ホームホラーミステリー青春恋愛ドラマファンタジー
「第2話 追」のメインビジュアル

第2話 追

2

203

2022年06月16日

作品ページ作品ページ
#ドズル社#ぼんじゅうる#ドズル
こののこ🌟

こののこ🌟

🦍視点




夜明けまでまだ時間があった。

もう少しだけ、頑張って、もっともっと。

メンバーのためにも……



「……、お仕事?」



どうやら起こしてしまったみたいだ。

暗い部屋にパソコンのブルーライトは眩しかったかな、と反省する。



「…………あれ、ぼんさん、起こしちゃいましたか?」



「んー……目、覚めちゃった。」


「……そうですか、まだ4時なんで、寝てて大丈夫ですよ。」



気を使ってくれたんだろうか。理由は話してくれなかった。

多分起こしてしまったのは自分のせいだ。

でも今しかやる時はないし。



「……ドズさんは、寝なくて、いいんですか?」



寝起きの回らない舌で必死に喋っている姿が愛らしい。





「大丈夫ですよ。今次の企画やら編集やらやってるんで。」


「でも……」


「大丈夫ですよ。ぼんさんはゆっくり寝ててください。」




酷く眠そうな目をしているのに僕の心配をしてくれる。

あなたの優しさは底なし。

僕とは大違いだ、なんて考えてしまって。

自分の表情が曇ったのが鏡を見なくてもわかった。

企画やら、っていうのは本当は少し嘘で。

エゴサーチをしては数千の褒め言葉や励ましより、

たった十数個の心無い言葉に目を向けてしまって……っていうのが現状。

貴方にはひみつ。





部屋がまた静かになった。

あなたはもう眠りについたかな。


カタカタ、タンッ。


パソコンのキーボードの単調な音が部屋に静かに響く。

自分が嫌になりながらパソコンのキーボードを鳴らし続けて……

何分ぐらいたったかな。




「ドズさん、」




少し震えたあなたの声。




「、どうしました?」




なるべく笑って。

さっきまでの曇った表情はどこかに無理やり詰め込んで。

あなたには見せない。見せたくない。

きっと心配するでしょう?






「うぅ……ひゅっ、うっ……うぇ、うっ……」





何を話すのかな、と思ったら

声を押し殺すように感情をこぼして、僕に抱きついてきた。

僕の気持ちが、バレちゃってるのかな。

消えようとしてるの、伝わっちゃったかな。




「どうしたんですか?、怖い夢でも見ましたか?、ふふ」




いつも動画で話すように茶化してみる。

笑って、なるべく笑って。

あなたが好きだと言ってくれた笑顔で、微笑んでっ……

そうでもしなきゃ、もらい泣きしてしまいそう。






「ずっと、離れないで、……ひゅっ、うぅ……っ」






ああ、伝わっちゃったのか。

僕のこの誰にも言わなかったはずの気持ちが。

バレちゃいましたか、ぼんさん。

先月同じように言われていれば、いつも通りに

「もちろん。ずっと一緒ですよ。」って言えたんですけどね。

今言ったらそれはもう立派な「嘘」になっちゃうから。

あなたにはなるべく嘘はつきたくないの。

この気持ち以外では、ね。



「……、」



返す言葉がなくて、また無理やり口角を釣り上げる。


上手く笑えてるかな。


この気持ちは、バレてしまってないかな。


貴方に心配は………もうかけちゃってるね。


自分の心の中を見られてしまったと同時に。














僕のあとを追おうとしている貴方の心が透けて見えてしまった______________________

次の話

第3話  別

ノベル

3

第3話 別

2022年06月20日

403

コメント

5

愛してます(は?
好きです、←
神ですね…
こののこ🌟

こののこ🌟

プロフィール

前後に投稿された作品

( ˙-˙ )