クリスマスに投稿したものなのでクリスマスもの
季節感がおかしいです
「へ、へぇ~。似合ってんね、アルケー」
クリスマス妊娠という言葉がある。クリスマスの特別感とアルコールによって箍が外れて、勢いに任せて交わり妊娠してしまう一連の流れを指す。
何故こんな事を言ったのかというと、恋人と過ごすクリスマスの夜に、セックスする以外の選択肢は存在しないからだ。
選択できるのはどのようなセックスをするか。彼ら彼女らは避妊無しのセックスを選んだ訳だ。その結果が二人にとって良かったのか悪かったかは、ここでは考慮しない事とする。
俺達が選んだのはコスプレセックスだった。ここまでセックスを連呼していて申し訳ないが、おそらくあと二、三回は言うと思う。
きっかけは一週間ほど前だった。今日同様アルケーの家を訪れ身体を重ねて。どちらが言い出したのかは覚えていないがクリスマスの話になった。グループでのオフコラボの後一緒に過ごす事、そしてセックスをする事は相談せずとも確定事項だったが、一年に一度のクリスマスだ、せっかくなら有意義に過ごしたい。
正直に言うと、大分駄々をこねた。羞恥心などかなぐり捨てて喚き散らした。プライドなんて必要なかった。
案外俺に甘いアルケーは思案の末に渋々承諾してくれて、斯くして、俺はコスプレ甘々セックスの権利を獲得した。それから今日までの一週間は天国であり地獄だった。コスプレをする条件として、アルケーが衣装を選ぶ事になっていたのだ。王道のサンタだろうか、猫耳とかつけてほしいし、いや意外にもナース服とかかもしれない。
コスプレをしたアルケーをこの目で見る事ができるのは天にものぼる心地だったが、七日間は長かった。
そして、今日。地獄を耐え抜き、とうとうクリスマス。風呂を済ませ、ベッドでそわそわとしながら恋人を待っていた。俺のものはもう勃っていて、いまさら羞恥に襲われた。
「かなめ、入っていいか」
アルケーの、恥じらいを含んだ小さな声が聞こえた。動揺を抑えつけ、平静を装って返事をする。入ってきたのは──
ブラックサンタの衣装に身を包んだ、アルケーだった。ブラックサンタとは、悪い子どもを懲らしめるサンタの事だ。プレゼントを配り歩くサンタクロースより、確かにアルケーらしい。
「へ、へぇ~。似合ってんね、アルケー」
そうして冒頭に戻る。
黒を基調としたサンタ衣装は、アルケーにとても似合っていた。胸元で結ばれた蝶リボン、ボタンを模した雪のようなファー。白い肌を覆い隠す長袖がまた情欲を煽った。対して下半身は膝より上のミニスカート。そこから伸びる男の脚はミスマッチで、だからこそ、言ってしまえば興奮した。こいつ、自分の可愛さを完璧に理解している。
「ふふっ、興奮隠せてないぞ」
アルケーは俺の動揺を見抜き、勝ち誇ったように笑った。
「今日の俺はブラックサンタだからな、悪い子のかなめにはお仕置きだ♡」
アルケーはそう言って俺を押し倒した。
「ご、ごめんなしゃい♡調子にのってまひた♡♡」
俺がアルケーのナカを突く度、彼は甘い声で謝罪をした。余裕の笑みを湛えていた顔は涙と涎でぐちゃぐちゃで、黒と灰色のオッドアイはハートマークが浮かんでいると錯覚するほど蕩けている。
最初こそアルケーが主導権を握っていたが、ディープキスをして、ナカを解す頃には形勢はすっかり逆転していた。スカートを捲って挿入すると、アルケーはたちまち白旗を上げた。
「アルケー、悪い子でごめんなさいは?」
そう問いかけると、アルケーは時間をかけて俺の言葉を理解し、また頬を赤く染めた。
「ほら、言いなよアルケー」
動かしていた腰を止め、そう促す。アルケーは一瞬ためらうと、口を開いた。
「…わるいこでごめんなさい♡思い上がってごめんなさい♡
わるいこだから、かなめがお仕置きして♡♡」
「っ、アルケー、もう、っ!」
脳が焼き切れるような蠱惑的な言葉。もう少し焦らそうと思っていたのに、限界だった。
彼の小さな身体に一心不乱に腰を振った。
「あ♡あ♡あっ♡だめだ、かなめ♡♡はぁっ、あぅ♡ごめんにゃさい、とまっへ♡」
普段の落ち着いた声音とは違う、高い声。きっと俺しか聞いた事のない声だ。愛おしさが溢れて、柔らかい頬にキスを落とした。
「あ、は♡あっ♡かなめ♡好き、すき♡♡な、もっと♡」
アルケーはぐちゃぐちゃの顔で嬉しそうに言う。ああ、ほんっとかわいい。魔王様の命に応え、何度もキスをした。その度に耳を吐息が掠めてたまらない気持ちになる。彼をぶち壊してしまいたいという激情を抑え、そっと口づけた。
「はっ♡は、あっ♡ああっ♡イく、ぁ♡イっちゃう♡♡」
アルケーは言い終えるが早いか、全身を震わせて吐精した。スカートから覗く太ももを精液が伝う。あまりに扇情的な光景。射精しそうになるのを堪えて腰を打ちつけた。
「とまっへ♡かなめ、イったばっかりだから♡やら、つらい♡かなめ♡♡」
「アルケー、つらい?ごめんね、でも、お仕置きだから♡」
そう言ってやれば、可愛い恋人は絶望と歓喜をないまぜにしたような顔で一つ、大粒の涙を零した。
「アルケー、きもちいね?♡」
意地の悪い質問をすると、彼はこくこくと何度も頷いた。首を振る度、涙がぽろぽろと流れる。
「きもち、きもちい♡っから♡も、いらな♡♡」
アルケーは本当に余裕がないようで、俺の背中に手を回し、強く抱き締めた。普段は恥ずかしいからとしてくれないのに。俺とは違って少し長い爪が食い込んで痛い。でも、そんな些細な事気にならない、むしろ嬉しかった。
「っは、あるけ、俺もイくっ…」
息も絶え絶えにそう言うと、アルケーは俺の背中に回していた腕で俺を引き寄せた。
「かなめ♡かな、め♡きて♡な、好き♡はやく♡」
ナカもぎゅっと締め付けてきて、コンドーム越しに熱を吐き出す。アルケーも再びイったらしく、絶頂の余韻に浸ってぴく、と身体を痙攣させた。
「はっ、はぁ…」
息を整えていると、同じくぜいぜいと呼吸をしているアルケーが目を合わせず言った。
「かなめ、まだ、足りない…♡」
「…素直な良い子には、プレゼントをあげようかな」
性の六時間という言葉がある。一年のうち最もセックスをする人の多い、十二月二十四日の午後九時から、翌日二十五日の午前三時までの六時間の事を指す。
何故こんな事を言ったのかというと、夜はまだまだこれから、だからだ。まあ性の六時間は昨日なんだけど、そんなの考えない事にした。
【了】
ここまで読んでいただきありがとうございました
これまではストックがあったんですが、
これで最後になります
なので、しばらくは投稿しないと思います
本垢には他の💚❤️も、💚❤️以外の作品もたくさんあるのでぜひぜひ来てください🙇
💗、💬もよろしくお願いします🙏
コメント
4件
初コメ失礼します! 本当に好きすぎます😭