妖はじ 夢
× 二次創作です苦手な方はUターン
× 誤字 脱字がある場合教えてください訂正します
× 13巻以降のネタバレあり
学園長が夢ちゃんを呑みに誘って酔った勢いで告白する話
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書類を編集しているパソコンから目を離し、窓を見る。山々に隠れながら沈んでいく太陽に目を奪われる。
「うわぁ…超綺麗!」
「残業とか忘れてあの太陽見ながら酒飲みたい!!! 」
誰もいない職員室でとてつもなく大きい独り言を吐く。これ誰かに聞かれたらめちゃくちゃ恥ずかしいやつ。
『10分も経ってる頃には日が完全に沈んでるのでお酒は飲めないですね』
現実を見せてくる発言をしながらぬらりと現れる学園長こと蘆屋道満。夜中に出てきたら子供泣き出すってば。
「どっかの誰かさんのせいなんだけどな〜」
『仕事を溜め込んだあなたが悪いでしょう?』
「ご最もでございます」
再びパソコンに目を向けポチポチとキーボードを打つ。正直もう手が疲れてきた。休ませてよ後ろで監視しないでよ、そのだっさい翁面割ってやろうか。
『そんなに呑みたいのでしたら一緒にどうです?』
「へ?まじで?」
『まじですよ』
「奢ってくれる?」
『今回だけですからね!』
「ひゃー!!学園長太っ腹〜!!」
「丁度終わったんで帰る準備しますね!少々お待ちを!」
『普段からそのように動いて欲しいものですよ』
呆れられた気がするが気の所為ってことにしよう。帰る準備をテキパキと済ませ、学園長の元へ駆け寄る。
「帰る準備終わったので早速行きましょ〜!」
「私いつものあの店がいいなー!1番美味しい!」
『貴方本当にあの店好きですよね、外食行く時いつもあそこじゃないですか?』
「それぐらい美味しいってこと!早く行くよ!」
学園長、道満の腕を引いて小走りで向かう。待って、今の私大胆な行動してるよね、咄嗟にしてしまったけど内心焦りまくりなんですけど?今絶対顔赤いよ。見られてないよね。流石に。
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「はぁ〜!!やっぱりハイボールが1番!」
『もう少し女性らしくしてみてはどうです?』
「そんなこと言われても…職場ではちゃんと女の子してるよ」
『私からしたらそう見えないですけどね』
「ひっどい上司〜部下に対して毒を吐くなんて〜」
『酔うの早すぎません?』
「酔ってないよ、シラフなだけ。あと、別に今は学園長サマ気取りしなくていいのよ?普段の道満を見せてよ」
『はぁ…まぁ今夜ぐらい私も呑みまくりますかね』
「おっ!じゃあこの酒いいよ〜!値はちょいと張るけど」
『お前が飲みたいだけだろ、まぁいいけどよ』
「さっすが道満ー!!!」
何ヶ月も前から世話になってると思ってるんだ、この店の酒の味くらい全部覚えたっつーの。私を舐めるなよ。
なんて言い放ってやりたいがなんだかんだいって頼んでくれるの優しいよね。そーゆーとこに惚れたんだよ。この言葉も口から出ればいいのに。いややっぱり出て欲しくないかも。恥ずかしすぎて心臓ちぎれちゃう。
『どうしましたか?黙り込んで』
「うわあ?!」
冷たい酒が頬に触れる。冷たすぎるよ。君の私に対する対応も。
「いやぁー案外道満って優しいよねって思ってただけ」
『急にも程があるだろ…』
「でも本当のことでしょ」
「うだうだ言いながら蘭丸さんを食事に連れてったりしてる癖に」
『なんでその事知ってんだよ』
「本人から聞いた!」
『あの烏後で焼き鳥にしてやる』
「そんなに怒る?…もしかして酔った?」
『あぁ?酔ってねぇよ』
こりゃ酔ってんな。
そういえば道満にお勧めした酒って結構度数高かったような…しかもかなり飲んでるよこの人。こりゃ家まで送ってやんなきゃな。
『…なぁ、お前って好きな人とかいんの?』
「え?!なになに急に恋バナ?!いきなり話題変えないでよ」
『聞いてるんだけど』
「え、えと…いないよいい人見つかんなくって」
『ふーん…』
冗談。咄嗟に嘘ついちゃった。私の好きな人は今隣にいる人なんだよ。隠したくて隠してるわけじゃない、それを言う勇気がないだけなの。あと机に頬置いてこっちみてくるのあざとすぎるよ。
『…私はずっと前からあなたの事が好きなのに』
「え」
『私なりにアプローチしてたつもりなんですよ?何回かご飯誘ってみたりプレゼント送ってみたり、まさか気づかなかったとでも言うんです?』
確かに何度かあった。ご飯に誘われることはかなり多く、プレゼントは月1で貰うほどだ。でもあれは全て機嫌が良かったからではなく、アプローチだったということ?友達という関係とは言えど月1でプレゼントを貰うことはない。道満だけがしていたこと。初めからよくよく考えていれば良かった、そしたらもっと早く気づけたのに。
「気づきませんでした…」
『鈍感すぎるにも程がある』
「ごめんてば…」
『(名前)さん』
先程まで机に頬杖をついていたのに気がついたらこちらに近づいてきていた。なんなら抱き寄せてきてるよこの人。私がちょっと視線を逸らしている間にこんなに近寄るなんて。こっちのことも考えて欲しいよ。
『貴方が好きです、ずっと、前から』
『私の事が好きじゃないとか、もしかしたら誰を想ってるとか、そんなことどうでもいいです、無理やりこっちを向かせてやる』
『だから、絶対に置いていくなよ』
捨て台詞を吐いた上に私に抱きついたまま寝たよこの阿呆。でも寝てくれて助かったかも。
「…置いて行くわけないし、勘違いしてるし、私の想ってる人はずっと前からあんただっての」
道満の肩に顔を埋める。暫くはこのままで居よう、動けないし、動く気力もないよ。
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120人も見てくださるなんて光栄すぎます😭
2話の方も40人ありがとうございます!🙏
リクエストOKなのでじゃんじゃん下さい!!
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