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夕飯を終え、部屋に戻った咲はベッドに腰を下ろした。
買い物帰りの道で交わした何気ない言葉が、頭から離れない。
――好きなやつとか、いるのか?
思い出すだけで胸が熱くなり、枕に顔を埋めた。
「……何考えてるんだろ、私」
悠真の表情。
いつも通りに見えて、どこか探るようなまなざしだった気がする。
――“妹ちゃん”として聞かれたはずなのに。
どうしてあんなにドキドキしたんだろう。
静かな夜。
窓の外から聞こえる風の音に混じって、自分の心臓の音がやけに大きく響いていた。