テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
翌日。
チャイムが鳴る。
「大輝の母ですが…」
「はーい。」
ママが玄関のドアを開けた。
大輝君のママ?……
あたしも、こっそり自分の部屋から出る。
「奈月は、部屋にいなさい」
ママは、いつもの優しいママの表情ではなくて、怒ったようなそんな表情で、あたしに言った。
リビングには、パパもいた。
そっと、ドアを開けてもう一度覗くと
大輝君のお母さんの後ろから、
初めて見る 大輝君のお父さんと、大輝君の
お兄さんも居た。
昨日のこと……かな。
あの後、泣き疲れて寝ちゃったけど。
どうなったんだろう…。
リビングから、パパの怒鳴り声が
聞こえた。
パパもママも普段怒らない。
ママは怒ることもあるけど。
パパが怒ることなんて滅多になかった。
1時間ほど経ったのか、
大輝君のお母さんたちは帰って行った。
コンコン…。ドアをノックする音が響く。
「奈月?ちょっとリビング来れる?」
あたしは、リビングへ向かう。
「座って。」
ママが言う。
「昨日のこと、ママから聞いたよ。辛かったな、怖かったな。ごめんな。あの後、怒りが収まらなくてな23時頃、大輝君の家に
行ったんだ。そしたら…
今日お父さんも一緒に謝りに来たよ。
こんな、ケーキ持って。大輝君は…助けてくれようとしたんだって?」
「うん」
「大輝君は、優しいな。お兄さんは、許せないけど。怒りがまだ、収まらないよ。あいつらの前で、兄を殴りたかった!!」
こんなに、パパが怒っているのを初めてみた。
「ご、ごめんなさい……」
「奈月は、悪くないよ。謝ることなんて1つもない。だけど、もう大輝君とは関わるな。お父さんからの、お願いだ。」
「…わかった。」
そりゃ、そうだよね。
あたしも、あんなことされて合わせる顔が
無いもの。
大輝君は、悪くないけど。
裸見られて、どんな顔したら
いいかわからない。
明日から…学校……行きたくないな。