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#感動BL
切り身
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「いや、それどう考えても地雷女じゃん。タダ飯タカられて用無しになって捨てられたってことでしょ?」
「そ、それは…」
裕介は図星なのか、言葉を詰まらせた。
それが少し、いや、だいぶ悔しかった。
俺は5年前からずっと隣で切磋琢磨し、裕介の可愛いとこもダサいとこも知ってて
ミスがあればカバーして、ずっと想って、悪い虫から守ってきたってのに
また、裕介は知らない女に恋して振られてるんだ。
そう思うと、胸の奥がどす黒いもので埋め尽くされて、とてもじゃないが聞いていられなかった。
「で、なんでそんなに泣いてたの?そんなに好きだったわけ?」
それでも、裕介が泣いて頼ってきた以上、助けてあげたいし話を聞いてあげたかった。
質問すると、裕介は先程とは違って、明るい声で言ってきた。
「そりゃ…好きだったけど、あんなこと言われたら諦めるしかないよ……」
「あんなこと…って?」
「その…僕、快翔みたいにイケメンじゃないでしょ」
それが、酷く空元気に聞こえた。
「歩美ちゃんにも〝あんたってさ、快翔くんに勝てるところあるの?〟って言われちゃったし…はは」
唐突に俺の話題が出て、奇異に感じた俺は思わず聞き返す。
「え、なんで俺の話が出んのさ?」
「いや、それがね。僕に近付いたの、快翔に近付くためだったみたいで…」
「顔も仕事も人望も全部負けてるって言われて…金も払えないゴミ男に用はないからって……」
その言葉を聞いた瞬間、腹の底が煮えくり返るようだった。
「それ、その女が裕介に言ったこと?」
「う、うん…」
それを聞いて、裕介がこんなに鬼電してきたのは
失恋のショックと、俺への恨みなのかとも思った。
「…つまりさ、俺に怒ってこんなに鬼電してきた?」
裕介の話を聞けば当たり前のことだった。
ただ確認するように聞いたにも関わらず
「え?なんで…?快翔に怒るわけないよ」
裕介からの返答は意外なものだった。
「いや、俺のこと引き合いに出されたら普通ムカつくでしょ」
「え、だって…快翔がイケメンなのも人気が高いのも事実だし、僕が平凡で…女の子にモテないのも分かってるし…っ」
裕介は昔からそうだ。
社会人一年目のときでさえ、女性社員や部長にパワハラに近いと思うぐらいに
俺と、業績や顔を比較されたことがあった。
遡ること5年前────
そのときも裕介は『さすが快翔くんだなぁ…えへへ、僕とは大違いで尊敬しちゃうよ』と呑気に笑っていた。
その頃はまだ裕介を恋愛対象として見る前で
ある日の帰りに、二人で居酒屋に寄ったときがあった。
裕介は酒に弱い。それは新人歓迎会として開かれた飲み会で明らかになったことだった。