきターゲットとして、ただの「仕事」として割り切れていれば、こんなに苦しくなることもなかったのに。
一度そう思ってしまえばもうポーカーフェイスを気取ることも、黙ってやり過ごすこともできなくなってしまう。もはやこれまでだと悟った俺は、震える唇を噛み切りようやく重い口を開いた。
「……俺は、星導を殺すように依頼されてここに来た。」
今度は星導がただ黙って俺を見つめた。その瞳が何を考えてるか分からなくて、どう思われてるか怖くて仕方なくて、矢継ぎ早に言葉を続ける。
「依頼された通り、精神的に追い詰めてから殺すためにお前に近づいたの。転校してきたのも、仲良くしてたのも、……お前に心を開いたフリしたのも、全部俺の計画ってわけ。まぁ、依頼は取り消されたからもうそれも意味ないんだけど。」
本当は全部が全部、計画だったわけじゃない。でもそれを言う資格は俺には……。ほんの少しの嘘を混ぜた言葉にざわめく心臓は、やっぱり暗殺者失格なのかもしれない。
「さっきのは…俺の同期。アイツらと一緒、俺は暗殺者で今まで何人も、何十人も消してきた。」
何もおかしくないのに乾いた笑い声が喉から絞り出された。情緒の安定しない俺は、星導の肩をつかみぐいぐいと押しながら言葉を続ける。
「……これで全部言った。言ったから、もういいだろ…?二度とお前の前には現れないから。今までのこと全部謝るから。だからもう、……許して。」
掠れた声で呟く。そんなこと言えた身分じゃないのに。どれだけ贖罪を尽くして願ったって、こんな俺が許されていいはずがないのに。
「……許しません。」
「……うん。」
「俺は絶対許しませんから。」
はっきりと告げられた言葉に分かっていたはずなのに心がずんと重くなる。ゆっくりと伸ばされた手が俺の頬に触れて、顔を上げて視線を合わせるように促された。
「俺ね、なんとなく気づいてたんですよ。小柳くんが何か隠してるの。だからここで、屋上でちょっと利用してからかってからいつもみたいに適当にあしらうつもりだった。」
ゆっくりと発せられた声は、言葉とは裏腹に全てを許してくれそうな優しさを含んでいた。少し遠くを見つめる瞳はその時のことを思い出しているように細められる。ふと交わった視線が溶けて、外気に触れてるはずなのに顔が熱くなった。
「なのにさ、いざからかったらあんなにかわいい顔されて。……全部どうでもよくなっちゃったんですよ。小柳くんのこと、本当にお気に入りになっちゃった。」
緩んだ表情で俺を見つめる星導に、なんでそんな顔してんだよなんて思う。俺はお前を騙してたのに。依頼が取り消されなければ俺は、お前のことを殺していたのに……。
「ねぇ小柳くん。」
甘ったるい声と愛おしげにほほ笑む表情。これから言われることに勘づいてしまい阻止するべく手を伸ばすが……もう手遅れだった。
「好きだよ。」
心のどこかで渇望した、それと同時に恐れていた言葉。はくはくと自分の意志とは関係なく震える唇を噛みしめる。
「俺は……お前の横に並べるような人間じゃないから…。」
必死に断る言い訳を並べる脳とは反対に、口から発せられたのはたったこれだけ。星導は何も悪くない。俺が、俺の生きてきた世界が、全部悪いんだ。
頬に添えられた星導の手がぴくりと震える。ためらうような吐息が幾度か繰り返された後、ゆっくりと言葉が零された。
「小柳くんが思うほど、俺は善良な人間じゃないよ。だって暗殺者に依頼されちゃうくらいですから。」
「……多分、たくさんの人を傷つけてきたんだと思います。それすらも覚えてない俺の方が最低でしょ?」
そう言われると確かに否定できない。出会いのきっかけは星導にも若干の非がある逆恨みだった。だが、それでもやっぱり俺なんかとは比べものにならない。
「でも……」
「今だってそう。俺は絶対小柳くんのこと許してあげない。……だからずっと俺で苦しんで、ずっと俺のことだけ考えて、一生そばにいてくれたらいいな、なんて考えてるんだよ?」
言葉を遮り告げられた思いに背筋がぞくりとする。頬の手を退けて距離をとろうとすればそれは簡単に絡め取られ、今度は俺の手ごと星導の頬へと誘導された。
「小柳くんは俺のこと好きじゃないの?」
……嫌な聞き方。その問いは、俺の思考を麻痺させるには十分すぎた。頬に触れる星導の肌は驚くほど熱く、俺の手を拘束する指先には、逃がさないと言わんばかりに力が籠っている。
「お前ってほんと、……ずるい。」
ようやく絞り出した声は、情けないほどに震えていた。こんなザマでも今だ俺は暗殺者だなんて、自分でも笑ってしまうほど滑稽だ。
「好きだよ。……嫌いになれるわけ、ないだろ…?」
俺の答えに星導はへにゃりと頬を緩ませた。じっとりと確かな執着が覗くその瞳に恐怖を感じる。が、それ以上の安堵を覚えてしまっているのは、もう俺が手遅れだという証拠だろう。
「あはは!嬉しい……相思相愛ですね。」
俺の手に自分の顔をすり寄せ愛おしそうに目を細めるその姿に、一瞬未来への不安や過去への後悔を全て忘れるところだった。
「でも俺が組織に属してる以上、ずっと一緒てのは無理だ。それこそ俺もお前も……2人とも消される。」
そう。腐っても裏社会の人間である俺が、簡単に普通の生活に戻れるわけがないのだ。そう告げると、星導は神妙な面持ちで何か考え始めた。そして、
「暗殺って、何年後まで依頼できるんですか?」
「…………へっ?」
なんて言った。いつか聞いた覚えのある言葉に再び間抜けな声が漏れる。以前と違うのは相手が妥協案として具体的な期間を提示してこないこと。星導はじっと、俺の答えを待つばかりだった。
「いや、特に規定はないから……事実上は何年先でも可能なはずだけど…。」
そこまで言ってはっとした。それと同時に、にやりと口角を上げた星導に嫌な予感がする。
「じゃあ俺が小柳くんに暗殺の依頼をします。これまでと同様、『星導ショウ』をターゲットに!期限はそうですね……俺が満足するまで、とか?」
いつになく楽しそうな星導に持ちかけられたのは最悪で、とびきり最高な提案。馬鹿げてる。そんなの上手くいくわけがない。頭のどこかではそう分かっているのに高鳴る鼓動は抑えられない。
「いくらかかると思ってんだよ。多分、0が9つあっても足りないだろうな……。」
「もちろんそこまで考えてますよ。もし、依頼のお金を用意できなかったら……」
続きを促すように目を合わせる。星導はわざとらしく一拍おいてから、無邪気に笑って言った。
「2人で地獄までハネムーンですね。」
狂った提案だ。組織を欺いて終わりのない暗殺ごっこに身を投じるなんて、一歩間違えれば一瞬で壊れてしまう脆いものでしかない。……でも、そんな日常をこいつとなら過ごしてもいいと思ってしまう俺も大概だな。
「いいじゃん。俺の人生ぜんぶ、お前にあげる。」
そう言い終わるのと唇が重なるのとどちらが先だっただろう。前にさんざんからかってきた癖に、こいつ目閉じてないじゃん。ゆっくりと離れる感触に少しの寂しさを覚えながらも、ここぞとばかりに口を開く。
「目開けんなよ。ムード台無し、なんだろ?」
「そっちこそ。相変わらず目ガン開きなのによく言いますよ。」
しばらく見つめ合った後、どちらからともなく笑い声が漏れた。しばらく笑い合ってから思い出したかのように星導が呟く。
「これからどうします?まずはどうやって依頼するか考えなきゃですかね?」
「それもあるけど……ひとまず、アイツらを巻くことからやね。」
確かに!なんて言って星導は俺の手を取る。その温もりが心地よくて、離さないようにしっかりと握り返した。
「じゃあ行こっか、小柳くん!」
どうしようもなく歪で。人間として最低最悪で。
そして、世界で一番幸せな逃避行の幕開けだ。
スクロールありがとうございました。
更新の期間が空いてしまいすみません…🙇♀
この話はこれにて完結です…!
レポートもテストも全部終わったので復活しました!これからはまたぼちぼち投稿していこうと思います。
コメント
2件
すっごくよかったです…🥹💗陰ながら楽しみにしておりました☺️🙌🏻