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  #  2 × 3


  本人には一切関係ありません




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  浜辺から見える海はキラキラと輝いていて、とても爽やかな風がとても心地よい。

  目の前には、サンダルを脱ぎ、ぴちゃぴちゃと足を濡らして楽しそうに遊んでいる。



  2  「  しょーさんもこっち来てよ! 」


  先程まで 彼に頼まれ サイダー を 買いに行っていた。 そんな俺に 気がついたのか 、 手招きを して 俺を呼ぶ 。


  3  「 ちょっと 待って 」


  そう言って、 いむくんのほうへ 歩いて 彼の 方へ 駆け寄った。


  バシャッ


  3  「 冷た ッ !? 」


  2  「 へへ〜ん 」


  驚いた 俺を 見て、 楽しそうに 笑う いむくん に カチン と なり、 いむくんの 顔面 目掛けて  海水を かけてやった 。


  2  「 ぎゃッ!目がァ!! 」


  3  「 ふははははッ 」


  海水なので 顔面に海水を 掛けられたら 目が 痛くなるはずだ。

  いむくんが 痛がってる所を 悪意 丸出し で 笑ってやった。


  2  「 も〜… 」


  3  「 さすがに やり過ぎたわ ごめんな? 」


  2  「 まぁ ? 許してあげてもいーよ 」


  3  「 ありがとぉ 」


  2  「 あ!ねぇこれあげる 」


  突然 思い出したかのように 持っていたかばんの中を漁り出す 。


  そして、見つけたのか かばんの 中 から 手を 抜き 、俺の方へ 見せてくれた 。


  2  「 キーホルダー!可愛くない? 」


  そうって見せてくれたのは 、 ゆっるっとした兎のキーホルダーだった。


  3  「 うさぎやん ! 可愛ええ〜!! 」


  3  「 ホンマに 貰ってええの? 」


  2  「 うん。しょーちゃんは水色の兎で僕は紫の兎ね! 」


  3  「 えーありがとぉ! 」


  貰った兎のキーホルダーを手に取る。本当に本当に嬉しくて、お礼をもう一回してキーホルダーを落とさないよう握りしめた。





  いむくんが亡くなったと聞かされたのはつい最近のこと。


  どうやら 、 飲酒運転をした車に 跳ねられてしまったそうだ。


「 可哀想 、 まだ若いのにねぇ… 」


  みなはそういった。



  大切な人を 失うって これほど 辛いのか 、 と そう 改めて 実感する。


  まさか 自分 の 身近で そんなこと 起こると思っていなかったから 。


  それから 何事も なかったかの ような平凡な 日々が 続き 、 気づけば 1年 が たっていた 。 最初は 哀れんでいた クラスのみんなも 次第に 元気を取り戻し、もう誰も いむくんの 話なんてしなくなった。


  みんな  は  現実を 受け入れ始めたんだ 。

  それなのに 俺だけは 違った 。

嫌なほど 前に 進んで行く この現実に 嫌になってきた。







  煩いほど 鳴り響く 車の ブレーキ音 。 ゴンッ と 物凄く大きな 何かが 衝突 を したような 音を 経て 、俺は 地面へと 倒れた 。


  痛い とも 何も感じない 。


  その瞬間  自分 は 死ぬんだと 実感した 。





  その日 1人の 少年が 無くなった 。


  少年の手には 、 水色の 血濡れた 兎のキーホルダー が 握られていた 。





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救いのない  お話を 書くのは 得意です 。


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