紅寺 彩芽、高校2年生。1月13日誕生。
この物語は、学校で過ごし彼女が悩んでいた「何か足りない、空っぽ」を埋める物語。最後に足りない物は何なのか。
2月19日、○○○高校に転校してきた彼女は、半分人工知能、人間を名乗っている。自分の意思や感情が分からない。
そして、誰も傷つけない為に彼女は嘘をついた。その嘘は、自身が1番傷つく方法だった。
彩芽は、優しい嘘をつくが、真実も時々伝える事にする。しかし、その真実を伝える勇気はまだ彼女には、無かった。
2月20日、ある事件が起きる。それは、彩芽が転校してきた日に、ある人物と偶然に出会った事から始まった。
彩芽には海雲そうたという幼馴染がいたが、ある事情で離れて暮らしいていた。幼馴染の少年は、彩芽の事を誰よりも心配していたのだった。
2月21日、海雲が学校に来た時に事件が起こり彩芽が転校してきた事により始まった出来事だった。
そして、2人は仲直りする。だがしかし、彩芽は本当は知っていながら知らないふりをしていた。
2月22日、転校生の噂が広がった為、彩芽の事を苦手になる人も居れば、人形のように容姿端麗な彩芽を好きな生徒も居た。
しかし、彩芽は全員と仲良くなろうとする。彩芽の想いは叶うのだろうか。
2月23日、そしてある日突然事件が起こる。海雲が交通事故で亡くなったのだ。また仲直りできて、唯一の親友だったそうた。彩芽は感情が無い為状況を理解することしかできなかった。血も涙も無い彩芽が、そうたが亡くなった事で感じたのはもう会えないという事だけ。人工知能は死ぬことが分からないが、何だか胸が苦し
なっていた。
2月24日、海雲が亡くなって彩芽は学校を休んだ。1週間以上ぶりに学校に来ると、彩芽が転校した時の状況とは一変して皆が静まり返り、誰も自分に見向きもしなくなった。感情が無い彩芽。しかし、その変わりに1人の少年と出会う。
その少年との出会いが、彩芽の失われた感情を蘇らせ始める。
ルイと言う少年は、彼女に無い色々な物を持っていた。彼女は「自分のような人工知能にはあんな素敵な人になれない」
と言うが、ルイはそれは違うと否定する。
しかし、ルイと彩芽の想いがすれ違う。
そして、彩芽は更に感情を取り戻そうとする。
だが、彼女はある事件に巻き込まれてしまう……。
3月2日、学校で火災が起きた。彼女は誰がやったのか問い詰めると、犯人はルイだった。愉快犯だったルイに彩芽は激怒する。彼女は包丁を持ち、ルイの腹に突き刺す。辺り一面に血が吹き出し、ルイは息を引き取った。彩芽は憧れていた人がこんな事をして、自分が何のために存在しているのか分からなくなった。果たして多くの人を殺そうとしたルイと色んな気持ちが混ざって狂ってしまった彩芽、どちらが最もつらい思いをしたのだろう。
3月29日、彩芽は豚箱に入れられる。
暇で考え事をしている時、ある目標が脳裏に浮かんだ。
いつの間にか彼女は、好き、嫌い、悲しい、怒りの感情ができていた。彼女はこの1.2ヶ月で悩みを解消できた。これからも
彼女は普通の人間という嘘をつきながら生きていく。