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「時間が過ぎる」
時間が急速に進む
中学三年生
みんなはもう進路が決まっていて
どこもかしこもどこの高校に行くかとか、
高校生になったらとか…そういうのばかり
時間が過ぎるにつれてそれを考えるのは必然だと思う
放課後
屋上で雲のある空を見上げる
屋上は誰もいなくて落ち着くが、
雲の流れで時間が進んでるのを実感する。
屋上で出会った男女が恋に落ちるという話を読んでからここに入り浸っている
でもそんな展開はなくて
屋上なんて誰一人来ない。
私がこんな性格になってしまったのは
こういう性格じゃなければ生きられなかったからかもしれない。
馬鹿なふりをしていたらいつのまにか本当に馬鹿になったと気づいたのは小学6年生の頃だった。馬鹿な人ほど扱いやすいのは当たり前で
そうなるように物事を進めた。
だけどそれが今では自分の首を閉めているなんて…
と思うが、もし真面目なキャラでいったら
運命は変わったのかも…なんて考えてもつまらないだけ。分からないことを考えて楽しいのはロマンがあるものだけ…だと思う。
なんて自分で言ってて正直恥ずかしくなる
さらに感情が追い打ちをかけてくる。
「始まりと終わりってなんだと思う?」
誰かにとっての終わりでも私にとっての始まりかもしれない
チクシュルーブ衝突なんていい例だと思う
何かにとっては生命の終わりでも
何かにとってはそこから始まりもあるのだから
「そ、そうだ!!今から始まりなんだ」
「まだまだ成長できる!」
と今にも羽ばたきそうな勢いで天を見る
そこには、なにも知らない顔をした雲が蠢いていた
また現実に戻る
考えれば考えるほど
頭が痛くなり吐きそうになる
“こういう時”どうして普通の家庭に生まれたんだろうと思う。
もし、地獄みたいな家庭に生まれてこれば
悲劇のヒロインにでもなって
これを理由に現実逃避できるのにな。なんて申し訳ないことを考えた。
世の中言ってはいけないことは沢山あるけど
思っちゃダメなことは無い。けど今は言ってはいけないことを言った気がする。
何百年前とは生きたことないけど
昔と比べて言っちゃダメなことが多くなってきたと思う。
また話の論点がズレた。
今は高校に行けるかどうかの話だ
結局は勉強出来ません。
でもどこかしらの高校には行きたいです
というわがままに過ぎないのかもしれない
もうどうにでもなれと
鉄格子のない屋上の端を渡った。
ここから右に落ちたらしぬ
高所恐怖症の私は汗を垂らしていた。
足元が揺れる中
はぁはぁっと興奮交じりの声が漏れる。
この死ぬか生きるかの栄目で興奮するのは私の性癖
それと、今の状況これ以上のことは考えられなくてとても良い現実逃避になった。
そうしてどんっと左側に倒れた。
すっごい痛かったけど
興奮と安堵で息が出来なくなった。
「は〜…もう帰ろう」
と言いリュックを取った。
真っ赤な空を見上げる
そして今日も
時間が過ぎる