TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

𓏸𓏸side

𓏸𓏸「まじかー、」

日曜日の朝。今日は蛍の部活が休みなのでデートの約束をずっと前からしていた。

なのに、

𓏸𓏸「予定日まだなのに、、、」

生理が来てしまっていた。確かに下腹部が痛いし、貧血気味でもあった。けれど、動けないほど生理が酷い訳では無い。

私は蛍との約束の時間に間に合うように支度を始めた。

𓏸𓏸「あ!蛍!おまたせー!」

蛍「あ、𓏸𓏸。」

𓏸𓏸「ごめん待たせちゃって!」

蛍「全然、僕が早くついてただけ。𓏸𓏸だって5分前にちゃんと着いてるじゃん」

𓏸𓏸「んーたしかに?」

蛍「ほら、いくよ。手、かして」

𓏸𓏸「手?」

蛍「手。繋ぐんじゃないの?」

𓏸𓏸「いいの!?繋ぐ繋ぐ!」

蛍「そ、なら貸して」

蛍「ん、なんか手冷たくない?もしかして寒い?」

𓏸𓏸「んーん、全然」

確かに生理の時は手足が冷えたりするなあ。でも今は薬も鉄分サプリも飲んだしで体調は問題ない。

蛍「そ、ならいいや」



そして、蛍と私は水族館に向かい、一通り巡った。


蛍「𓏸𓏸、もうお昼時だけど何か食べたいのある?」

𓏸𓏸「んー、なんだろう」


ちょうど薬が切れてきたこともあって時間が経つにつれ、生理の辛さを身をもって感じる。そのため、今は何か食べる気になれない。


蛍「もしかして、あんま食欲無い?顔色もあんまり良くないよ」

私「ちょっとだけね。多分沢山歩いたから疲れただけだよ!あと、水族館冷房ガンガンだからそれかも!」

蛍「んーでも心配。一旦座ろう」


蛍はそう言い、私の手を引いてベンチに向かった。

蛍「よし、すわりな」

𓏸𓏸「うん」

蛍「一旦休憩にしよう。なにか飲む?」

𓏸𓏸「温かいの飲みたい。」

蛍「そ、わかった」

𓏸𓏸「ありがとう」


蛍が、その場を去ったと同時に私のスイッチが切れた。蛍の前だとやっぱり背筋が伸びる。安心出来ない、とかじゃないけど何故か。

𓏸𓏸「んーー」

お腹が痛すぎる。さっきカバンを見たら薬がなかった。忘れたみたい。それに加え、少しクラクラする。貧血かー、。

今回は薬があったら耐え切れる!位だから、薬ないのしんどすぎる。後で薬局に寄ろうかな。でも、蛍にバレちゃうか。蛍の事だし、無理やりにでも家に帰しそう。

どうしようか、と考えてたらいつの間に蛍が帰ってきた。

蛍「𓏸𓏸、ほらお茶」

𓏸𓏸「ん、ありがとう」

蛍「これ飲んだら水族館出よう?外の方が今の季節暖かいし」

𓏸𓏸「蛍、ほんとごめん。」

蛍「いいよ、僕も寒いなーって思ってたし。あ、𓏸𓏸外でたら薬局寄っていー?」

𓏸𓏸「え、うん」

蛍「なんか、いつもの頭痛出てきたみたいでさ、薬買いたい」

𓏸𓏸「え、、!?大丈夫?ごめんね体調悪いのに飲み物買いに行ってもらっちゃって、、、」

蛍「いや、今さっき痛くなったから関係ない」

𓏸𓏸「え、でも」

蛍「ほんとに関係ない。ほら、一段落したっぽいし、外いくよ」

𓏸𓏸「う、うん」


相変わらずどんどん腰が重くなるなあ。けど、何より蛍が心配。ポーカーフェイスなところがあるけれど、まさかここまでとは、、、。




蛍「んー、僕がいつも使ってる薬ないな、」

薬局にて蛍の薬を探したけれど、ないらしい。

蛍「どれが効くとか分からないな。𓏸𓏸がいつも使ってるのとかこの中である?」

𓏸𓏸「どれがいいとかわかんないけど、私はいつもこれ使ってるよ」

蛍「そ、なら僕それ買う。」

𓏸𓏸「え、でも蛍に効くかは、」

蛍「平気。じゃあ会計行ってくるから𓏸𓏸は外で待ってて」

𓏸𓏸「うん」


暫くして蛍がでてきた。混んでたのかな、?

蛍「𓏸𓏸、ごめんお待たせ」

𓏸𓏸「んーん、全然。ってあれ、蛍なんか買ったの多くない?」

痛み止めだけの筈なのに蛍は中身がしっかり入ったビニール袋を手にしている。

蛍「まあ何でもいいでしょ。それより𓏸𓏸いつまで隠すの?」

𓏸𓏸「え、?」

蛍「お腹痛いんじゃないの?」

𓏸𓏸「、、、なんの、事?」

蛍「ばればれ。ほら薬、切れてんじゃない?飲みな 」

そう言って蛍は私にさっき勧めた薬と飲み物を渡してくれた。

𓏸𓏸「え、どういうこと?」

蛍「僕の薬じゃなくて𓏸𓏸の薬買ってたの。別に僕今頭痛くないよ、なんなら元気すぎるくらい」

𓏸𓏸「え、」


つまり蛍はずっと前から私の体調に気づいていたのだ。

𓏸𓏸「いつか、ら、?」

蛍「最初手繋いだ時から。𓏸𓏸女の子の日の時めっちゃ手足が冷えるって言ってたじゃん。」

𓏸𓏸「よく覚えてたね、。」

蛍「時期的にも来てておかしくないし」

わー、よく知られてる。

蛍「ほら、鉄分摂れるのとか買ってきたから食べて」

私「わ、ありがとう。いただきます」

蛍はと言うと私が食べている間、隣でおにぎりを食べていた。

蛍「𓏸𓏸、無理して全部食べなくていいよ。僕が沢山買ってきただけだから」

𓏸𓏸「ん、ごちそうさま、でした」

蛍「ん、よく食べられたね。

薬が効くまでここでゆっくりしていよう」

𓏸𓏸「うん、」

蛍はこんなにも優しいけれど、せっかくのデートを台無しにしてしまった。罪悪感が凄い、。

蛍「わ、𓏸𓏸、泣いてんの?泣くほど痛いの?」

私はいつの間にか泣いてしまっていた、らしい。

𓏸𓏸「けー、ほんとごめん、なさい。

私の、せいで、、、。」

蛍「はー、しょうがないでしょ、好きでなってるわけじゃないんだし。」

𓏸𓏸「でも、ヒック」

気持ちが溢れるばかりに嗚咽が酷くなる。

蛍「そんなに泣くことないでショ」

大丈夫だから、と蛍は優しく背中をとんとんしてくれる。

𓏸𓏸「う゛ーー」

蛍「ほら、落ち着いて。」

いつの間にか、泣き疲れて私は寝てしまったらしい。

蛍「え、𓏸𓏸、ねた?」

𓏸𓏸「スーー」

蛍「え、こんなところで寝れるの?」

まったく、うちの彼女ちゃんは、と呆れつつ、痛みから開放されたであろう姿に安心する。

蛍「とりあえず、僕の家に連れ帰るか」

と𓏸𓏸を背負い、ゆっくり帰宅しその後、自分のベッドに寝かせた。


[完]


この作品はいかがでしたか?

42

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚