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取り敢えず誰かと接触しなければと優は考える。
そして思考する。
この家からは出られない。
食事も玲が運んでくる?
いやそれはない。
玲には学校がある。
食事の時間、使用人と接触しよう。
と考える。
こうも考える、食事まで時間がある。
状況整理と運動をしておこう。
脱走のとき追い抜かれたから大変だ。
腹筋をしながら優は状況整理にかかる。
まず、単独での脱走は困難。
外部への接触が必須なのだ。
そのために仮設として考えた昼食を使用人が運んでくる説に賭けて待つことにしたのだ。
でも、脱走したとしてどう生きようか。
親や友人には頼れない。
そこで考えたのが年下の友人、如月飛翔だ。
中学時代同じ部活なのもあって仲が良かったのだ。
今は引っ越して別の県に行ってしまったが、それも目隠しになる。
脱走できたら、事情を説明して協力してもらおう。
と、昼食がやってきたようだ。
若く見える女性が運んで来てくれた。
哀れそうな視線を送った。
狙いめだと思って話しかけようとしたが慌てて去っていく。
「話して…くれないか。」
お茶碗を持つと手紙が見えた
表紙には「監視カメラ。 トイレで見て」と書かれてある。
急いでご飯を食べ、トイレに向かう。
するとそこには
「優さんへ
私にはあなたと同じぐらいの娘がいます。
あなたを連れてきたとき私は娘と重ね助けたいと思いました。
表だって動いたら消されてしまうので、陰ながらサポートさせていただきます。
愛川ひよりより」
優は思わず涙が出た。
こんな自身を助けてくれる人がいるなんてと思う。
そして助けてくれる人のため、なんとしてもここから出ねばと思う。
蜘蛛の糸は垂らされた。
たとえそれが彼女の手のひらの上の出来事だとしても。