テラーノベル
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陸の世界に憧れた少女は旅に出る。
海にはない食べ物や景色。
陸に来てしばらく経ったある日、少女はとある生き物と出会う。
「えぇっと…この生き物は、犬…?猫…? 」
思い出せ、思い出せと頭の中で強く念じるがそんな都合のいいことは起きずさらにこの生き物に対する謎が深まるばかりだった。
「よし…きめた。きみは、犬だ。」
普通の人間の視点から考えれば360°何処からどう見ても猫なのだが落ち着いてほしい、彼女は、陸に来てようやく2年経ったばかりなのだ。
海の中で何年生きていようが、彼女は陸では赤子レベル。
2歳なのだ。
そしてその結果、少女はその生き物を犬と考えることにした。
「ふわふわだ…」
「にゃ〜」
にゃ〜と鳴く世にも珍しい犬に彼女はすっかり虜になってしまった。
「フフッ」
しばらく撫でていたが、猫…失敬、犬にも生活があるのだろう立ち上がり何処かに行ってしまった。
「あっ…いっちゃった…」
少女は残念そうにその犬の背を見送る。
ふと、少女は近くに金色の輪っかが落ちていることに気がつく。さっきの犬が落としたのだろうか…後になって知ったが、まだこの少女には交番という存在が頭の何処にも無かった。
話を戻し、陸に来てから2年目の頭でこの金ピカの輪っかの使い方は何か考える。
「うーん… 」
少女は陸に来てから身につけた顎に指を当てて考えるポーズをしてみる。彼女が陸に来て見た”まんが”というものには、事件を解決するとき賢い人間はこのポーズをするという傾向があると最近になって知った。
しばらく考えたが一向に答えは分からない。
やはり何か他に条件があるのだろうか…
次はさらに眼鏡と首につける赤いリボン(蝶ネクタイ)も用意しようと少女は決める。
日が暮れて、カラスが鳴く頃…
少女の腹の虫も鳴き始める。
「お腹へった。」
少女は家に帰ろうと歩き始める。
と、前からきた綺麗な人間が指に嵌めているものに気が付いた。
「あ…!」
「えっ?」
いきなりのことに驚いた人間。
目の前には何やら興奮気味な少女が。
「あ、あの?どうなさいました?」
親切な人間は戸惑いつつ、少女に何用か尋ねる。
「その、わっか…何に使うの?」
「わ、わっか?あぁ…この指輪ですか、これは指に嵌めておしゃれとかに使うんです。」
親切な人間は陸2年目の少女でも分かる説明をしてくれた。
「そうなんだ、ありがとう。」
使い方が分かった少女はスッキリしたのか嬉しそうに家の道を進んで行く。
[…?]
家に帰った少女は居ても立ってもいられず、すぐさま5本の指の中から嵌める指を選ぶと恐る恐る指に指輪を通す。
と、突然少女を眠気が襲う。
目を開けるとそこは辺り一面真っ暗だった。
そして目の前には黒い…犬が。
「人はみんな心に闇を抱えながら生きている。貴女に彼らを救って欲しいの__お願い、彼らが貴女を待ってる。」
「え…?」
何が何だかさっぱりだった少女は話の内容が全く理解出来ない。
そして、今度は誰かが呼ぶ声で目が覚める。
「おはようございます。主様」
コメント
1件
読了しました!海から来たばかりで、猫を「犬」と命名する無邪気な発想がすごく可愛いですね。金色の輪っかを指輪と知らずに持ち帰るのも、まだ陸のルールに馴染めていない感じが愛おしい。最後の「主様」で急に世界が広がる感じ、続きが気になります🌷
なっちゃん
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