💡が女装して潜入捜査する話。
嫌な人は回れ右。ご本人様とは関係ありません。
「女装して潜入!?オレが!?」
先日、ヴィランの拠点らしき場所が見つかり、その対処ないし討伐の作戦が立てられる。そのためには多少の調査が必要なのだ。普通なら遠隔からの調査で良いのだが、西の忍者が言うにはそういうものができないよう妨害の術がかけられていたそうだ。
最低限遠隔で調査できる範囲まで調査した結果分かったのは、中には知能を持った人間に近い生物がいること、その生物が過度な女好きなことだ。つまり内部までセキュリティをくぐり抜け最も簡単に潜入できるのは女性である。が、人員不足なヒーローの中には潜入できる女性はいない。
そこで本部が伊波に対し出した命令が『女装して潜入捜査を行え』というものだった。
伊波が女顔であることは自分自身自覚していた。それでも実際に女装して潜入となると抵抗があるのも確か。そして伊波にとって何より嫌なのは、Dyticaの面子に見られることだ。潜入捜査を行うほどの大型任務ということは必ずDyticaの面々は関わってしまうため、見られてしまうことは免れない。最悪、と言う他ない。伊波はまた大きなため息をついた。
あれから数日、ついに作戦が始まった。まず伊波が潜入、情報を収集し、討伐の作戦を立てる。そして作戦実行と共に伊波は回収されるらしい。今回の潜入ではできるだけ無害な女性になりきるため、連絡機器と本部に支給された小型のナイフ以外は持ち込まない。つまり戦闘においては役に立たないのだ。
今伊波はワンピースを着た長髪の美少女だ。これなら男とバレることはまず無いだろう。
『任務開始してください』
本部から連絡を受け、ついに潜入に入る。設定は道に迷ってしまったか弱い女の子。よし行くぞ、と気合いを入れて敵の住処に向かった。
山奥にあるのだが意外にも普通の家のようで、至る所から生活感が感じられる。恐らく前の住人を殺して住処にしたのだろう。律儀にインターホンを押して中から敵が出てくるのを待つ。
中から返事が聞こえ、やっと出てきた男はガタイがよく、伊波を一目見てニヤリと気味の悪い笑みを浮かべた。かなりの女好き、という情報に間違いは無いらしい。伊波が口を開く前に男は話し出す。
「お嬢ちゃん、どうしたの?こんな時間に」
「ごめんなさい、道迷っちゃって…夜遅いので怖いしよかったら入れて貰えませんか?」
「もちろんだよ!さ、入って!」
「ありがとうございます!」
迷いなく家に入れたあたりどっちにしても家に入れるつもりだったのだろう。広い家の中を案内され、リビングらしいところに入る。
随一報告を入れながら内部まで入るが、あまりの平穏さに逆に不気味さを感じてしまう。セキュリティらしいものもなく、本当にただの民家というふうにしか見えない。
慣れない靴を履いて疲労が溜まっていた伊波はありがたくソファに座る。またもや不気味な笑みを浮かべて、男は湯気の立つ飲み物を差し出してきた。飲むのは良くないだろう、とヒーローとしての勘が囁く。それに従い、一切マグカップには手をつけず、本部への報告を怠らない。
隣に座った男に情報を聞き出したい本部は、伊波を使えるだけ使う。ハニートラップを仕掛けて情報を聞き出せとのことだ。そんなことしたことないんですけど、と心の中で悪態をつきつつも指示に従う。
男の太い腕に抱きつき、甘い言葉で誘惑する。そうして一緒に情報を聞き出す。
小型の通信機から聞こえるDytica3人のガヤがうるさく、伊波は途端に恥ずかしくなったが、任務と割り切りそのまま続ける。
「この家にはお兄さん以外にいるの?」
「え、そ、それは言えないなぁ…」
「ね、いいでしょ?お願い、教えて」
「あ…俺、1人だよ。前はもう少しいたんだけど…ちょっといざこざがあってね」
上目遣いで少しお願いすれば全部教えてくれる。ちょっっろい。そうしてかなりの情報を聞き出したため、突入の合図を送る。
この家について、人数、セキュリティ、目的…
全て聞きだした。初めてにしてはかなり上手く行ったな、と伊波は誇らしく思った。
合図を送り数秒後、Dytica3人が突入。先程聞きだしたセキュリティについての情報のおかげでスムーズに来れたようだ。
「カゲツ、ライの回収」
「了解」
「うわぁっ!」
忍者が素早く伊波を担ぎ外に向かう。その間後ろを見ると、既に男は星導と小柳によって拘束されていた。
「ライ、上手く情報聞けてましたね」
「んね、オレ初めてにしては上手くできてたよ」
「ワンピース似合ってたぞ」
「お前バカにしてんだろ」
「次楽しみやな」
「もう二度とやんねぇよ!」
コメント
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神すぎる…。。いいねいっぱい押させてくれぇ〜、、😭😭やっぱinm女装絶対似合うよなぁぁ、自分も女装inm書こうかな…