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僕は大森元貴。
君には名前が無い。
僕と君は、友達以上,恋人未満だ。
今日タヒぬ僕と君。
余命宣告された訳じゃない。
ただ、何となくわかる。
今日、僕と君はタヒぬ。
これといった証拠は無いが、ここ一週間ずっとタヒぬ夢を見る。
それも、僕と君が火の中で。
夢なのにリアルで、現実味がある。
だから、何となくわかる。
この一週間、長いようで短かった。
ついに僕はタヒぬんだ。
楽しい人生だったと思えたら心残りなんて無かったのに。
あ、此処がちょうど夢に出てきた所で、僕と君がタヒんだ所だ。
ペット連れも来ていいんだ…。
君「楽しい?」
大「え?あぁ…まぁね」
楽しいわけない。
いつ何が起きてもいいように準備はもう出来てる。
客「ちょっと!そっちに行ったらダメ!!お願いだから戻ってきて!!」
大「どうしたんですか?」
客「ワンチャンが…」
大「……っ!?」
目の前には大きな火が建物を一瞬で覆った。
大「ワンコは?」
客「中に……」
大「……っ!!」
僕は火の中へ入った。
犬にだって命がある。
それなのに、人間は物のように扱う……。
それが残酷で僕は許せない。
大「ワンコ〜!!ゴホゴホッ!!」
辺りは火の海で、僕は囲まれてしまった。
でも、躊躇していればワンコがタヒぬ…。
それだけは絶対に嫌だ!!
君「あの〜、こんな人何処に行ったか知りませんか?」
大森元貴の写真を見せる。
客「この火の中に」
震えながら指した先には、燃え盛る火。
君「うそ……なんで……?」
客「自分から行ったんです!!」
君「自分も行きます!!」
客「ダメです」
君「え─────?」
火災が発生して一時間後。
消防車到着。
それから三十分後、消火完了。
警「彼を知ってますか?」
君「はい……」
元貴の遺体は黒くて、顔がよく分からない。
でも、足の模様…これは元貴で間違いないんだ…。
どうして……。
君「彼は…自分の大切な人です…名前は大森元貴…年齢27歳…性別は男性です……ッ」
警「ご協力ありがとうございました」
君「他に遺体は無かったんですか?」
警「彼だけですね…どうして彼は火の中へ?」
君「分かりません…」
大森元貴。体中…大火傷でタヒ亡……。
どうして、、?
客「ワンチャ〜ン…よ〜しよし〜」