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ある日、僕と長尾先輩は共同任務に出ていた。
長尾「なぁ、蒼空はなんで祓魔師になったんだ?お前の知能なら他の道も十分にあっただろ」
「えぇ?なんですか、急に。別に特に理由なんてないですよ」
長尾「理由ないの!?え……まじ?それなら尚更祓魔師なんて選ぶんじゃなかったよ、お前は」
「…僕が弱いからですか?」
長尾「いやいや、そんな顔すんなよwそうじゃなくて、お前は志も高いだろ?誰かを救うことを目標にするなら、お前は祓魔師よりも研究者とか官吏とかの方が向いてるよ。祓魔師は仲間も失いやすい。だからこそだよ」
つくづく狡い先輩だ。僕を死の危険から遠ざけたがる。でも、僕の目標は先輩の言葉一つでは崩れない。
「僕は祓魔師で良かったと思ってますよ。こうして先輩にも会えますし、何より自分が強くなったり弱くなったことを実感できる。僕はそういうの好きなんです」
長尾「なるほどなー。まぁ、お前は大丈夫か 」
そんなことを話しながら僕たちは目的地に着いた。
魔を祓った後、俺は返り血を微塵も気にしていない様子の蒼空に訊ねた。
「お前って生まれも育ちも桜魔なのか?」
蒼空は怪訝そうな顔をしてこちらを見つめてくる。
蒼空「本当、今日どうしたんですか」
「気になったこと聞いたっていいだろ」
蒼空「いやそうですけど……」
「それで、どうなんだ? 」
俺は髪を結いながら聞き直す。
蒼空「そうですよ、僕は今まで桜魔にしか居たことがありません。長尾先輩達は確か…」
「俺らは生まれはここだけど、今は行き来してるって感じだな」
蒼空「へぇ……すごいですね」
「なにがだよw」
俺は蒼空の少し前を歩きながら、ある決意を固めた。