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【のあ視点】
怖い。
今、その言葉が頭から離れない。
さっきの七番くんの目。全然笑ってなかった。途中じゃぱぱさんの服の袖を掴んで、えとさんに背中に手を置いてもらっていたけど、やっぱり恐怖が勝った。
「あ、会長〜!晩ご飯出来たー?」
七番くんは、さっきの雰囲気がパッと消えて、いつもの元気な七番くんに戻ってる。
「もう!七番くん、どこにいたの?もうちょっとで完成だよ」
「あはは〜、ごめーん。知り合いと電話してたの!」
七番くんは、翠ちゃんと話している。
「なあ……あれ………幻覚か…?」
たっつんさんが小さくこっちを見て言う。そうだと信じたい。でも、これは現実だ。
「……あんなの……子供じゃない……」
隣のえとさんが、じっと七番くんを睨みつけた。
晩ご飯を食べて、薄暗い外でみんなで楽しく話してる七番くん。
「……じゃぱぱさんたち、どうしたんですか?」
いつの間にか、優月ちゃんが隣にいて、話しかけてきた。
「少し、外が暗いなって思って」
私は、震える声を頑張って明るい声に戻そうとした。優月ちゃんは、一瞬だけ真顔で見た気がしたけど、優しそうな笑顔で、
「そうですねぇ。暗い……」
優月ちゃんは、チラッと七番くんを見た。七番くんは、外のベンチに1人で座っている。細長いケースを自分の横に置いて……何かを警戒してるみたいに。
「じゃあ、私七番くんに話しかけてこようか……」
優月ちゃんが話し終える前に、木々が倒れる音がした。
「きゃぁぁぁ!!」
途端、生徒達がこっちに走ってきた。
「みんな!じゃぱぱさんたちの近くにいて!」
一番に翠ちゃんが大声を出した。
すると、私たちの周りに生徒が集まる。みんなの視線は、翠ちゃんの奥にいる、黒いカタマリだった。
「会長、俺が前線行く。会長は後ろにいて」
「え、七番くんが1人で…!?だめだよ、私も行く」
翠ちゃんと七番くんが、何やら言い合っている。
「会長、伏せろ!!」
その瞬間、見えない鋭い風が横を通り過ぎていった。前の2人は伏せている。無事みたい。
「……会長の代わりに俺が指示をする!二番は結界張れ!五番と三番は結界の中にいろ!六番と四番は翠を守ってくれ!」
七番くんが声を張り上げると、二番くんが私たちの前に出て、見えない透明な結界…?を張った。三番は二番の横に走る。五番は斜め後ろにスタンバイ。
「……この怪異、強いですわね」
「そうだね……勝てるかな……」
四番ちゃんと六番さんが話している。すると、目の前の黒い塊の前に、黒いドロドロした何かが生まれて、磁石のように集まった。
「えぇ…?」
四番ちゃんが驚いた。目の前にいたのは……
「私…?」
「……」
六番さんの見た目そっくりな何か。肌の色も、綺麗な長い髪もそのまんま。
「分身……コピー系の能力かな……」
七番くんは、細長いケースに手をかけて、チャックを開けた。中に入っているのは……怪しく輝いている薙刀。
七番くんは走り出して、六番さんの分身?に薙刀を突いた。
「クソが…!」
途端、七番くんが地面に足をつけた。顔が歪んでいる。
「っ……拒絶…!」
翠ちゃんが七番くんに手をかざして、叫んだ。
七番くんはすぐに立ち上がり、分身に向かって薙刀を振り上げた。
パキンっ
ガラスが割れるような音が、静かな森に響いた。
「終わり…?」
七番くんが呟く。
「七番くん、大丈夫!?怪我ない!?医務室行く!?」
翠ちゃんが心配した目で七番くんに言った。
「心配しすぎ…俺めっちゃ元気だから大丈夫!」
七番くんは、この場に合わないような笑顔で、翠ちゃんに行った。
私たちは、この異様な光景を、黙って見てることしかできなかった。
コメント
1件
るいさん、第16話読みました…!のあ視点だからこそ、七番くんの二面性の怖さがすごく伝わってきました。いつもの元気な姿とのギャップがゾッとするというか…「全然笑ってなかった」って描写、すごく刺さりました。翠ちゃんやえとさんたち大人組の反応もリアルで、このバトルシーン、緊張感が画面越しに伝わってきました💦 続きがすごく気になります…!