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どもっす
今回はBL要素少なめです。
にゃぽん、日帝、パラオが登場します。(カプ要員ではない)
異形たちの喋ってることは解読できます。
この作品に政治的な意味だとかは含まれてませんので
それでは
どぞー
電車を乗り継ぎ、バスを乗り継ぎ、ひたすら走った
気づけば自分は田舎の畦道にいた。
子供の頃、よくここから落ちて、日帝兄さんに助けられたなぁ…と思い出にふけりながら、痛む横腹をさすり、歩く。
ときおり頭が揺れて、田んぼに落ちそうになる、がなんとか根性で耐えた。
どうにか実家に辿り着くことが出来た。
セミがミーンミンミンミンと鳴く、なく、頭に、ひびく。
ぐわんぐわん揺れる視界で、どうにかインターホンを鳴らす。
数秒してからドアがガラガラッと開いた。
「誰だ?……って日本?!」
出てきたのは日帝兄さん。普段は半分閉じている目がこれでもかというほど開かれていた。
「すい、すみません…あ、あの」
気が動転してるのか上手く舌が回らなかった。
兄さんは、いいから上がれ、話は後で聞く。と言って急いで家に入っていった。
壁をつたい、広い居間につく。
普段は座布団を出して座るのだが、面倒で仕方が無いのでやめた。
焦げ茶色の机に突っ伏し、外を見ていた。
縁側にはさっきまで誰かいたのか、綺麗に食べられたスイカと、た多少赤色が残っているスイカが盆の上にのっていた。
上の柱には昔自分が模様を描いた風鈴が吊るされている。
嗅ぎなれた畳の匂い。
なんとも言えない懐かしさに、少しだけ涙が出てしまった。
扇風機の音とか、セミの声に耳を傾けているとばたばたと足音がしてきた。
「にほーん!」
急に小さい青色の塊が抱きついてきた
「わっ…パラオ!」
久しぶりにあったパラオは変わらず可愛い。
わしゃわしゃとパラオを撫でていると日帝兄さんが麦茶を人数分用意してやってきた。
「すまん、少し待たせたな」
麦茶を置き、普段から被っている軍帽も置く。
ぴこぴことネコミミを動かす日帝兄さんは、ギャップの塊だと思う。
「で、どういう訳でここに?」
自分は、これまでのことを話した。
仕事がめっちゃブラックなこと、アメリカさんが異形になったこと、そして人を殺したこと。
変に口が乾くせいか、喋り終わる頃には麦茶が無くなっていた。
「なるほどな…話してくれて有難う」
日帝兄さんは怖い顔してるけど優しい人だということを痛感した。泣いちゃう。
パラオも心配して僕に飴やらをくれた。
涙腺崩壊、思いっきり泣いた。
数分メソメソしてたら、ドアがガラ゛ガラ゛ッガン゛っと開いた。
「ただいまですわ〜!」
家中に響く底抜けに元気な声…にゃぽん!
「まじ暑いっ!最近の気温意味わからんっ!!」
饒舌な舌で愚痴を吐きつつ、どすどすと居間に来た。
「よーすパラオくゆと日帝兄ちゃん……と日本お兄ちゃん!??!」
これまた大袈裟に驚いて駆け寄ってきた。
「えっなんで?!なんでいるの!?」
もにもにと僕の頬を揉みながら詰め寄る。
「かくかくしかじか〜」
にゃぽんは戦慄しながら口をパクパクさせている。
「えっアメリカってこの前急に家に来て自分は日本の彼氏だって言ってた人だよね?」
ん?
すごい…なんか……とんでもない嘘つかれてない?
アメリカさんが彼氏?ん?てゆうか僕ノーマル……
「その反応…彼氏じゃないな」
日帝兄さんは察しが良くてたすかる。首を思いっきり縦に降った。
「えっヤンデレってこと!?えぇ…えっ……え〜??!」
何故かにゃぽんは嬉しそうにしている。そういえばこいつ腐女子って言ってたっけ。
「てことは僕、異形に付け回されてるってこと?」
「そういうことになるな、ここに気づかけるのも時間の問題か……」
え……こわぁ……
とりあえず当分はここで匿って貰えるらしい
アメリカさんが来ないことを祈るばかりだ。