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とある日の昼下がり、俺の家に遊びに来ていた雨栗に声をかける。
「なぁなぁ、ゲームやんねぇ?」
雨栗はいいよ、と返事をして俺の隣の椅子に座る。コントローラーを手渡し、数戦してからとある提案をした。
「次の勝負で負けた方が買った方の言うこと聞くとかどうよ」
「いいじゃん、絶対負けないからね」
雨栗が乗ってくるであろうことは想定済みだ。俺にはとある大きな目的がある。雨栗に猫耳メイド服を着せたい!まぁ普通に頼んだところで断られるのは目に見えているし、俺だってそんなアホじゃない。雨栗が約束を反故にするような奴では無いことはよく分かっている。だからこの勝負に勝てば俺はほぼ確実に雨栗に着させることが出来るのだ。
「こめしょー何にやにやしてんの?」
「え、にやにやしてた?」
「うん、めっちゃ」
どうやら顔に出てしまっていたらしい。頭を軽く降って、気持ちを切替える。俺は必ずこの勝負に勝たなければならない。
「よっしゃー!!」
「マジかぁ、、」
両腕を高くあげて喜びを噛み締める俺とは対照的に雨栗はがっくりと肩を落とす。
「はぁ、、で?私は何したらいいの」
「ふっふっふ、そんなに焦るんじゃあないよ」
「何そのキャラ」
「それではこれを着てきたまえ」
猫耳メイド服の入った袋を渡し、雨栗を寝室に押し込む。少しして雨栗の叫び声が聞こえてくる。どたどたと走りながら俺のところにやってきてメイド服を持ち、俺に詰め寄る。
「ちょっと何なのこれ!?」
「何ってこれから雨栗が着るものだけど?」
「絶対嫌なんだけど!」
「でも負けたら言うこと聞くって約束だろ」
「うっ、、」
「あれあれー?雨栗ちゃんは約束破るのかな〜?」
「あーもうわかった!着ればいいんでしょ!」
かなりやけくそだったが何とか来て貰えそうだ。雨栗は大きなため息をついて寝室へと戻っていく。
「…着たよー」
着替え終わった雨栗に呼ばれ、寝室に向かう。扉を開けるとベットの上に顔を真っ赤にして座る、猫耳メイド姿の雨栗がいた。俺はあまりの破壊力にその場に崩れ落ちた。
「こめしょー!?」
「めっちゃ似合ってる、、」
「全然嬉しくないんだけど」
ベットに座り、改めて雨栗を見る。履きなれないスカートが恥ずかしいのか俺から視線を逸らしながらスカートの裾をぎゅっと握っている。
「やばいマジで可愛いほんとに神結婚したっ、」
「うるさいもう喋んないで!」
雨栗に口を塞がれる。全部本当のことなのに。雨栗は華奢で色白だからこういう服も良く似合う。もしかしたら女の子よりかわいいかも。
「着替えるからこめしょー出てって」
「はぁ?」
何を言ってるんだこいつは。思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
「だってもう着たんだからこれで終わりでしょ」
「いや、するに決まってんじゃん?」
「まだ昼間なんだけど!?」
「雨栗がそんな格好してんのが悪い」
「こめしょーに着させられたんだけど??」
ぎゃーぎゃーとうるさい口を塞いでやれば、次第に声が弱まる。
「ほんっと嫌い、、!」
「とてもそんな顔には見えねぇけどな?」
雨栗に睨まれるが涙目で顔を真っ赤にしながらでは全く怖くない。このツンデレ猫ちゃんが素直になるまで飛びっきりの愛を注いでやりますか。