# 優香ラストコンテスト
irxs 桃赤
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赤 side
俺はまた 罪を犯した 。
「 救う救う詐欺 」 を 何度もやらかして
人が消えるザマを 何度も見てきた 。
結局 俺は何がしたいのか 分からない 。
幼い頃 。
自分で描いた自分自身を 疑って 抗った挙句
誰も見た事のない ぐちゃぐちゃな人間像ができた 。
家族も 友達も 親戚も みんな俺のことが嫌いで 俺もみんなのことが嫌いだった 。
そんな時 、 手を差し伸べてくれたピンク髪の男 。
その頃の俺は 本気でそいつを信じきっていて 。
大好きで 他の誰でもない そいつだけが俺の生きる意味でもあった 。
だけど俺は 、 そいつを裏切ったんだ 。
でも裏切らずを得なかったんだ 、 ほんとに仕方なかったと思う 。
それが理由になったのかは分からないけど
俺の周りから 人はどんどん離れていっていた 。
本当に 、 本当に
申し訳なかったって 、 思う 。
謝りたいって 今でもちゃんと 思ってる 。
でも 合わせる顔がないから 俺はこうして …
) 先生 !! 緊急患者です !!
赤 ) わかった 。 集中治療室まで運んで 。
) はい !!
いざ 患者と対面して 、 手術を行う 。
… はず だった 。
患者の容姿を見て 、 名前を見て 、
過去のことを 全部 思い出してしまった 。
「 乾 ないこ 」
その名前は かつて 俺が大好きだった人 。
俺が 裏切った人 。
震えが止まらなくなる 。
ダラダラと流れる 彼の血を見て 手元が狂う。
俺は 彼を救う責任があって 、 彼を助ける責任があって … いや 、 それが 、 それくらいが 俺のできることだから 。
俺は 、 この人を救う って そう思ったけど 。
弱い心は 今にも逃げ出しそうになって 。
考えている間に 時間は 刻刻と 進んで行った 。
とうとう 、 彼の体に 手をかけた 。
助けるんだ 、 俺は 、 この人を 。
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何日か 月日はたった 。
彼が目を覚ますことはなくて 、 「 もう無理だ 」
そう言われるほど 彼の容態は 酷かった 。
前と変わらない 整った顔 と 優しい表情 。
きっと彼が目を覚ましても 、 俺のことを許してくれるって そう信じてる 。
だって 、 彼は ないくんは優しいから 。
何かあった時ないくんは必ず俺を庇ってくれて 、 守ってくれて 。
きっと 俺なんかよりも すごいんだって 、 きっとそうなんだと思う 。
でも 、 もしかしたら 許してくれないかもしれない 。
俺のことを 今でもずっと 恨んでるかもしれない 。
気づいた時には 目に涙をいっぱい貯めて
彼のベッドに ポロポロと溢れる雫は 止まらないようだった 。
目を覚まさなくてもいいよ 。
そのまま眠りについた方が 、 ないくんは幸せかな 。
きっと 俺なんか忘れて 、 他の知らない誰かと 幸せになる方が いいのかな 。
)… っ あの 、
赤 )ッ 、 ?!
はっとして 顔を上げたけど 、 そこには 誰もいなかった 。
再びぼーっとしていると 、 下の方から 声が聞こえる 。
なんだか懐かしい 、 とても優しい声だった 。
まさか 、 あなたが 、ないくんが 目を覚ましたなんて 思いもしなかったんだよ 。
桃 ) あの … ?
赤 ) … っっ 、” !! ポロポロ
飛びついて仕舞いそうな俺の心を 必死に抑えたけど 、 抑え方を間違えて その場で床に崩れ落ちてしまった 。
きっとないくんは 困ってる 。
知らない人が 自分の前で倒れてるって きっとそう思ってる 。
頭の打ちどころが悪かったから 、 どっちにしろ俺のことは覚えていない筈だから 。
赤 ) …っ ごめんなさい 、 “ッ 、 どこか 痛むところは … ッ 、 ?
桃 ) っな 、 ないです …
桃 ) … っつ ” 、 っ あははは っっ !! 笑笑
赤 ) ….. え っ 、 ?
桃 ) … はーあ 、 笑 久しぶり 、 りうら
笑いながら 目尻に貯めた涙を拭い取るないくんを 、 ぽかんと見つめる 。
えっ 、 あ 、 などと 声にならない 声を出す俺を 、 にやにやしながら 彼は見つめる 。
桃 ) 久しぶりだね りうら 。 まさかりうらとこんな形で会うなんて 思わなかった
赤 ) … っ あ 、 ぁあ ッ 、 ポロポロ
気づいたら 俺は ないくんの胸の中にいて 、
暖かな温もりに包まれていた 。
優しく頭を撫でてくれるないくんに 、
俺は ぐりぐりと顔を埋めた 。
赤 )ごめん ッ 、” ごめんなさあ” っ “ ポロポロ
桃 ) なんで謝ってるの 、 笑
桃 ) ありがとう 、 助けてくれて
呻き声のような 泣き声を上げながら泣いた 。
多分 先生に怒られるだろう 。
それでいい 。
今は 少し 彼との時間を 噛み締めたいから 。
俺は ちゃんと ないくんを 救えたかな 。
ちゃんと 俺の任務を 果たせたのかな 。
あはは 、 と笑う彼は 、
俺が泣き止むまで 頭を撫でてくれた 。
end
コメント
1件
参加ありがとう.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ 性癖どストライクだよ!!!😭😭 くーの作品全部うち好みなんだよね、なんでだろ🙄 やっぱ書くの上手すぎ✨✨ そして桃裙が赤裙をいたずらするのが好きすぎた🫰🏻🫰🏻 素敵な作品ありがとう🫶🏻️︎💞