ある日の昼下がり、探偵社にて。
国木田独歩は疲れていた。
やってもやっても終わらない業務。
常にサボっている太宰。
いつものことながら、仕事は予定通りには終わらなさそうだ。
「心中は〜一人では〜でき〜ない〜
二人なら〜できる〜♪」
「…」
「仕事をしろ!この唐変木!」
他の社員は任務に行っていて、探偵社には太宰と国木田しかいない。
「いいか太宰、仕事の邪魔だけはするなよ!」
「え〜私、邪魔なんてしてないし〜♪」
「…💢」
そろそろ国木田さんのストレス値がやばいのでやめてあげてください太宰さん。
コンコン
ガチャン
「…よお」
「なっ、ポートマフィア!!」
国木田が思わず戦闘体勢に入る。
「おいおい、落ち着けって。攻め入ってきたわけじゃねえよ…休戦中だろ」
「では何の用だ!」
「ちょっとしたお使いでな…そっちのボス宛だそうだ。」
中原が大きめの封筒を渡す。
「…五大幹部様直々に来るなんて、ポートマフイアの人手不足も深刻だねぇ」
「…手前、いたのか」
「いやあ、てっきり私に会いに来たのかと。」
「あ?」
中原が太宰に近づいていき、
ほぼゼロ距離で叫んだ。
「んな訳ねえだろ!」
ん?距離近くない??
「シー」
太宰は中原の唇に指を押し当てている。
…ん????
…そうゆうこともあるよな。うん。
国木田は考える事を辞めた。
「今よお、本部で暇を持て余した黒蜥蜴達が芥川の着せ替え大会やってて、帰りずらいんだよな。」
緩いなあ、ポートマフイア。
「芥川君、今でも遊ばれているのかあ」
「…昔は彼奴のこと遊ぶ奴なんか手前しかいなかったぞ…まあ、そういう事で、ちょっとだけ休んでいってもいいか?」
「……俺は構わないが」
「じゃあお言葉に甘えて、
構わなくていいからな。わかってると思うが。」
そう言うと中原は当たり前のように太宰の隣に座った。
ただでさえ暇そうだった太宰は、中原に後ろから抱きつき、中原の髪を弄り回して遊んでいたが、
国木田は
(疲れてるんだな…双黒がいちゃついている幻覚が見える…)
とスルーを貫いていた。
というか視覚的にヤバくて直視できなかった。
遂には中原も太宰に甘え出して、
「…だざいー?…」
「なぁにーちゅーや」
みたいな甘々ぶりだった。
砂を吐くかと思った…
この2人の関係が分からない。
元相棒というだけでは無さそう、と言うことはよく分かったが。
しばらくすると、一応常識人の中也が
いつまでも自分に構っている太宰を一瞥して
「だざいー、ちょっとは仕事しろよ…
みんなお前の尻拭いしてくれてるんだからよ…」
と一言。
そして気付いてしまった。
ん?もしかしてこいつ、立場的に俺と物凄く気が合うのでは。
太宰の元相棒と現相棒。
…うう。飲みに行きたい。
中原に愚痴りたい…
太宰との関係を問いただしたい所だが、それ以上に国木田は同志に飢えていた。
太宰のせいで、同じく迷惑を被っているであろう同志に。
可哀想になあ国木田。国木田は中也が酔うと22歳児に変貌を遂げる事を未だ知らない。
変な事を考えていると、
「てかお前、マジで仕事しろよ…迷惑かけてんぞ」
「えーめんどくさいー」
「此奴を働かすのは無理だ。俺はもう諦めている。」
「……お前も苦労してるな。」
まあ此奴はこうゆう奴だよな、と言う中原の横で、太宰が何かを思いついたような顔をした。
「そうだ〜、中也。
中也が何でも一個、私の言うこと聞くなら仕事してあげてもいいよ。」
「…何して欲しいんだよ…」
ちゃんと聞くのか。偉いな。てっきり突き放すのかと。
「えー!中也ー、それをここで聞くのおー?大胆だねえ(笑)」
何か、、とても嫌な予感がする。
それはそれは嫌な予感がする。
国木田の本能がこの2人の関係について深く詮索してはいけないと言っている。
「耳貸してー中也ー」
「ん?」
ゴニョゴニョ
「…」
ブワッ
…顔が、真っ赤ですよ中也さん。
「………そうだ、仕事をしよう。」
一連の流れを見ていた国木田独歩は、気付いてはいけない事実に気付いてしまったような気がして、仕事に逃げる事にした。
数時間後…
中也が帰った後も、太宰が珍しく物凄く仕事を頑張ったので定時で上がれそうだった。
途中で帰ってきた探偵社員達もそれはそれは驚いていた。
…こんなに楽なら、中原には悪いが、毎回太宰のお願いを聞いてもらえたりしないだろうか。
だが、太宰が仕事を片付ければ片付ける程、中原に耳打ちした内容がなんだったのか気になってしまう。
…他人の「そういうこと」を詮索するつもりは無いが、気になったので、帰り際、太宰に聞いてみた。
「さっきは中原に何を提案したんだ?」
すると、
「えー♪聞きたい〜?」
だそうだ。
辞退しておいた。
今日の収穫は「あの2人の関係を深く詮索してはいけない」という事が分かった事だ。
手帳に書いておいた。
永遠にお互い嫌い嫌い言いまくっているが、それも、今日の一連の出来事からもう照れ隠しにしか見えない。
最早、好きな子にちょっかいを出してしまう男子中学生に見えてきた。
それにしても、中原の甘えぶりは凄かった。なんか、うん。懐いてた。他の社員が俺だけだったからなのか。
(まあ、いい関係だよな。)
(ん?いい関係なのか??)
最早、国木田には分からなかった。
その頃2人はと言うと…
森さんから太宰が貰った(強奪した)中也用のミニスカメイド服で、いかがわしい事をして楽しんでましたとさ。(主に太宰が)
太宰用のメイド服も森さんから郵送されてきた。
燃やそうか悩んだが、彼シャツ風、中也の大きめロングスカートメイド服が見れる事に太宰が気が付いてしまったので、大切に保管される事になった。
めでたしめでたし☆
今回太宰さんによって迷惑を被った2人(ノックはちゃんとする系幹部&砂吐く知ってる系理想厨)には、お酒と鰹のたたきを差し入れしときます
╰( ^o^)╮-。・*・:≡🐟🐟🥃
これでみんなハッピーさ☆
((ついでに2人に差し入れを渡せた筆者もハッピーさ☆
今日もヨコハマは平和(??)です。
平和です。((圧
コメント
3件
ヘイワダー(洗脳済み)
平和ですね(*^^*)(圧)
激しく好き、、愛しました こういう誰か視点のお話し大好きです︎💕︎💕︎💕